【その他の写真:プノンペン・オリンピックスタ ジアムにあるプールでの練習の様子】
(記事)ブダペストで7月に開かれた水泳の世界選手権に、競泳のカンボジア・ナショナルチームから3人の選手が出場しました。
「水泳」は、青年海外協力隊の歴史と深い関係 があります。青年海外協力隊は、1965年度に第一陣が派遣されましたが、その中の一人が、カンボジアに派遣された水泳指導者でした。ポル・ポト時代のさなかにカンボジアの水泳界は消滅しましたが、1980年、初代水泳隊員に指導を受けたヘム・トンさんが復興に立ち上がります。
ヘム・トンさんは2015年1月に亡くなるまで、カンボジアの水泳界の再興に奔走しました。そして「日本人コーチの厳しさこそが自分の財産」と言い続けた彼は、途絶えた水泳隊員の派遣を希望していました。
その願いを受けて2016年に着任したのが、生山さんです。
自分のベストタイムさえ知らなかったナショナルチームのメンバーたちに驚きながら、一からの指導を始めました。ナショナルチームの選手といっても、その生活環境はさまざまです。例えば世界水泳に出場した男子選手2人は31歳と26歳で、水泳を始めてわずか5年です。メコン川で泳いでいるところを、ヘム・トンさんにスカウトされチームに入りました。
国際大会でメダルを獲得するというレベルにはまだ遠いけれど、メコン川から世界の舞台へと飛躍した彼らの姿は、多くのスポーツ選手や関係者に励みとなったことでしょう。 生山さんは、選手強化のためには、小さいころから基礎体力をつけることが必要だと指摘します。平和な時代となった今、すべての子供たちに飛躍のチャンスがあるように、JICAは、さまざまな側面からカンボジアの体育教育やスポーツ振興を支援しています。官民連携でスポーツを通じた国際貢献に取り組む「スポーツフォートゥモロ ー」(http://www.sport4tomorrow.jp/jp/)にもご注目ください。
【編集:AG】