ホテル雅叙園東京が誇る文化財「百段階段」で開催中の企画展「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」では、日本各地の職人とアーティストによる多彩な鬼のアートが一堂に集う。

照明や陶芸、盆栽など、匠の技が空間を変貌させるさまは圧巻。

階段を進むごとに、異界と現実の境界が曖昧になっていく、静かで濃密な時間が流れている。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×...の画像はこちら >>

百段階段が誘う異世界。アートでたどる鬼たちの物語

1935年に建てられたホテル雅叙園東京に現存する唯一の木造建築「百段階段」は、99段の階段廊下で7つの部屋を結ぶ、有形文化財。現在ここで開催されている「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」では、38名のアーティストによる立体作品、照明、ステンドグラス、ねぶたなどが織りなす幻想的な世界が広がっている。

匠の技と現代の感性の融合。極彩と静謐が共存するアート空間

各部屋の展示は日本文化の根底にある「鬼」をテーマにしている。展示を一部紹介しよう。

漁樵の間「魂の声(菅原道真)」

「漁樵の間」では、青森ねぶたの名工・北村春一による菅原道真を表現した迫力の作品が登場。雷神と化した道真の魂が、緻密かつ壮大なスケールで再現される。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
北村 春一「青森ねぶた ねぶた師」

北村 春一「青森ねぶた ねぶた師」

十畝の間「異なる者」

「十畝の間」では、狐や猪の姿をした“異なる者”たちが不気味な存在感を放つ

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
十畝の間 全景

十畝の間 全景

草丘の間「鬼の住処」

「草丘の間」では妖しくも美しい鬼の住処が描かれる。展示はただの鑑賞にとどまらず、訪れる者の感性を刺激し、視覚だけでなく物語としても深く心に残る構成だ。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
林 貴俊(石巻こけし)

林 貴俊(石巻こけし)

静水の間「百鬼夜行」

「静水の間」では、陶芸と日本画が共鳴し、もののけの日常を静かに描く。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
髙橋 協子(陶芸)

髙橋 協子(陶芸)

頂上の間「現世の平穏」

また、最終展示「頂上の間」では、金魚やにしきごいが泳ぐ光景が広がり、現世の穏やかさと夏の涼が表現されている。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
DI Palette(紙にしきごい)

DI Palette(紙にしきごい)

素材も表現も異なる多彩な作品たちが、文化財空間に絶妙に調和し、非日常と心地よい緊張感を生み出している。

夏の静けさと遊び心を味わう、東京の屋内アート体験

会期は9月23日(火・祝)まで。会場では、通常チケットに加え、入場特典付きや夜間限定の特別チケットも用意されており、訪れる時間帯や同行者によって楽しみ方を変えることも可能だ。また、館内には期間限定の「涼」の装飾が施され、水辺に咲いた和傘の花や、小田原風鈴の音色が夏らしさを際立たせている。

ホテル雅叙園東京|「鬼」の美に出会う没入展示。「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
大門池の期間限定装飾 ※イメージ

大門池の期間限定装飾 ※イメージ

静けさと感性の刺激が交差する空間で、贅沢な夏の午後を過ごすのも一興だ。伝統と現代が交錯する空間で、非日常の時間を味わってみてはどうだろうか。

「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」
期間:7月4日(金)~9月23日(火・祝)※会期中無休
時間:11:00~18:00(最終入館 17:30)※8月16日(土)は17:00まで(最終入館 16:30)
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
所在地:東京都目黒区下目黒一丁目8番1号
料金:当日券 一般1,800円(税込)
イベント詳細ページ:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/wanoakari2025

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000235.000041601.html

(Fumiya Maki)

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