"悪平等"の不採用も、数字アップに貢献したのかもしれない。昨年の大晦日放送された「NHK紅白歌合戦」の世帯視聴率が35.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。

以下同)を記録。2024年と比べて2.5ポイント上昇した。


テレビの総世帯視聴率が年々落ちる中、このアップは異例と言っていい。矢沢永吉松田聖子など大物のブッキングに成功し、AKB48の全盛期のメンバーである前田敦子大島優子などが出演した。老若男女の知っている歌手が出たことで、全体の数字が伸びた」(芸能記者)


 今大会、歌手の持ち時間に差があることも話題になった。矢沢永吉が3曲を歌って9分を超え、MISIAやback numberも5分台だった。一方で、CANDY TUNEやFRUITS ZIPPERのように2分に満たない場合もあった。この扱いの違いなどに対し、松山千春が1月4日放送のNACK5「松山千春 ON THE RADIO」で私見を述べた。


「歌って言っても、ワンハーフくらいだろ。1番と、あとサビの部分だけもう1回歌うみたいな、それくらいの長さでみんな歌わされているんだよ」「1人で歌っている人なのに、なんで後ろで踊ったりうんぬんするわけ? あとコーラスをつけたりうんぬんな。しなくてもいいでしょ」「NHKのエコひいきが露骨に見えるんでさあ、嫌だなあ」


■「視聴率が取れない」と判断されたら出演時間が減らされる


 前出の芸能記者が話す。


「歌手の立場からすれば、時間に差をつけられたら嫌でしょうね。

ただ、『NHKのエコひいき』というより、『視聴者に求められているかどうか』の差なんですよ。NHKは綿密にリサーチして各歌手の人気を測るし、毎分視聴率も相当分析している。その上で、他の人と比べて数字が取れないと判断したら、時間は減るし、人気のある出場者がダンサーやコーラスを務める。紅白は視聴率が大きな話題になるし、NHKの立場を考えれば、全員に平等な時間は与えられないでしょう」


 この傾向は2026年以降も変わらないと予想される。


「昭和の半ばくらいまでは、リモコンもなかったですし、他局も勝負を諦めていたから、視聴者はずっと紅白を見てくれた。だから、80%や70%という数字が出た。でも、今は興味がない歌手になれば、すぐにチャンネルを変えるし、テレビを消してスマホやネットに移行する人もいる。時代環境が激変していますからね」


 今回の歌手別視聴率で上位に入った矢沢永吉や松田聖子などは、単体で歌っていた。他の出場者がダンサーやコーラスを務める"抱き合わせ出演"に頼る必要がなかった。そして、実際に数字を取った。NHKのもくろみは当たっていたのである。


「千春さんの主張は、"悪平等"だと思います。

売れていれば高待遇になるし、そうでなければ待遇は落ちる。芸能界って、そういう場所ですから。差別はいけないけど、区別はあって当然。今回、歌唱時間が短かったり、ダンサーやコーラスをつけられたりした人は、この悔しさをバネにしますよ。そういう気持ちがないと、芸能界ではやっていけません」(芸能プロダクション関係者)


 学校でも会社でも、何らかの「差」はついて回る。紅白が"悪平等"を採用したら、視聴率は落ち、番組は消えるだろう。


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 紅白歌合戦で単体で歌った特別企画の歌手たちは、歌唱時間も長かった。関連記事【もっと読む】松任谷由実1989年の"稼ぎ"は1人でホリプロ&イザワオフィスを凌駕していた!紅白“特別企画”枠で出場…では、特別企画で出場した松任谷由実について伝えている。


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