静けさに包まれる“祈りの時間”を求めて、石川県・加賀温泉郷を旅してみてはいかがだろうか。

加賀市ではこの夏、日々の穢れを祓う「夏越の大祓」、幻想的な光景が広がる「灯ろう流し」、そして受け継がれてきた祈りのかたちにふれる「天神講」の三つの行事が開催される。

どれも地域に根差した伝統と、現代人の心に寄り添う癒しの時間を提供してくれるはずだ。

穢れを祓い、心を整える「夏越の大祓」

6月30日(月)、山代温泉の服部神社では、半年分の罪や穢れを祓い清める神事「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」が執り行われる。

境内には「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれる大きな輪が設置され、参拝者はこれを八の字にくぐることで厄災を遠ざける。

この風習は古来より受け継がれ、現代でも多くの人々が季節の節目に心身を見つめ直すきっかけとして参加している。神事は20時から始まり、誰でも参列可能だ。

水面に浮かぶ想い、「大聖寺灯ろう流し」

7月19日(土)には、大聖寺地区で「灯ろう流し」が開催される。会場となるのは古九谷の杜親水公園。夕暮れ時、水面に揺れる無数の灯ろうが幻想的な景色をつくり出す。

この行事では、先祖供養や平和を願い、思い思いのメッセージを込めた灯ろうを自ら流すことができる。地元住民だけでなく観光客も参加可能で、夏の旅先で心に残るひとときを体験できるはずだ。

時を超えて続く、加賀の信仰「天神講」

7月24日(木)から26日(土)にかけては、菅生石部神社で「天神講」が行われる。学問の神・菅原道真を祀るこの行事は、子どもたちによる奉納舞や神事を通して、地域に代々受け継がれてきた信仰のかたちを今に伝える。

境内では「蝶の舞」と呼ばれる舞が奉納され、色とりどりの衣装に身を包んだ姿が静かに舞う様子は、世代を超えた祈りと感謝の心を映し出す。観光としてだけでなく、心を整える時間として訪れてみるのもいいだろう。

旅の目的に“祈り”を添える夏へ

歴史と伝統に支えられた祈りの風景は、心を解きほぐし、静かな力を与えてくれる。

この夏は、観光地としてのにぎわいとはひと味違う「加賀の素顔」を感じに出かけてみてはいかがだろうか。

夏越の大祓・茅の輪くぐり神事
日程:6月30日(月)20:00~21:00
会場:服部神社
所在地:石川県加賀市山代温泉18-7

大聖寺灯ろう流し
日程:7月19日(土)19:00~21:00(受付20:30まで)※雨天中止
会場:大聖寺 古九谷の杜親水公園
所在地:石川県加賀市大聖寺地方町

天神講
日程:7月24日(木)~26日(土)10:00~20:00頃
会場:菅生石部神社
所在地:石川県加賀市大聖寺敷地ル乙81

加賀市観光情報センター KAGA旅・まちネット:https://www.tabimati.net/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000076294.html

(山之内渉)

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