日本維新の会が「改革のセンターピン」としている衆院議員の定数削減法案が迷走中。野党は週明けの審議入りにも応じない姿勢を崩さず、17日までの国会会期内成立は絶望的だ。

法案を共同提出した自民も積極的とはいえず、党内には「提出で連立合意は履行された」との声があるほど。合意の当事者の高市首相(総裁)は、法案を成立させるつもりかどうかを問われても「国会で決めるものだ」「答弁できない」と繰り返し、本気度が見えない。


 そんな八方ふさがりに維新は“錯乱状態”で、“妄言”が次々飛び出しチンピラ度を増している。


 馬場伸幸前代表は9日、BS番組に出演した際、こう発言。


自民党の中に獅子身中の虫がいて定数削減ができないとなった時は高市さん、解散するべきだと思う。獅子身中の虫をつぶすためには解散という手しかない」


 今国会で法案が成立しなければ衆院を解散して総選挙をすべしと主張したのだ。


「郵政民営化法案が否決されて解散を打った小泉郵政選挙みたいなことが念頭にあるんでしょう。でも、維新以外にどこも賛成していない定数削減法案が争点になるわけがない。何を言っているんだか」(自民ベテラン)


 この馬場発言には、国民民主党の古川元久代表代行が、「最近、解散権を持っていない人が、解散、解散と振り回すことが多い。非常に軽い」とバカにしていた。


 そして10日は、維新の遠藤敬国対委員長(首相補佐官)が法案が審議入りできないことについて、「野党が揃って遅延工作している」と主張。吉村洋文代表も「審議しないのは国会の自己否定だ。

野党は一生懸命時間稼ぎしている」と噛みついた。


 この言いがかりには、共産党の山添拓政策委員長が「自らの暴走を自覚もせず、行き詰まると責任転嫁」「かつてないほど稚拙な与党」とXに投稿し、批判していた。


 確かに、いずれも酷いレベルの発言で、これぞ維新クオリティー。こうなると、維新に残された道は「連立離脱カード」を本気で切って自民を脅すしかないが、もともと自民系の維新が与党の“蜜の味”を簡単に手放すわけがない。「連立離脱で困るのはむしろ維新の方じゃないのか」(自民中堅)と見透かされている。


 維新の言う“遅延”のウラには、衆院政治改革特別委員会で審議されている国民民主と公明が提出した企業・団体献金の規制強化法案の成立のメドが立っていないこともある。で、10日、維新の藤田文武共同代表は、国公案の修正協議に応じる用意があるとか言い出した。


 維新はもともと企業・団体献金には「禁止」だったんだから、早く国公案に賛成すればよかったんじゃないか。


 どこまでも維新はどんくさい。


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