繁華街を歩けば至る場所で「60分5,000円で飲み放題!」などのいわゆるキャッチが行われています。
そのような甘い言葉につられて付いていくと、会計時に思わぬ高額な料金を請求されることが多々あります。
決まって、そのような場合、「5,000円は入場料で女の子のドリンクや指名料は別ですから…」などといって奥から数人の男性スタッフが出てきて囲まれ怖い思いをすることが報告されています。

●警察に「料金でトラブってる」とは言ってはいけない
まず、このような被害にあった場合にはキャバクラ等の接待遊飲営業には料金明示義務がありますから、請求されている料金の明細を出させ、掲示されている料金と照らし合わせて不当な請求であり、支払いを拒絶します。
当然、相手は凄みを効かせたり、無銭飲食などと騒いだりします。そこで、それなら、警察にといい、携帯電話で110番します、その際、警察には「脅迫されています。」や「監禁されています。」といい事件性のあることをいいます。
間違えても料金のことでトラブルということは避けるべきです。なぜなら料金トラブルは純然たる民事なので対応できないといわれるのが落ちだからです。

警察がきたら、料金のことで脅されたといい、支払いに関しては連絡先を教えるので帰らせないと監禁であると主張してその場を脱することに集中します。
そしその場を逃げ切れれば内容証明で支払拒絶の通知をすればほとんど請求してきませんし、裁判を例え起こされても敗訴の可能性はほとんどないので支払わずに済みます。

●絶対に払ってはダメ
これに対してし一旦支払うとまず返還は難しいでしょう。相手の経営主体から後の証拠収集とやるべきことが多く、例え裁判で勝っても執行がほとんど期待できないからです。名義人等には資力はなく、裏の元締めが吸い上げているからです。

●実際にあったケース
最後に私が扱ったぼったくりの事例をご紹介します。

夜の11時に事務所に連絡があり、40分で270,000円請求されているとのことでした。電話では埒があかないと歌舞伎町に向かいました。よくよく話を聞いてみると女の子のドリンク代は別でお客様は飲み放題で10,000円というこ後は女の子のドリンク代ということでした。
「40分で何杯飲ませたっていうの?伝票の通り飲ませられる訳ナイッシヨ」というと、飲んだものは飲んだものですといいはるので「じゃあ裁判すれば受けてたつから…というと「裁判はしませんがどこまでも付いていく」というので、「それじゃ、俺たちこれからタクシーでお台場行くけど、別の車でついてくる?」というと「せめて50,000円だけ」というので、「30,000円なら」といい、タクシーを呼ぶ振りすると渋々納得、そもそも270,000円という数字が何の根拠もないことを露呈したのでした!
これから忘年会シーズンですが酔って気持ちがよくなり警戒心が薄れがちですが街頭のキャッチの甘い言葉につられて付いていくと思わぬ被害にあいますのでくれぐれもご注意を!

*著者:弁護士 小西一郎(聖マグダラ法律事務所。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を専門分野とする風俗弁護士として全国を飛び回る。)