与党の強引な運営で空転する国会を尻目に、高市首相は1日、インド訪問へ出発。2日モディ首相と会談する。

輸出規制など経済的威圧を強める中国を念頭に置いた、重要鉱物や半導体での協力推進が目玉だ。高市政権は「脱中国依存」に必死だが、場当たり対応が目立つ。


 日中関係は昨年11月の高市首相の「台湾有事発言」をキッカケに急速に悪化。関係改善の兆しすら見えない中、中国商務省は先月29日、対日輸出規制の強化に乗り出した。軍民両用品目の輸出禁止リストに、新たに防衛省防衛研究所や三菱電機子会社など20の日本企業・団体を盛り込んだ。


 今年2月の第1弾に続く規制強化に、小泉防衛相や赤沢経産相、木原官房長官ら高市政権のメンメンは一斉に猛反発。「決して許容できず、極めて遺憾」「政府から強く抗議するとともに、措置の撤回を求めた」と口を揃えた。


 あれ? 脱中国依存を目指す高市政権にとって、むしろ対日輸出禁止の強化は「願ったりかなったり」ではないか。強く抗議して撤回を要求するとは、言行不一致が過ぎる。


「結局、行き当たりばったりに対応せざるを得ないのです。南鳥島周辺の海底レアアース開発に前のめりでも、産業規模の開発に長期間を要するうえ、どれだけのコストがかかるかも分からない。日本のサプライチェーン危機が強まることに変わりありません。

高市政権は先のG7で重要鉱物の共同備蓄構想を主導したと胸を張っていますが、現状蓄えはない。いくら脱中国依存とたんかを切っても、難しいのが現実です」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)


 日中関係がこじれにこじれているのは、台湾を巡って曖昧戦略の立場を取ってきた日本政府の“薄氷”を高市首相が国会で踏み抜いたからだ。中国は今や日本を「新型軍国主義への歩みを強めている」と指弾するようになった。


■自分で自分の首を絞める


「これからも中国は経済的・外交的カードを切ってくるでしょう。高市首相が問題の答弁について撤回・謝罪するほかないのではないか。これからAI開発や半導体分野で世界と競合しようというタイミングに、必要な部材供給を高市首相が絞っているようなもの。ただでさえAI競争に後れを取っているのに、自分で自分の首を絞めてどうするのかと思います」(五野井郁夫氏)


 高市首相のメンツを守ることに何のメリットもない。


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