体は毎日の食事から作られます。そのため、食べもので不妊を改善していくことも可能。
積極的に摂りたい食材をご紹介します。
陽性の食材を摂り、体を中から温める
栄養素をバランス良く取り、体の調子を整えるのが不妊改善の近道。不妊症で悩む人のほとんどが、体の冷えに悩まされているといいます。

体質改善にまず取り組みたいのが食事。東洋医学の考え方では、食べものは陰または陽の性質を持っています。陰は体を冷やす性質があり、陽は温める性質がある食材ということ。
この性質は火や熱を加えることで変化します。この性質は、どちらが良い悪いというわけではなく、自分の体質に合ったものを取ることで、体のバランスを整えることができます。

不妊症の人には、冷えで悩む人が多い為、体を温める陽の性質を持った食材を摂ると、体質改善に。食事を摂る際に気をつけたいポイントをまとめました。

◯白いものは体を冷やし、黒いものは温める
白米、小麦、砂糖は陰性で体を特に冷やすので避けましょう。玄米や全粒粉のものを食べたり、白米に黒豆やあずき、黒米をプラスして炊くなどの工夫をしましょう。


◯夏野菜は体を冷やし、冬の野菜は温める
キュウリ、なす、トマト、オクラなど暑い時期が旬の夏野菜は体を冷やします。逆に、白菜、かぼちゃなどの寒い時期に取れる野菜は体を温める作用が。
夏野菜でも、火を通すことで陽性になるので、炒めものやスープなどに調理して食べましょう。また、同様の原理で暑い国で取れるバナナなどのフルーツも体を冷やすので食べ方に注意を。

◯土の中で育ったものは体を温める
ごぼう、レンコン、玉ねぎ、人参など土の中で育つ根菜類は陽性のパワーが強く、体が温まるので積極的に摂りたい食材です。

◯薬味類はたっぷり使う
ネギ、しょうが、とうがらし、にんにくなどは体を温める食材。
薬味は常にたっぷりめに用意して、たくさんいただきましょう。

◯常温より低い温度のものは避ける
冷え性の人が、常温より低い温度のものを摂るとどんどん冷えが悪化します。冷えの改善を目指すなら、常温以上のものを摂るように。体温を上げるには、食べものと飲み物を含め夏でも温かいものを摂るように意識しましょう。
葉酸を含むビーツに今、注目が!
不妊によい食べ物はたくさんありますが、なかでも今注目されているのがビーツ。根菜類の一種で、真っ赤な実が特徴です。
寒いロシアでよく食べられるビーツは、東洋医学の観点からも体を温める作用が満点。「食べる輸血」と言われるほど、栄養バランスに優れているのです。

栄養学的に見ると、明らかに際立っているのがビタミンB群の一種「葉酸」の含有量の多さ。一般女性の1日の葉酸摂取量は240g。約半分のビーツ100gを食べるだけで摂ることができます。葉酸は、体内の血液や新しい細胞を増やすのに不可欠な栄養素。
葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるとされ、妊娠を望んでいる段階からの摂取が勧められています。葉酸は、男性の精子の分裂もサポートするので、パートナーとともに食事で取り入れるのがベストな方法です。

さらに、ビーツの赤い色はベタシアニンという色素成分で、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用が豊富。健康な卵子の育成をサポートしてくれます。また食物繊維やカリウムも含んでいるので、冷え症の人が抱えがちな便秘やむくみといった悩みも解消してくれます。ほかにも、カルシウムやビタミンA・Cなど。
1つの食材で、こんなにもバランスよく栄養素を含んでいるんです。

実は、生でも食べられるビーツ。スライスしてサラダにプラスすると、シャキっとした食感が楽しめます。またロシアの家庭料理ボルシチ風にスープにしたり、オーブンで焼いたりするとほっくりとした食感に。

毎日の食事をおろそかにしないことが、不妊を改善する方法です。体を温める食材をおいしく食べて、妊娠しやすい体に導きましょう。