かつて、刺青は、一つの民族の文化の証だったこともある。また、違う意味での義兄弟集団の連帯の印だったこともある。

今は、刺青や入れ墨とはいわず、ファッション感覚でタトゥーと呼ばれる。ただ、タトゥーを大なり小なりしている人は、日本では献血ができないし、肝臓系の病になりやすいとも言われる。プロの彫り士さんにしてもらったものは、アートで美しいものだったりするが、自分や仲間という素人がやると悲惨なものになる。また、あとで消そうとしても、これが消えにくくて費用も手術回数もかかる。
刺青、入れ墨、タトゥーを肯定する人もいれば、その手の人には近寄らない人も一定数いる。

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 韓国では、見合い相手にタトゥーを見つけ、それを理由に「お断り」するのは心が小さいかどうか論争が起きている。

 デザイン性の高いタトゥーだけでなく、IDや子供の名前を彫っている人もいる。若い時にできちゃった婚をして、40歳をめどに引退した日本のトップシンガーも息子さんの名前を彫っていたという。NHKに出る場合は、肌色のメイクやシールで隠していたようだが。

 だが、韓国のこの問題は、隠せるサイズだからいいだろうという問題ではなく、そもそも女性側が受け付けないのだ。生理的に受け付けないのはもうしかたがない、ご縁がなかったとしてにしなければ。
タトゥー以外見た目も条件もすべて望んでいたものだと言う。
「タトゥーがお嫌いと聞いたのですが」と見せた相手の誠実さにも好感が持てるが、イヤなものはイヤなのだ。家族の生年月日。たぶん結婚すれば、彼女やこれから生まれる子供たちの分も増えていくのかもしれない。

 この見合いをセッティングした紹介者は、その筋の昇り龍とかの刺青が嫌いであり、意味のあるものは大丈夫だと思ったらしい。男性も、女性のことを気に入っており、タトゥー問題以外は理想的な二人なのだ。紹介者は、意味あるタトゥーすらだめならば、誰とも結婚できない」と一喝した。

 でも、繰り返すが、生理的に受け付けないものは受け付けないのだ。心が小さいのではない。日本風に言えば、移ってしまう肝臓の病気などを考えると、本当にご縁がなかったにしていいと思われる。そこを考えずに彫ってしまった人は、若気の至りとか家族思いで終わる問題ではないのだ。

 私的に彫ったすごくチンケなのでなく、ちゃんとアートとして彫ってもらったのすらダメなら…犬が嫌いですと、見もしなければさわりもしないことと同じではないだろうか。
【編集:fa】
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