日本を代表するロングセラーお菓子・たべっ子どうぶつが、まさかの映画に。
5月1日に映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』として公開された。
お菓子やパッケージのキャラクターたちのファンからは「いったいどのように映画化されるのか」と期待の声も高まっている今作。物語のカギを握るぞうくん役を演じた水上恒司に話を聞いた。
――お菓子として愛されているたべっ子どうぶつが映画になることを聞いた際、どんな感想を持ちましたか?
「非常に良いんじゃないかなと思いました。もはや誇らしいなと」
――しかも水上さんは、本作が声優初挑戦ですね!やってみてどうでしたか?
「収録環境に関しては、アニメの現場ではなく、映像のお芝居で音も一緒に録ることは何度かありました。ただ、いざ収録した声を聞いてみると、やっぱり恥ずかしいというか、それでもやっていかないといけないジレンマのようなものは、常に感じていました」

――プロデューサーから"イケボ"で聞き惚れたという話もありましたが、声に対して褒められたことは?
「言われたことはありますが、それはもう好みの話なので(笑)。大事なのは、今褒められる、評価されることに対して、どれだけ挑戦してみて、どれぐらいできるかできないか、そのプロセスとか過程を考えることを大事にしてます」
――映画の中で、水上さんがお気に入りのシーンを教えてください
「やはり髙石(あかり)さんが演じるぺがさすちゃんの歌声じゃないでしょうか? それから、ひよこちゃんに対して、二十歳ちょっとの女性が子どもに対して自分の意見を入れつつも、でも"子どもだからまだわかんないよね"っていうのを失礼なく、品のある問いかけで投げかけるシーン。あれを聞いた時は"このご年齢で、こんな声をやれちゃうのか!"と印象に残りました」
――もしも相棒にするなら、どのキャラクターが良いでしょう?
「ゴッチャンですね!僕、関(智一)さんと一度だけご一緒したことがあるのですが、"いや、うまいなぁ"というのもありますし、浮遊できるっていうのはいいなと。浮遊して、何するかと言われたら、別に何もないですけど(笑)」
――水上さん自身、ぞうくんから学んだことはありましたか?
「物語全体を通して、上に立つ者、影響力を持つ人間ほど発言だったり振る舞いに対して気をつけないといけないなと思いました。ぞうくんは言うべきときは言う、でも言わないときは言わない、ていうのを知性を持って、判断して振舞っているキャラクターだったので、そこはすごく人としても意識することが大事だなと思いましたね」

――出演時のコメントで、ぞうくんのことを"誰しもが隣にいてほしいと思うできたキャラクター"と表現していたのが印象的でした。水上さん自身、誰かに支えられているなと感じることは多いですか?
「やっぱり1人ではね、お客さんのもとに作品を届けていけないと思うので、支えられているなと思っています。こんなこと言うと"お前のためにやってるんじゃねえよ"っていう方もいるかもしれませんけどね。でも背景には、多くの人間が関わっているっていうことは、忘れちゃいけないなと思ってますし、それをメディアを通して発信することはすごく意義があることなんじゃないかなと」
――非常に仲間について考えさせられる作品でした。
「今の仕事仲間ですかね。なかなかリスキーな再始動だったので、よくその船に一緒に乗ってくれたなと思いますし、ある意味で僕ありきの船ではあるので、僕が降りるんだったら"もうみんな解散"ってなりかねない組織である。僕の一挙手一投足、立ち振る舞いがクルーの善し悪し行く末も決めていくので、そこについてきてくれてありがたいなと。結果的にクルーに良い時間だったり、いろんなものを還元できるようなことがあったりしたらいいんですけど、至らない部分も多いですからね。そこをカバーしてくれる仲間には頭が上がらないです」

――その方たちのために日頃から意識していることはありますか?
「僕はあまり連絡がまめなタイプではないので、嘘をつかないこととか、誠実にい続けるとか、謙虚でい続けるとか、そういうことを大切にしています。それこそ、今回の映画で子どもたちが学ぶようなことが、大人になっても大事なんじゃないかなと思っているんです」
――たしかに、学ぶところが多い作品ではありますね。どんな方に見てほしいですか?
「やはり子ども世代の方にはもちろんみてほしいのですが、大人の方にも見てほしいです。
僕、今年26歳になりますけど、最近の世界情勢を見ていると"この先どういうふうになってしまうんだろう"って思うこともあるんですよ。歴史は繰り返してしまうのかなって。子どもたちにとって、政治というのはまだわからない部分もあると思いますが、、この映画が上映されている時間を経て、大人になったときに開花するような肥料的な存在になってくれたらなと思います」
――最後に、改めて映画の見どころを教えてください
「この作品は、かなりの年月をかけて皆様のもとに届くような作品だと思っています。本当に声優陣も豪華ですし、CG技術が本当にすごいですからね。かわいい 、癒される 、ゆるいっていう印象を受けると思うんですが、実は技術的にはとんでもないことやっているんです。

取材・文・撮影=於ありさ
映画情報
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
2025年5月1日(金) 全国公開
公式サイト:https://tabekko-movie.com/
公式X:https://x.com/tabekko_movie
予告編:https://youtu.be/6JyMnxSdbXg?si=C5SUy38_UEZBkhml
【声の出演】
らいおんくん:松田元太 ぞうくん:水上恒司 ぺがさすちゃん:髙石あかり ※“高”は、はしごだかが正式表記
さるくん:藤森慎吾 かばちゃん:蒼井翔太 うさぎちゃん:小澤亜李 ねこちゃん:水瀬いのり きりんちゃん:東山奈央
わにくん:立木文彦 ひよこちゃん:間宮くるみ ペロ:大野りりあな ゴッチャン:関智一 マッカロン教授:大塚明夫 キングゴットン:大塚芳忠
主題歌「Would You Like One?」Travis Japan (Capitol Records / ユニバーサルミュージック)
原作:ギンビス
監督:竹清仁 脚本:池田テツヒロ 企画・プロデュース:須藤孝太郎
クリエイティブプロデューサー:小荒井梨湖 音楽:羽柴吟
音楽制作:TBSテレビ 音響制作:グロービジョン 音響監督:横田知加子
アニメーションプロデューサー:宇井正人 CGスーパーバイザー:堺井洋介 アートディレクター:亀井清明 ラインプロデューサー:髙橋弘樹
宣伝プロデュース:KICCORIT
アニメーション制作:MARZA ANIMATION PLANET INC. 製作幹事:TBSテレビ 配給:クロックワークス TBSテレビ
(C)ギンビス (C)劇場版 「たべっ子どうぶつ」製作委員会