ワイン産地のひとつとして、アルザスが「大阪・関西万博」のフランスパビリオンに公式出展している。
そこで、万博がより楽しめるアルザスワインについてのトリビアと、ソムリエおすすめのペアリングのコツを紹介したい。
今回紹介するブドウ品種は、同地で多く栽培されている「リースリング」だ。その特徴や栽培の歴史、料理などとのペアリングについて見てみよう。
気品ある、アルザスのリースリングワイン
リースリングは、アルザスの顔ともいえるブドウ品種のひとつだ。
洋梨や桃などの気品ある果実味やフレッシュな酸味、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、白い花やアニス、クミンなどのスパイスの風味が調和した優雅な味わいが特長となっている。
グラン・クリュやすぐれた区画では、土壌由来のミネラルのニュアンスも感じられる。
現在同品種は、アルザス全土で栽培されるブドウ品種の23%、およびスティルワイン全体の31%を占めている。
ドイツから始まったリースリングの歴史
リースリングは、ドイツに続くライン川流域を代表する高級品種だ。
原産地はライン渓谷とされているが、古代ローマの「Argitis minor」を祖先とする説もある。ブドウ品種学者ストルツによれば、同品種の栽培は9世紀、ドイツのラインガウ地方で始まったとされている。
843年のヴェルダン条約締結の翌日、ルートヴィヒ2世がライン川沿いにジャンティ・アロマティックと呼ばれていたブドウ品種の植苗を命じ、後にそのブドウが「リースリング」と呼ばれるようになった。
アルザスでの本格的な栽培は15世紀後半からで、16世紀後半に広まり、1960年代以降に主要品種の地位を確立した。
ソムリエおすすめのワインペアリング
「全日本最優秀ソムリエコンクール」や「アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」で優勝した森覚氏によれば、アルザスのリースリングは、キレイな酸味がワイン全体をまとめていて心地よく、オールマイティーな懐の深さがあるという。
春や夏に楽しめる軽やかな料理には、リースリングのフレッシュな酸味がよく合い、秋冬の少しこっくりした味わいの料理には、火打石や灯油のような“ペトロル香”が少し加わり、複雑さを増したものがおすすめだ。

また、「フランス最優秀ソムリエコンクール」で優勝し、MOFを受賞しているグザヴィエ・チュイザ氏は、「繊細かつ芯の強さがあり、長期熟成にも向く素晴らしいワイン」と評価している。
ピュアで透明感がある点が日本酒に似ているため、日本酒が合う料理ならペアリングが楽しめるという。あらゆる魚介類や白身の肉、またシェーブルのチーズなどはとくにおすすめとのことだ。

「大阪・関西万博」で、アルザスワインの魅力を体験してみては。
アルザスワイン公式サイト:https://www.vinsalsace.com/jp/
キャンペーンサイト:https://www.alsacerocks.jp
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000102269.html
(田原昌)