島根県立美術館は、特別展「永田コレクションの全貌公開〈二章〉北斎-『葛飾北斎期』・『戴斗期』編」を9月10日(水)から開催する。
北斎研究者・永田生慈氏(1951-2018)が寄贈した県外不出の「永田コレクション」から、46歳から60歳頃にあたる時期の作品を紹介。
『椿説弓張月 前編』島根県立美術館蔵(永田コレクション)
北斎が切り開いた「版本世界」
本展では、葛飾北斎が挿絵を担当した長編小説(読本)や絵手本を中心に展示。
初摺と後摺の違いを比較できる資料や、『北斎漫画』の板木、版本を包んでいた当時の袋など、研究者ならではの貴重な収集品も揃う。約500冊を網羅する展示は、北斎が版本で第一人者となった足跡を実感できるものだ。
『北斎漫画』島根県立美術館蔵(永田コレクション)
【第5期展示】『冨嶽三十六景 凱風快晴』島根県立美術館蔵(永田コレクション)
同時期には2階「北斎展示室」で『冨嶽三十六景』や肉筆画も公開され、幅広い北斎作品を楽しむことができる。
講演会や摺り実演など関連企画も充実
会期中は学芸員によるスライドトークや、伝統木版画工房「芸艸堂」による摺りの実演を実施。
さらに音楽家・斉藤浩氏らによるロビーコンサートや、映画『八犬伝』(2024年公開)の上映も予定されている。作品鑑賞とあわせ、江戸文化や北斎の魅力を多角的に体験できる機会となる。
【北斎コース】4,500円(税込)※予約不要
館内レストラン「RACINE」では、宍道湖のしじみや島根和牛を使った限定メニュー「北斎コース」(4,500円/税込)も提供される。
北斎の創造力を体感する絶好の機会
北斎が版本で第一人者となった時期の作品を網羅的に紹介する本展は、貴重なコレクションを一堂に鑑賞できるまたとない機会だ。
『新編水滸画伝 初編前帙』【通期展示】島根県立美術館蔵(永田コレクション)
読本や絵手本を通じて、北斎が追い求めた表現世界の深さに触れてみてはいかがだろうか。
永田コレクションの全貌公開〈二章〉北斎-「葛飾北斎期」・「戴斗期」編
前期:9月10日(水)~10月5日(日)
後期:10月8日(水)~11月3日(月・祝)
会場:島根県立美術館 企画展示室
観覧料:一般 1,000円
開館時間:9月/10:00~日没後30分、10・11月/10:00~18:30
休館日:火曜日※9月23日は開館、10月6日・7日は展示替えのため閉室
公式サイト:https://www.shimane-art-museum.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000966.000036130.html
(山之内渉)