2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博。その中でもフィリピンパビリオンが注目を集めている。
文化・創造性・持続可能性を五感で体感できる場として設計された。

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 フィリピンパビリオンのテーマ「自然、文化、そして人々ーより良い未来をともに織りなす」。その中心には、伝統と革新を融合させた展示だ。

 館内には、フィリピンの職人が手掛けた200枚以上の手織りパネルが並ぶ。伝統織物T’nalakやPinaを用いた作品は、フィリピンの豊かな文化とアイデンティティを象徴している。今後、万博史上初となる「ライブ・パフォーマンス・ファサード」が設置され、建築と舞踏が一体化した動的な展示が来場者を驚かせる計画だ。

 パビリオンの内部では、フィリピン各地の物語を織り交ぜたインタラクティブな展示「Dancing with Nature」が展開。来館者の動きをデジタル映像に変換し、自然とのつながりを体験できる仕掛けだ。

 現在は準備中だが、ウェルネスと食文化も体験できる。「Hilotウェルネススペース」では伝統的なヒロットマッサージが提供され、「Hainテイクアウト」ではフィリピン料理の代表的なメニューが楽しめる。また、フィリピンの生物多様性を象徴するターシャをモチーフにしたマスコット「ココロちゃん」も登場する予定だ。

 フィリピンパビリオンは、万博終了後もその物語を未来へと受け継ぐため、展示物の一部をフィリピン国立博物館に移設する予定だ。
フィリピン観光省のクリスティーナ・ガルシア・フラスコ観光大臣は、「フィリピンの文化とコミュニティの力強さを世界に伝えたい」と語る。

 日本とフィリピンの外交関係が70周年を迎える今、このパビリオンは両国の友情を深める場となる。訪れる人々にフィリピンの豊かな文化と創造性を体感してもらうことで、未来につながる交流の場を提供していく。
【編集:Eula Casinillo】
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