【その他の写真:ai作成イメージ】
軍事委員会の副主席を務めた張又侠(ジャン・ヨウシア)氏と、参謀本部長の劉振立(リュウ・シンリ)氏。軍の要職にあった2人の粛清は、中国政治において極めて大きな衝撃となった。張氏は習氏と幼なじみであり、現役幹部の中で唯一の実戦経験を持つ実力者だ。かつては兄弟のような信頼関係にあったはずの側近を排除した背景には、腐敗対策という表向きの理由を超えた、深刻な内紛の影が見え隠れする。
今回の解任理由として挙げられた「主席責任制の踏みにじり」という言葉は象徴的だ。これは、あらゆる決定を習氏一人に委ねる絶対的なルールに背いたことを意味する。独裁体制が深まるにつれ、周囲のわずかな不満や批判も「裏切り」と見なされる。密告と盗聴が横行する監視社会では、居酒屋で上司の愚痴をこぼすような日常の行為さえもが命取りになる。かつて毛沢東が晩年に陥った「信用の収縮」という罠に、習氏もまた足を踏み入れているのだ。
軍の首脳陣が次々と姿を消したことで、中国軍は現在、パニック状態に陥っているとみられる。
一方で、この粛清の嵐は中国経済にさらなる暗雲を垂れ込めている。軍への締め付けが強まる中、官僚や研究者の間では「余計なことは言わない」という事なかれ主義が蔓延している。経済政策におけるボトムアップのメカニズムは崩壊し、現場の悲鳴がトップに届かない構造的な欠陥が露呈している。習氏の耳に入るのは「景気は順調」という嘘の報告ばかりで、深刻なデフレや過剰在庫という現実への対処が遅れているのだ。
中国経済の失速は、日本にとっても無視できないリスクだ。日本企業はこれまで「安価で良質な労働力」を求めて中国へ進出してきたが、今や政治的な不透明さが最大のリスクとなっている。ただし、日本政府や企業が過度に狼狽する必要はない。
今後の焦点は、間もなく開催される全国人民代表大会(全人代)での人事だ。特に、日本通として知られる王毅(ワン・イー)外相の去就や、対米外交を担う「アメリカンスクール」派の台頭は、日中関係の体温を左右する。最近では、中国大使が日本の会合に出席するなど、関係改善を模索するような「雪解け」の兆しも一部で見られる。これは、日本国内の政治情勢を見極めようとする中国側の計算も働いている。
日本がとるべき道は明確だ。まず、G7諸国の中で「最弱」とも評される対外発信力の強化が急務である。日本の主張を英語や中国語、多言語で世界に直接発信する体制を整えなければ、情報戦で後れを取ることになる。その上で、アジア諸国や欧州との連携を深め、多角的な外交ルートを構築する「プランB」を常に用意しておくべきだ。
独裁体制の末路は、歴史が示す通り、組織の硬直化と崩壊の予兆に満ちている。中国という巨大な隣人が抱える内憂外患を注視しつつ、日本は自らの立ち位置を固め、リスクをコントロールしながら、したたかにチャンスをうかがう戦略が求められている。
【編集:af】








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