8月29日(金)から10月29日(水)まで、京都dddギャラリーで開催される「フェリックス・ベルトラン コネクション」は、グラフィックデザイナーのフェリックス・ベルトランの軌跡をたどる貴重な展覧会だ。
政治・社会・文化の交錯するデザイン表現の力を、モダンな空間の中でじっくりと味わえる絶好の機会。
Design: Sonia Díaz & Gabriel Martínez with Nicole Schmid
フェリックス・ベルトランの世界を京都で体感
キューバ出身のフェリックス・ベルトランは、20世紀を通して世界のグラフィックデザインに深い足跡を残した存在だ。今回の展覧会では、ハバナ・ニューヨーク・大阪・メキシコ・マドリード・京都と、彼の活動が交差した都市を軸にその軌跡を辿る。
ベルトランの作品は、バウハウスの構成主義やスイス派、アメリカン・モダニズムなど、複数の芸術運動からの影響を受けつつも、常に自身の視点で再構築されている。社会や政治への鋭いまなざしと、抑制された美学が融合したそのデザインは、見る者の思考を静かに揺さぶる力を持つ。

展示では、革命期キューバのポスターや、1970年代の国際連帯を訴えるグラフィック、さらには書籍の装丁なども含まれ、視覚芸術としての幅広さと深さが味わえる。なかでも「ヒロシマ」と題された作品は、メッセージ性と造形美の絶妙な均衡を保ちながら、時代と空間を超えて語りかけてくる。

掲載元:京都dddギャラリー
熟成された知性が導かれる空間へ
展覧会のキュレーションを手がけたのは、ソニア・ディアスとガブリエル・マルティネス。彼らは17年にわたるイベロアメリカ圏のデザイン研究を背景に、ベルトラン作品の持つ社会的・文化的文脈を丹念に掘り起こしている。
単なる視覚的展示ではなく、書籍と展示、出版と批評が交錯する構成は、知的好奇心を刺激してやまない。
会場となる京都dddギャラリーもまた、この展覧会を引き立てる重要な舞台だ。京都・四条烏丸に位置する、静かに洗練された空間で知られるこのギャラリーは、文化的な成熟と実践の両面において訪れる人に静謐な感動を提供してくれるだろう。

掲載元:京都dddギャラリー
開催初日の8月29日(金)17:30~19:00にはオープニングパーティーの開催も予定している。
洗練された時間と空間を求める人には、足を運んでほしい展覧会だ。
「フェリックス・ベルトラン コネクション -ハバナ ニューヨーク 大阪 メキシコ マドリード 京都-」展
会期:8月29日(金)~10月29日(水)
開館時間:火~金 11:00~19:00、土日祝 11:00~18:00
会場:京都dddギャラリー
所在地:京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3F
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)
入館料:無料
公式サイト:https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=2&seq=00000847
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000870.000069194.html
(Fumiya Maki)