【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 前回、前々回と女優の杉田かおる(60)について書かせてもらった。


 彼女がまだ中学生の時の「金八先生」を皮切りに、継続的に取材してきた。

後にバラエティー番組でブレークし毒舌をウリにしてきたが、その話術が「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の菅賢治プロデューサーの指南のおかげだという裏話を伝えた。


 そして僕が彼女を最も取材したのが、20年ほど前の結婚と離婚の時だった。2005年に日本有数の自動車メーカーを含む財閥創業者の孫と結婚したものの、すぐに離婚話が出てきた。正式離婚までコメントを出さず、仕事の現場で待ち構えるマスコミをかわしていた。僕は昔からの付き合いがあり、携帯電話で連絡をとり、半分は相談に答える形ながら、彼女に許可をもらって経緯を自分の番組で紹介した。ワイドショーの中では僕だけのスクープだったのでありがたかった。


 そんな時に突然、登場してきたのが俳優の舘ひろし(75)だった。


 実は、当時の杉田は「積木くずし真相」というドラマで舘と共演していた。舘の所属する石原プロから僕に電話があり、舘本人が電話口に出た。


「城下くん、杉田かおるの相談に乗ってるそうだね」


 聞けば、杉田がマスコミに追われてたいへんそうなので、気の毒に思った舘は離婚問題に限ってマスコミ対応を石原プロにやらせようかと彼女に伝えたのだそうだ。石原プロはマスコミ対応が得意だし、記者会見の準備や仕切りもできる。個人事務所の杉田の面倒を全面的に見てもいいと提案したという。


 その時、杉田は「マスコミにも少ないけど味方はいます。城下というリポーターです」と返答したそうだ。舘は「彼なら僕も知っている。じゃあ、困ったら言ってきて」と話を切り、少し考えてから僕に連絡してきたそうだ。


 いわく、「相談に乗ってくれることはありがたい。ただ、本当に難しい状況になったら、君の立場が困るようなことにならないよう注意したほうがいい」というアドバイスだった。


 聞けば、故・渡哲也さんに近すぎた女性リポーターが番組と渡さんのことでトラブルになり、彼女の番組出演が難しくなったことがあったという。舘はそうならないようわざわざ電話をくれたのだった。


 僕が「杉田にもいろいろ教えますが、僕だけに対応してもらっているので番組にはプラスになっています」と答えると、「安心したよ」と言って電話を切った。


 舘にとっては単なる共演者で、そこまで面倒を見る義理はない。しかし、舘はそういう細かな配慮ができる人だ。


 杉田はこのことを知っているのだろうか。

今、再婚してマイペースで女優生活を続けている。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


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