5月19日(月)から4日間にわたり、大阪・関西万博会場内「EXPO メッセ(WASSE)」にて「日本盆栽・水石展」が開催。1970年の大阪万博に出展された名樹をはじめ、歴史的逸話を持つ銘品が一堂に集う特別展示だ。
日本の美意識と自然へのまなざしが息づく、時を超えた“生きた芸術”が訪れる人を迎える。
五葉松・銘「雨やどり」。左が昭和45年「日本万国博盆栽水石展」出品時の樹姿、右が2024年の樹姿
前回大阪万博の名樹が再び。“55年越し”の再会
今回の展示で大きな注目を集めるのが、1970年の大阪万博「日本万国博盆栽水石展」に出品された盆栽の再展示だ。
代表作である五葉松・銘「雨やどり」は、55年という歳月を経てもなお健やかな姿を保ち、樹木の生命力とともに時代の記憶を伝えてくれる。
徳川慶喜公遺愛の黒松・銘「鎧掛け(よろいかけ)の松」
さらに、幕末の動乱を生き抜いた徳川慶喜公遺愛の黒松「鎧掛けの松」も登場。歴史に彩られた逸話を宿す盆栽が、現代に静かな存在感を放つ。
将棋界の歴史的対局を見守った盆栽も展示
特別展示では、日本盆栽大観展・内閣総理大臣賞受賞樹をはじめとする国内屈指の逸品が集結。
なかでも注目は、2021年に藤井聡太棋聖と渡辺明名人(当時)が対局した棋聖戦第一局の舞台に飾られた盆栽2点。将棋界の記憶を見守ったこれらの名樹も、展示の一角を飾る。
2021年、藤井聡太棋聖と渡辺明名人(当時)が対戦した棋聖戦第一局の会場に飾られた盆栽2点
加えて、全国から集結した約128席の盆栽・水石・盆器も並び、圧倒的なスケールで日本の盆栽文化を体感できる内容となっている。
即売ブースも併設。“BONSAI”の魅力に触れる4日間
会場内には、全国の盆栽ショップによる即売ブースも登場。
展示だけでなく、盆栽文化の“今”と“これから”を感じられる空間が広がる。
BONSAI文化が歩んだ55年と、未来へのまなざし
1970年の大阪万博を機に、世界に広まった「BONSAI」という言葉。あれから55年、日本の伝統文化としての盆栽は“おじいちゃんの趣味”から、世界中で愛される“生きた芸術”へと進化した。
万博という国際舞台で、再びその魅力を放つ「日本盆栽・水石展」。時代を越えて受け継がれる盆栽の精神に、触れてみてはいかがだろうか。
EXPO2025 日本盆栽・水石展
会期:5月19日(月)~5月22日(木)
会場:大阪・関西万博会場内「EXPO メッセ(WASSE)」
公式サイト:https://shohin-bonsai.ne.jp/expo2025/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000162231.html
(山之内渉)