【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】
本連載では、国内外問わず通用するマーケティング施策を取り上げ、インバウンド対策にも役立つヒントをお届けします。
集客は、ビジネスの成長に不可欠な要素です。
しかし、「ただ顧客を呼び込むだけ」では、費用対効果の低い結果に終わることも少なくありません。いかに商材を購入する可能性が高い「見込み客」を効率的に集め、「固定客」へと育成できるかが、成功の鍵となります。
品質の良い商品やサービスを提供するだけではなく、インターネットメディアやオフライン施策など、多様なチャネルを活用した戦略的なマーケティングが今、求められています。
本記事では、店舗やWebサイトへの集客を成功させるための具体的な集客方法を14個徹底解説。さらに、集客の概念、固定客の重要性、ブランド化といった基礎知識から、効果的な集客のポイントまで、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
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- 集客とは
- 顧客を「引き込む」ための戦略的なアプローチ
- なぜ「見込み客」の集客が重要なのか?
- 集客成功の第一歩はターゲット顧客の明確化
- 効果的な集客方法14選
- 1. SNSやオウンドメディアの活用
- 2. 口コミサイトやGoogleマップなど集客ツールへの登録
- 3. SEO対策・ローカルSEO対策
- 4. 動画サイトの活用
- 5. メールマガジン(メルマガ)
- 6. ダイレクトメール(DM)
- 7. チラシのポスティング
- 8. 展示会
- 9. 無料セミナー
- 10. テレフォンアポインター(テレアポ)
- 11. リスティング広告・ディスプレイ広告
- 12. LINE公式アカウント
- 13. クーポン・キャンペーン
- 14. コラボレーション企画
- 集客のポイント3つ
- 1. 顧客層の明確化
- 2. PDCAサイクル
- 3. 多様な集客方法
- 明確なターゲットに多角的にアプローチし、集客を成功させよう!
- インバウンド対策にお困りですか?
目次
集客とは
集客とは、自社が展開する商品やサービスを購入する可能性が高い「見込み客」を集めることを指します。
この項目では、集客の概念や、集客を実施するための重要なステップについてご紹介します。
顧客を「引き込む」ための戦略的なアプローチ
集客とは、基本的には文字通り「客を集めること」と認識されています。
しかし、ただ闇雲に客を集めるだけでは、自社の製品やサービスに興味を持たない層も呼び込むことになり、結果として売上向上に繋がらないばかりか、広告費の無駄遣いにもなりかねません。
なぜ「見込み客」の集客が重要なのか?
店舗のマーケティングにおいては、いかに自社の商品・サービスに高い関心を持つ「見込み客」を効率的に集めるかが極めて重要になります。
見込み客は、すでにニーズや課題を抱えているため、適切なアプローチで商品・サービスを紹介できれば、購入・利用に繋がりやすいからです。
集客成功の第一歩はターゲット顧客の明確化
効果的な集客を行うためには、まず「誰に」商品やサービスを届けたいのかを明確にする「ターゲット設定」が不可欠です。ターゲットが不明確なままでは、最適な集客方法を選ぶことも、魅力的なメッセージを伝えることもできません。
例えば、若年層向けのカジュアル衣料品を扱う店舗と、高年齢層向けの高級食材を扱う店舗では、当然ながら集客のアプローチは大きく異なります。ターゲット層の年齢、性別、職業、ライフスタイル、購買行動、情報収集源などを具体的にイメージすることで、最適な集客戦略が見えてきます。
ターゲットを明確にすることで、限られた予算やリソースを最も効果的な集客施策に集中投下できるようになります。
効果的な集客方法14選
集客方法の代表例として、「SNSやオウンドメディアの活用」「口コミサイト等の活用」「SEO対策」が挙げられますが、これらを自店舗のターゲット層にあわせて組み合わせることが重要です。
この項目では、上記の効果的な集客方法を14個紹介します。1. SNSやオウンドメディアの活用
まず一つ目に挙げられるのは、SNSやオウンドメディアの活用です。
FacebookやInstagramといったSNSのほか、店舗が扱う商材のユーザー層に向けたコンテンツを配信する「オウンドメディア」といったインターネットメディアを活用することで、店舗の存在を見込み客にアピールできます。
特に、若者のユーザー向けにはSNSやインターネットメディアなどの活用が有効です。
一方でインターネットの利用が必ずしも習慣化していない中高年層がターゲットとなる商材では、チラシや雑誌広告といった紙媒体の利用も検討する必要があります。
関連記事:SNSマーケティングのポイントとは?UGCを促してユーザーと接点をもつコツなど
2. 口コミサイトやGoogleマップなど集客ツールへの登録
また、近年では利用客の評判・口コミを集めて公開する「口コミサイト」や「ポータルサイト」が多数運営されており、ユーザーが利用する店舗を選ぶ際の参考にされています。
特にはじめて利用する店舗を選ぶ際や商品を購入する際、ユーザーは既存顧客による口コミを重視します。上記のような口コミサイトで良い評価を得られれば、ブランドイメージも向上し、集客につながると考えられます。
口コミサイトの中には登録料がかかるものもありますが、Googleビジネスプロフィールなどは無料で利用できます。Googleビジネスプロフィールは、Googleマップ上に店舗の情報を掲載するためのサービスで、企業・店舗のみが利用できます。
関連記事:Googleマップに店舗を住所登録する方法とは?変更方法や間違った住所が掲載されているデメリットも解説
3. SEO対策・ローカルSEO対策
もう一つの集客方法に、SEO対策が挙げられます。SEO対策の「SEO」とは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、GoogleやYahoo!検索といった検索エンジンの結果で上位にページを表示するための施策です。
近年では実店舗型のビジネスの店舗を探す際、「レストラン+地名」「美容室+駅名」といった形で業種名と地名を組み合わせて地図検索をする人が増えているともいわれています。こうした特定の地域に関連した検索をローカルSEO、検索結果を改善するための取り組みをローカルSEO対策といいます。
インターネットや検索サイトを使わない高齢者層などには効果が薄いという点がデメリットに挙げられるものの、これらの検索結果で上位に表示されれば、購入意欲が高いユーザーの興味を集めやすくなる効果に期待できます。
関連記事:ローカルSEO(MEO)の具体的な方法とは?店舗集客に有効な理由とともに解説
4. 動画サイトの活用
動画サイトは、視覚と聴覚に訴えるコンテンツを通じて、商品の魅力やブランドストーリーを効果的に伝える手段です。
特に、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームでは、ユーザーの関心を引きやすく、情報の拡散力も高いのが特徴です。また、動画コンテンツはSEO対策にも有効であり、検索結果での上位表示を狙うことができます。
さらに、視聴データの分析を通じて、ユーザーの反応を把握し、コンテンツの改善やターゲティングの精度向上が可能です。
5. メールマガジン(メルマガ)
メルマガは、定期的に情報を配信することで、顧客との関係を維持・強化する方法です。新商品やキャンペーン情報をタイムリーに伝えることができ、購買意欲の喚起にもつながります。
また、顧客の反応を分析することで、コンテンツの改善やターゲティングの精度向上が可能です。
関連記事:今さら聞けない!メルマガ(メールマガジン)ってなに?配信する目的・メリット・注意点
6. ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメールは、ターゲットに直接情報を届ける方法です。個別にカスタマイズされた内容を送ることで、受け手の関心を引きやすくなります。
紙媒体のDMは開封率が高く、特別感を演出できます。ただし、制作や発送にコストと時間がかかるため、費用対効果を考慮した計画が必要です。
7. チラシのポスティング
チラシのポスティングは、特定の地域に直接情報を届ける集客方法です。ターゲットエリアを細かく設定できるため、地域密着型のビジネスに適しています。
紙媒体は視覚的な訴求力があり、保存性も高いため、長期間にわたり効果を期待できます。また、インターネットを利用しない層にもリーチできる点が特徴です。
ただし、配布エリアの選定やデザインの工夫が必要であり、クレーム対応などのリスク管理も重要です。
関連記事:ポスティングとは?特定のエリアに確実に情報を届ける広告手法・メリットや向いている業種は?
8. 展示会
展示会は、企業や製品を直接紹介できる場であり、多くの見込み顧客と出会えるチャンスです。来場者との対話を通じて、製品の魅力を伝えやすく、信頼関係の構築にもつながります。
また、ブランドの認知度向上や市場の反応を直接得ることができます。ただし、出展には準備やコストが伴うため、計画的な運営が求められます。
9. 無料セミナー
無料セミナーは、専門知識や情報を提供することで、参加者の信頼を得る方法です。参加者との直接的なコミュニケーションを通じて、ニーズの把握や関係構築が可能です。
また、参加者の連絡先を取得することで、今後のマーケティング活動にも活用できます。ただし、内容の充実や集客の工夫が成功の鍵となります。
10. テレフォンアポインター(テレアポ)
テレアポは、電話を通じて直接顧客にアプローチする手法です。即時に反応を得られるため、迅速なフィードバックが可能です。また、相手の反応を見ながら柔軟に対応できる点も利点です。
ただし、担当者のスキルやトーク内容が成果に直結するため、研修やスクリプトの整備が重要です。
11. リスティング広告・ディスプレイ広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告です。ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、そのキーワードに関連する広告が表示されるため、購買意欲の高い見込み客に直接アプローチできます。
一方、ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像や動画形式の広告で、潜在層への認知拡大やブランディングに効果的です。
関連記事:リスティング広告とは?意味・費用・運用方法・効果を解説
12. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、日本国内で広く利用されているコミュニケーションアプリ「LINE」を通じて、企業や店舗がユーザーと直接繋がれるツールです。
メッセージ配信、クーポン配布、ショップカード、チャット機能などを活用し、顧客との継続的な関係構築や来店促進、リピート率向上に非常に貢献します。
13. クーポン・キャンペーン
クーポンやキャンペーンは、期間限定の割引、特典、プレゼント、イベントなど、顧客の購買意欲を刺激し、来店や購入を促すための施策です。
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピートを促進する上でも強力なツールとなります。オンライン・オフライン問わず、様々な形で実施が可能です。
14. コラボレーション企画
コラボレーション企画とは、自社と異なる業界やジャンルの企業、ブランド、インフルエンサーなどと協力し、共同で商品開発、イベント開催、プロモーションなどを行う集客方法です。
互いの顧客層や強みを活かすことで、単独では到達できなかった新たな市場や顧客層にアプローチし、集客効果の最大化を目指します。
集客のポイント3つ
この項目では、集客において重要なポイントを3つ紹介します。
1. 顧客層の明確化
集客においては、どのような層の顧客を呼び込みたいか、明確なターゲットを想定することが重要です。
たとえば、さまざまな年齢層・嗜好を持つユーザーが利用するコンビニであっても、高価格・高品質な製品を取り扱う場合は、ユーザーが利用してみたくなるような話題性を持たせたマーケティングや高所得者向けの集客が必要となります。
一方、安さを売りにするのであれば、値段を大きくアピールするなど、顧客層によって集客におけるアピールポイントを変える必要があります。
このように集客の手段はターゲットとする客層によっても異なるので、自社で扱う商品のターゲティングは重要です。
2. PDCAサイクル
PCDAサイクルとは、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(確認)」→「Action(改善)」のことで、ビジネスの現場でよく用いられている施策改善の手法でもあります。集客はマーケティングや営業戦略といった要素を伴うため、上記のようなPDCAが求められます。
具体的には、実施したSNSやメディア施策などの数値分析や、寄せられた口コミ・評価をフィードバックとして活かすといった改善を行うことが、PDCAサイクルの繰り返しにつながります。
3. 多様な集客方法
前項で紹介したように、集客にはさまざまな手段があります。
そのため、顧客層にあわせてSNS・インターネットや、紙媒体での宣伝に注力するなど、さまざまなニーズに応えていくことが重要となります。
また、集客方法が多様化した昨今では、多様なターゲットを抱える商材でも、複数の集客方法を組み合わせることで多くの接点を作ることが可能です。
ただし、先述のPDCAサイクルを回すためにも、実施した施策の効果測定は欠かせません。施策を実施した際は、できるだけ目に見える数値を出し、その後の分析・改善に役立てられるデータを作ることが、多様な集客方法を成立させる上でも重要といえます。
明確なターゲットに多角的にアプローチし、集客を成功させよう!
本記事では、効果的な集客の基本的な概念から、具体的な集客方法、そして成功のためのポイントまでを詳しく解説しました。
効果的な集客とは、単に数を集めることではありません。自社の商品やサービスを利用する可能性が高い「見込み客」を明確にし、その見込み客に響く最適な方法でアプローチすることにあります。そして、一度獲得した顧客を「固定客」として育成し、長期的な関係を築くことも、ビジネスの安定成長には不可欠です。
集客を成功させるためには、以下の3つのポイントを常に意識してください。
- 顧客層(ターゲット)の明確化とペルソナ設定
- PDCAサイクルによる効果測定と継続的な改善
- 多様な集客方法の最適な組み合わせ
これらのポイントを踏まえ、本記事でご紹介した様々な集客方法の中から、あなたのビジネスに最適な施策を選び、ぜひ実践してみてください。
オンライン・オフラインを問わず、様々なアプローチを組み合わせることで、より多くの見込み客にリーチし、あなたのビジネスを次のステージへと押し上げることができるはずです。
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