ヤミ金業者は借金を滞納した女性の勤務先や自宅に電話をかけて返済を迫り、法外な利息を取り立てていた。
性風俗店に勤務する女性に違法な金利で現金を貸し付けたとして、警視庁生活経済課は28日までにいずれも職業不詳の韓甲哲(52)、渡会亮太(35)、舘岡亨(30)の3容疑者を出資法違反(超高金利)の疑いで逮捕した。
韓容疑者らは2023年3月、東京都新宿区で女性(24)に1日あたり1.07%の超高金利で現金50万円を貸し付け、今年3月までに法定利息の約20倍に当たる約405万円を利息として受け取っていた。女性はいまだに完済できていないという。
4月までに6人の風俗嬢から「これ以上、お金を支払えない」「返済が終わらない」と警察に相談があった。女性らは少なくとも計約800万円を韓から借り入れ、約2200万円の利息を支払わされていた。
「24歳の被害女性は風俗店で働く同僚女性に『お金に困っている』と相談し、韓を紹介された。韓は豊富な資金力があり、口コミで貸付先を広げていった。融資を希望する女性にはLINE登録をさせて日時を指定して新宿・歌舞伎町周辺に呼び出していた。アシがつかないように事務所は持たず、渡会と舘岡が路上に止めた車で女性と会っていた。車内で借用書を記入させ、現金を渡し、その後、定期的に利息分を返済させていた。ホストにハマって売掛金を抱え、支払いのために性風俗店で働いている女性をターゲットにしていた」(捜査事情通)
■借用書に店名や源氏名を記入
借用書には女性が通うホストクラブや担当ホスト名、本人の勤務先や源氏名、家族の連絡先のほか、ホストクラブのひと月の飲み代、所属するAVプロダクション名、女優名、出演本数を記入する欄があり、AV嬢も融資の対象だった。親は娘が風俗嬢をしていることを知っているのか尋ねる項目もあった。
「返済が滞ると、勤務先や自宅に電話をして『本人に金を返すように言って』と返済を催促していた。
風俗嬢を食い物にしているのは、悪質ホストだけではなかった。