2023年夏、日本で初上演されて大きな話題となったミュージカル『ビートルジュース』。公演終了直後から再演を望む多くの声が寄せられた本作の上演が2025年5月9日(金)から開始する。
ミュージカル『ビートルジュース』は、「チャーリーとチョコレート工場」「スウィーニー·トッド」などファンタジックなストーリーと独特の色彩美で知られるティム·バートン監督の1988年の映画作品を原作としたミュージカル作品。
前回に引き続き主演をつとめるジェシー(SixTONES)を始めとし、勝地涼や愛加あゆ、清水美依紗、山﨑玲奈、吉野圭吾、瀬奈じゅんなど、キャストと演出のさらなる化学反応にも期待が高まっている。
HOMINISではリディア役をWキャストで務める2人にインタビューを敢行。
今回は、『レ·ミゼラブル』などの大作ミュージカルに次々と出演し、映画『ウィキッド ふたりの魔女』の日本語吹替版でグリンダ役を演じたことでも話題沸騰中の清水美依紗のインタビューを紹介。役柄の魅力や今後の展望など語ってもらった。
――2023年の初演に続き再びリディア役を演じられますが、前回の経験を踏まえて挑戦したことや意識されたことはありますか
「前回から台本がマイナーチェンジしていて、読ませていただいた時に、
初演の時の悲しみに覆われたダークなキャラクターから少しポップな印象になったなと感じました。
クスッとなるシーンでもリディア自身の芯がぶれないように意識したいなと思いました。
キャラクターのままコメディをするって本当に難しくて。
私にとっては大きな挑戦です!!」
――リディアは『一番真面目な役』ということですが、リディアという役柄の魅力を教えてください。ご自身との共通点はありますか
「リディアの魅力は、とにかく頭の回転が速くて賢く、ママを失った悲しみにも正面から向き合い、現状を変えようと最後まで諦めない真っ直ぐでかっこいい女の子なところです。
私自身との共通点は実はあまりなくて、強いて言えば少し根暗なところくらい。笑
私は父を亡くした経験がありますが、リディアのように素直に自分の感情を出せず、その分この役を演じるうえでとても苦労しました
ですが、初演から本番を重ねるうちに、リディアという役を通して私自身も少しずつその気持ちを乗り越えていくことができたように感じています」
――アーティスト、ミュージカル俳優として活躍されていますが、ご自身にとってそれぞれの活動をどう受け止めていますか
「アーティストとしての活動も、ミュージカル俳優としての活動も、どちらも自分にとって大切な表現の場です。
両方を行き来することで、自然と相乗効果が生まれていると感じています。
ミュージカルの舞台では、芝居を通した感情表現や物語の中での歌の在り方を学ぶことができ、それが歌手活動に生きて、表現の幅が広がりました。
逆に、歌手活動で培った歌い方や自分の声の扱い方を、ミュージカルの技術として役の中に組み込むこともできるんです
それぞれが切り離せない存在で、お互いを高め合える関係になっています」
――ご自身のソロライブでも『ビートルジュース』の楽曲を披露されていました。ソロライブで歌うのと舞台上で意識されている点や違いはありますか
「役として歌うのか、自分自身として歌うのかで、自然と全く違うものになるなと感じています。
意識して変えようとしなくても、立つステージやその瞬間の自分の在り方によって、歌の表現や空気感が変わるんです。
どちらのステージでも歌うことはすごく楽しくて、それぞれにしかない魅力があります。
役として歌うときは物語の中の感情や背景を背負って歌い、自分として歌うときは、その曲を通して自分の想いを自由に届けられる感覚。
その違いを楽しめるのも、今の自分の活動の醍醐味のひとつだと思っています!」

――ジェシーさんとの共演について、改めてどうでしたか。稽古中の裏話などあれば教えてください
「実は、ジェシーさんとはあまり会話をする機会がなかったんです(笑)
でも、不思議と会話がなくてもお芝居の中でちゃんと心が通ってる感覚があって。
久しぶりに通したときも、言葉を交わさなくても自然とあのときの空気に戻れて、すごく懐かしい気持ちになりました。
それだけ舞台の上で繋がっていたんだなって、改めて感じた瞬間でしたね」
――Wキャストとなりました山﨑玲奈さんとは、作品を作るうえで何か会話されましたか
「私は稽古への参加が少し遅れてしまったので、山﨑玲奈さんには変更点を教えてもらったり、色々と助けてもらうことが多かったです。
隣の席ということもあって、稽古の合間には他愛もない話もたくさんしています!そういう何気ない時間もすごく楽しくて、自然といい関係を築けた気がします」
――本作を通して伝えたいメッセージを教えてください
「『ビートルジュース』はド派手なコメディがたくさん繰り広げられる作品なのですが、実はその奥に"生と死"をテーマにした葛藤や、孤独・悲しみに闘う人たちの姿が描かれているんです。
どんなにふざけたシーンや笑える場面があっても、登場人物たちの心の中にはそれぞれ抱えているものがあって、そこに寄り添えるような作品になっていると思います。
観てくださる方が、笑って泣いて、最後にちょっとあたたかい気持ちになってもらえたら嬉しいです」
――今後、清水さんご自身はどのように活動されていきたいですか
「現在は目の前のお仕事ひとつひとつにしっかりと向き合いながら、日々精一杯取り組んでいます。
その中で、どんなことも前向きに楽しむ気持ちを忘れずにいたいと常に思っています。
表現の世界は、やはり自分自身が楽しむことで初めて相手に伝わるものがあると思うので、今後もその姿勢を大切にしながら活動を続けていきたいです。
そして、いただいたご縁や機会をひとつずつ丁寧に積み重ねていけたらと思っています」
文=HOMINIS編集部
公演情報
ミュージカル『ビートルジュース』
【東京】2025年5月9日(金)~28日(水) 日生劇場
【大阪】2025年6月4日(水)~29日(日) 新歌舞伎座
<キャスト>
ジェシー(SixTONES) 勝地涼 愛加あゆ 清水美依紗/山﨑玲奈(Wキャスト) 吉野圭吾 瀬奈じゅん
可知寛子 小山侑紀 高橋卓士 伯鞘麗名 横山達夫
岡本拓也 坂元宏旬 竹内真里 中嶋尚哉 堀江慎也 / 植村理乃(スウィング) 米澤賢人(スウィング)