2月9日、御影良衛氏が代表取締役を務めるMIKAGE LLC.がスマートフォン/PC向けVR対応RPG『クリミナルガールズX』を発表しました。2010年11月18日に日本一ソフトウェアから発売されたPlayStation Portableソフト『クリミナルガールズ』から約9年を経ての最新作となります。
【聞き手:山﨑浩司】
【文・校正:蚩尤】
◆タダでいいから書かせてほしい!? シナリオ・与田氏の熱い思い
――まずは簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。
御影合同会社MIKAGEの代表・御影良衛です。2015年まではイメージエポックで代表取締役をしていました。今は伊豆の標高1000m位の所に事務所を構えています。毎年、12月から翌年3月ごろまでは積雪で人が立ち入れないようなところですので、冬のシーズン社員は基本的に在宅勤務という少し変わった会社です(笑)。
名畑名畑翔と申します。新潟・佐渡島の観光地、史跡 佐渡金山を管理・運営しております株式会社ゴールデン佐渡から参りました。主に広報を担当しております。
――世界文化遺産の候補地でもある佐渡金山がどのような経緯で本作に関わることになったのか、後ほどじっくりお話をうかがえればと思います。
与田合同会社dotworksの代表をしております、シナリオライターの与田想です。『クリミナルガールズ』に続き、本作のシナリオを担当しています。
望月フリーランスのイラストレーター、望月けいです。まだ駆け出しといえるくらいではあるのですが、今回、全キャラクターのデザインを担当させていただけることになりました。
――与田さんはシリーズ一作目『クリミナルガールズ』以来の参加ですね。
2010年11月18日にプレイステーションポータブル用ソフトとして発売された『クリミナルガールズ』。販売は日本一ソフトウェア
与田はい。『クリミナルガールズ』は私がフリーランスのシナリオライターとして活動を始めて最初に手がけたタイトルということもあり、思い入れがあります。その後も『セブンスドラゴン』や『ステラグロウ』など、イメージエポックさんとはたくさんご一緒させていただきましたが、実は御影さんとお会いできる機会はほとんどなくて。
御影そうなんです。当時は僕が現場まではなかなか降りていけなかったので……。
与田それで今回『クリミナルガールズX』のお話を直々にいただけて、初めてじっくりお話させていただけました。
御影実は当初は、他のシナリオライターさんにお願いしようという案もあったんです。とはいえ『クリミナルガールズ』は与田先生のお力も大きく、その中で生まれた作品ですから、制作に入る前にせめてきちんとお話をして筋を通さなければと。
与田その場で今回の企画についてご説明いただいて、まず従来のスマホゲームとは違い「終わりのあるストーリー」でいいということに強く興味を引かれました。さらに『クリミナルガールズ』の新作となれば何としても自分自身で責任を持って取り組みたいなと思い、「全シナリオを手弁当で書くので、権利をください」と申し出ました(笑)。
御影流石にタダはまずいので、それなりの金額を提示したんですよ。それでも「手弁当でやります」と言われて、悩んだあげくプロジェクトパートナーとしての参加をご提案させていただきました。
――シナリオライターの方が、そういう形で参加するのはめずらしいのではないでしょうか。
御影少なくとも僕にとっては前代未聞ですよ。ゲームでシナリオライターさんが無報酬で書いていただいて著作権をお渡しするケースはかなり少ないですからね。チーム内で相談し、最初はお金を受け取っていただいて通常ケースで相談をしようとなったのですが、与田先生の意思は固くて。最終的に考えたのはゲームを作るというのは、ときには血へどすら吐くことになるような作業なわけでもありますから、同じ覚悟をもって取り組むと考えようと開発チーム一同の賛同を得ました。
写真左:合同会社MIKAGEの御影良衛氏 写真右:シナリオの与田想氏とキャラクターデザイン望月けい氏(中央)/ゴールデン佐渡の名畑翔氏(※望月氏と与田氏は顔出しNGのため、望月氏による落書き入り)
――なるほど。それでは望月さんにもお話を。
望月はい。実はおはずかしながら『クリミナルガールズ』自体も最初は存じあげなくて。御影さんからお声がけいただいて、知り合いに評判を聞いたらいいゲームだという話でしたので、すぐに購入してプレイしました。
御影でも、実は最初にお渡しした資料では「1作目と2作目は遊ばなくていいです」と書いてあるんですよ。必要以上に前作のイメージに引きずられないでほしかったので。
望月すみません、ガマンしきれず(笑)。その後、あらためて御影さんからお話をうかがったら、御影さんが目指しているビジュアルと自分の描きたい絵の方向性がかなり一致していると感じまして、自分でよければぜひやらせてくださいと。
――クリミナルガールズシリーズに連なる作品であるという一面もまたあります。御影さんはプロデューサーとして、どのようなところを重要視しておられますか。
御影10年たつと時代の変化や作品自体の演出も「原作を大事にする部分」「新しいものへの挑戦」の両輪を真剣に考えなくてはいけません。我々は初代『クリミナルガールズ』は知っていても『2』は当時開発ラインを確保できず参加していませんでした。
では「3」作目はどうするべきか? 方向性を固めるにあたって原案者とも話したのですが、やはり『クリミナルガールズ』のコンセプトはタイトル通りに「クリミナル(罪)」なんです。ひと言でいうと、クリミナルガールズとは罪の物語です。そこにオリジナル性のある「バトルシステム」と「おしおき」要素が付加してできあがった作品です。1作目も、いざ遊んでみるとストーリーは硬派だったと思っています。そこに原点回帰して、『X』も"罪"という要素を見つめ直そうと。
そこに「3」作目という事で、望月先生と雷雷公社さんを軸としてビジュアルを構築しなおしました。バトルはVRモードに対応するにあたり、元来のバトルシステムの「概念」はいじりたくなかったので「視点」を変更するイメージで……すみません、言葉だと説明しづらいです。誤解を与えそうで。
今、ゲーム動画を映像にして見ていただけるようモデルチームががんばっているので、ここでよけいな事を言わないようにしておきます。
――なるほど「バトル」に関しては待った方が良さそうですね。では切り口を変えて質問させてください。
御影VRモードは制作開始時点では予定にありませんでした。去年頃ですがVRブームにそろそろ最初の火がついてきているなと感じ始めていて、プログラマー陣に制作難易度と開発スケジュールの相談をしたところ、どちらも問題ないという返答がきて、そこから本格的に考え始めました。2019年以降のVRの技術の進化と製品の値段・更に対応ハードと普及率、お客様の興味の浸透度などを深くリサーチしていきました。
話が長くなるので割愛しますが、VRといっても取り入れる技術でプログラムを組む難易度やゲームデザインに落とし込む方法がかなり異なります。
その中で、最新機器で現在できる最高峰のVR体験をゲームとして広く普及させるには少しだけ早いかなと思いました。残念ながらどのグレードでもまだ酔いますし、長時間プレイには向かない。機器の値段も、もうひと声安くなってほしい。などとネガティブな事を言ってしまいましたが、各メーカーさんが着実に技術を磨き、値段も少しずつ買いやすいものになり、その結果お客様の層もじわじわと無視できない広がりに確実にリーチし始めています。
手頃な値段のスマホVRからOculusシリーズの中位グレードの製品は何かのきっかけがあれば現状でも爆発的に広がる前兆はあると考えています。そうなってから商品を作り始めても遅いので「やるなら今でしょ」という事で手がける事を決定しました。2019年現在、参入して「早すぎるタイミング」ではもう無いと思います。
ですので、今作は手軽にVRを体験できるハードで長時間プレイを強要しないシーンにVRモードを適用してゲームを演出するように開発メンバーに頼んでいます。
――深くおうかがいしたいところではありますが、本作のビジュアルの方に関してもお願いします。
御影先ほどお話した通り、望月先生と雷雷公社さんを軸にしているんですが、お二人ともとても若いんです。実は『クリミナルガールズ』でイラストを担当していただいたいちはや先生も、当時は学生でした。担当者が親御さんにご挨拶にうかがい、さらに報酬も学生さんがすぐ手にできる額ではありませんでしたので、確定申告などそれに付随して発生する作業なども説明して、という顛末がありました。
その時にいちはや先生を見出したのは私ではありませんが、その慧眼を見習って当時から日課でPixiv上位200名程を欠かさずチェックするようになりました。200位前後にたまに顔を出す絵師さんが30位常連になるタイミングを見ているのは、「新しい表現がきたな」と本当に興奮します。そんな彼らの中には商業作品と比べても見劣りしない描き手が大勢います。
しかし10年前に比べて、最近はPixiv等で台頭している若手絵師さんがゲーム制作の「メイン」として参加する機会が減っているなという感覚があるんです。その理由の一つは、今のスマートフォンゲームが、コンシューマーゲームのタイトルに関わった頃の絵描きさんをそのまま「メイン」で持ってきているケースがかなり多いからではないかと思います。
それはもちろん悪いことではありません。でも、若手をメインに据えることでこんな風なシナジーが生まれるんだよ!というのをアピールできればなと思っています。
――そうした思いが望月氏の起用につながっているんですね。
望月イラストレーターの候補は10人くらいいて、自分はその中から選んでいただけたと聞いています。それならば、与田さんのシナリオに私の絵がどう化学反応起こせるかというところをお見せできればと思っています。
ストーリーのテーマは"純愛"!
◆愛する喜びを描く純愛物語をきっちり結末まで描く!
――先ほど御影さんから原点回帰という言葉が出ましたが、ストーリーはどのようなものになるのでしょう。
御影与田さんにはまず「クリミナルガールズという題材を使って、純愛モノを書いてほしい」とお願いさせていただきました。私はここ数年で、生きていくうえで大事な言葉を大勢の方たちからいただきました。そのとき痛感したのは、やっぱり人間に必要なものは愛なんだということ。それを踏まえて与田先生には「遊んでくれた方たちがゲームで『愛』を体感し、それを日々の生活の中に還元できるような作品を作りたい」とお話させていただきました。
――その発注を受けて与田さんはどのように感じられましたか?
与田スマートフォンのRPGでは、物語が終わることなく続く形式が基本にあり、大勢の女の子と同時進行的に関係を深めていったりしますよね。そんな中で、最愛の女性との純愛を貫くストーリーはなかなか難しい。まずはそこをどうしようかなと。
御影そこに関しては「コンシューマーゲームのシナリオを書くつもりでお願いします」とお伝えしました。まずはきっちりとした結末がある物語を。それを大勢の方に受け入れていただけたなら、その物語をさらに広げるか、もしくは、いろいろなものを刷新してあらためて新しいシーズンを始めればいいんじゃないかなと思っています。
――発表されたあらすじでは「主人公は生をまっとうしたあと猫の姿となり、若くして命を落とした婚約者である"最愛の君"の魂を救うべく奮闘する」とありますね。
与田"最愛の君"を救う試練に挑むため、記憶を奪われ猫の姿に変えられた主人公と、「生きていれば大罪を犯すはずだったが寿命半ばで死んだ者」=「半罪人」となり準地獄に堕ちてきた24人の少女たちが織りなす更生の物語が基本にあります。
準地獄での戦いの中で、それぞれの過去や犯したあやまちが徐々に明らかになっていき……という構成は1作目と同じです。ただ、今作では登場する少女たちの数も多いですし、過去の世界での関係性もかなり濃くなるので、恋愛関係だけではないさまざまな愛の形を描いていけたらと思います。
御影恋ではなく愛がテーマですので、ヒロインたちの年齢層も気持ち高めに設定しています。20~26歳くらいというところでしょうか。メインキャストの梅原裕一郎さんと斎藤千和さんも、そうした観点からキャスティングさせていただきました。恋ではなく愛をささやくことができて、聴いている人がグッとくるお芝居ができる方がよいなと。
――みなさん、梅原裕一郎さんと斎藤千和さんの収録にも立ち会われたということですが、いかがでしたか?
与田本作はヒロインが24人登場しますが、主人公はあくまで"最愛の君"ひと筋ですので、誠実さが見える声というのが最重要でした。その点、梅原さんの落ち着きのある声色とお芝居は適任で、サンプルボイスを聴かせていただいた時点で「この方しかいない!」と。斎藤さんも強さと温かみのあるヒロインの魅力を、期待以上に表現してくださいました。
望月梅原さんのお芝居にはさりげない正義感があり、プレイヤーのみなさんからの共感を受け止める主人公としてピッタリでした。斎藤さんも私たちがほしいと思うものを超える素晴らしいお芝居をバシっと演じてくださいました。
御影僕たちも申し訳なさを覚えながらリテイクをお願いするところもあったのですが、そんなときに斎藤さんが「大丈夫です、このセリフはこのゲームにとってとても重要なものですよね? 何十回でもリテイクを出してください!」とおっしゃってくださって。あんなに充実した収録は初めてでした。
――望月さんは、24人のヒロインや"最愛の君"をデザインするうえで意識されたことはありますか。
望月このシリーズはストーリーが大きな魅力のひとつなので、与田さんのシナリオを自分に吸収してその世界観の魅力を最大限に表現できるよう、細部まで気を遣いました。最初は「若すぎます」とよくリテイクをいただいていたので、自分のタッチは"かわいい"寄りであることを念頭に置きながら、恋ではなく愛を育めるキャラクターにできるよう苦心しました。
24人のヒロインたちはお互いに密接な関わりを持っていくので、そうしたシナリオをキャラクターでどのように彩るかというのも常に考えていましたね。もちろん、かわいらしいテイストのキャラもこれから発表されていきますので期待していてください。
『クリミナルガールズX』メインヒロイン(画像は同作ティザーサイトより)
――シリーズのファンが気になる要素として「おしおき」がありますが、本作ではどのように実装されるでしょうか?
御影みなさまもご存知かもしれませんが、昨今のレーティング事情が変わりまして、シリーズに見られた「おしおき」システムは大変残念なことに、今は取り扱えない題材なのです。ちょっとゲームだけ厳しすぎやしませんかね? アニメも映画も意外とゆるいのに……誰か助けてほしいです。
とはいえブラックボックスに挑んでもおそらく太刀打ちはできないので、先ほどもお話したようにシリーズの最重要部分を再度見つめなおし、今回は純愛がテーマということもあって「おしおき」システムの代わりとなる新システムを開発メンバー一同で考えました。
私としてはすぐにでも見ていただいて「ああ、そうきたか」とみなさまの同意を得たいところですが、今それをすると私が開発メンバーに「おしおき」されるのでまだお伝えできません。もっと完璧に仕上げてから出してほしいと言われていますので。大変申し訳ありません。今は「みなさんが最愛の人にしてほしいことはなんですか?」とだけお伝えしておきます。
――なんでしょう、ハグとかでしょうか……。
御影ハグですか。山崎編集長はプラトニックですね。分かりましたハグ「も」検討しておきます(笑)。
――それではお話をメインヒロインに戻しますが、彼女が着用しているフライトジャケットは望月さんのプロデュースという形で京都の老舗革メーカー、デグナーが実物が制作すると発表されました。
御影「コストを抑えるよりは本物を」という思いでメーカーさんを探して、たどりついたのがデグナーさんでした。4月ごろには試作品の一着目が仕上がる算段で、その暁にはコスプレイヤーのカモミールさんに着ていただいて撮影を行う予定です。元々は軍人が着用するものであるフライトジャケットをそのまま制作するとさすがに重いので、そこは着やすいよう軽めに設計してもらっています。
写真左:コスプレイヤーのカモミールさん 写真右:雷雷公社デザインによるオリジナルワッペンのデザイン
フライトジャケットの基礎原型。これを参考ベースに、型からオリジナル製造をしているそうです
与田このフライトジャケットは、ストーリー上でも重要なアイテムとして登場させる予定です。
望月フライトジャケットの実物を今回初めて手にしたんですが、シルエットや素材がかっこいいのでなるべく形には手を入れず、フライトジャケット自体のよさを感じられるようにしました。さらにワッペンを雷雷公社さんにデザインしていただいたので、どんな仕上がりになるか私も楽しみです。
ゲームの舞台、佐渡島でリアルイベント開催!?
◆佐渡島でのリアルイベントも企画進行中!
――佐渡金山遺跡群とのコラボレーションについておうかがいできればと思います。コラボを思い立ったのはどういったきっかけだったのでしょうか。
御影話のテーマや場所のイメージ、その物語で何を成したいか……シナリオはそういったきっかけがあればあるほど書きやすくなります。そこで、まずは作中で罪を償う舞台を決めようと、日本全国を回りました。いくつか目星をつけた中で候補に挙がったのが佐渡金山の「北沢浮遊選鉱場跡」です。そして、まず管理・運営をしているゴールデン佐渡さんに「ゲームの舞台として使わせていただくことは可能でしょうか」とおうかがいを立てたのがそもそもの始まりでした。
御影氏が実際に現地で撮影した写真「北沢浮遊選鉱場跡」
ゲームをきっかけに"聖地巡礼"をしてくれる方が出てくれるかもしれないこと。それにより、ときにはトラブルが起きることもあるかもしれないこと。メリットだけではなく、リスクも発生してしまいかねないことをきちんとご説明させていただかなければと。
――名畑さんにもお話をうかがえればと思います。まずは、佐渡金山に関する基本的なことからお教えいただけますか。
名畑佐渡金山は日本最大級の金銀山で、佐渡の観光地の最たるものです。1601年に開山したとされており、資源枯渇による操業休止が1989年ですので、約400年間にもおよぶ歴史を持っています。
――本作では、北沢浮遊選鉱場跡が舞台として採用されるとのことですが。
名畑北沢浮遊選鉱場は、元々銅の製造過程で行われていた"浮遊選鉱法"を日本で初めて金銀の採取に応用し、実用化に至ったという歴史を持つ観光地です。戦時下の大増産計画によって大規模な設備投資がされたという背景があり、今観光できる建造物はその頃に建てられたものになります。
――私は以前、島根に2年間住んでいたことがありますが、大田市にある石見銀山は同じく銀の採掘跡地として歴史的背景も含め世界文化遺産に認定されていますね。
名畑はい、私どもも登録されることを目指して日々努力しており、2010年に世界文化遺産の暫定リストに記載されたのですが、先を越されてしまいました(笑)。
――今回の取り組みで、多くの方に注目されるようになると素敵ですね! さて、今回のように「ゲームの舞台として使いたい」というお話は初めてではないでしょうか?
名畑おかげさまで「撮影させてもらいたい」、「取材させてもらいたい」というお声がけをいただくことはよくありまして、こちらとしてもメディアなどで取り上げていただけるのは大きな宣伝効果を持ちますので、できうるかぎりの協力をさせていただいております。
ですが、今回御影さんからいただいたお話は、詳細をうかがってみると「どうも"いつもの撮影(許可)"で片づけるには規模が大きそうだぞ」と。正直なところを申し上げますと、今私がこうして取材を受けさせていただいていることすら、うまくつかみ取れていない面もあります(笑)。
御影実際に訪れて驚いたのは、佐渡島は僕がイメージしていたよりもずっと広く、観光スポットもとても見ごたえがあったことです。1泊2日などではとても魅力を堪能しきれませんね。新潟港から乗った船も、観光客の方が大勢いて。でも、ご高齢の方が多かったですね。僕は今38歳ですが、周りを見ると僕くらいの世代すらほとんどいなくて。
――なるほど、20~30代の方はあまり佐渡島に来られていないと。
名畑40代の方でも若い部類に入るくらいだと思います。たまに若い方もお見かけするので「どうして来たのですか?」と聞いてみると友人がいたり、親類がいたりと何かしらの縁があってきてくださってるんです。
――そういった方々は佐渡島や北沢浮遊選鉱場を見られてどういった感想をお持ちになるのでしょう?
名畑とても見応えがあって、また来たいと嬉しい意見をいただけています。
――確かに、北沢浮遊選鉱場跡で検索して出てくる画像はとても見応えがありますね。ライトアップ(*)はかなりインスタ映えしそうです。
(*)参考サイト:黄金の島でラピュタ気分!佐渡「北沢浮遊選鉱場跡」ライトアップ(LINEトラベル.jp)
名畑そう言っていただけると嬉しいです! 本作を通じて、若い方たちにも佐渡島の魅力が伝わればいいなと思っています。
――きっと伝わりますよ! それでは改めてゲームのお話に。北沢浮遊選鉱場跡地は、どのような形で本作に登場するのでしょう。
与田物語の舞台は"準地獄"のほかに、現代より少し未来の日本の東京と佐渡が描かれます。近未来の東京が持つ都会的なクールさと、佐渡が持つ人間的な暖かみのコントラストを、ストーリーに生かしたいと思っています。そんな中で、北沢浮遊選鉱場跡地は物語上で最も重要な出来事が起こる舞台になる予定です。
――かなり重要な位置を占めそうですね。北沢浮遊選鉱場跡地を知っているとゲームがより楽しめそうです。
御影そうなんです。なので今、佐渡島で本作のリアルイベントを何かしたいよねという話を名畑さんとしているところなんですよ。佐渡島は新潟港からさらに船に乗らなければいけないので、どうしても旅費がかさみがちになってしまいます。それをどこまで抑えられるかなというのを、旅行代理店と打合せしています。
名畑そこまでして佐渡島を舞台にしたいと言っていただけるのが、私どもとしては嬉しいかぎりです。
――先程、1泊2日では回りきれないという話もありましたし、リアルイベントを通じて佐渡島の魅力を知ってもらって、何度も来てもらえるようになれば素敵ですね。ゲームにはその力があると信じています。
御影佐渡のイベントに参加することでゲームがより楽しくなる、佐渡を好きになってもらえるイベントを実現できないかなと奔走しています。
――私が以前島根県に住んでいたこともあり、インサイドではゲーム×地方という文脈でゲームがもたらす地域活性化に関する記事も多く取り上げていますが、本作が新潟にもたらすムーブメントにも期待しています! 特製のフライトジャケット製作やリアルイベントの企画など、ゲームを取り巻く要素も楽しみですが、気になるゲームの続報はいつごろになりそうでしょうか。
御影VR対応要素や、バトルなどのシステムを含むゲームの詳報とゲームを取り巻くさまざまな情報、どちらもあわせて4月下旬から5月下旬にかけて続報を出させていただく予定です!
与田先生、望月さんをはじめクリエイター陣が一球入魂で取り組んでくださっているので、僕はプロデュースに徹して潤滑油になれればと思っています。スマートフォン/PC用RPG『クリミナルガールズX』、およびその舞台となる佐渡島をよろしくお願いします! 今後は公式ツイッターでどんどん最新情報を出していきますので、フォローしていただけると嬉しいです!
<『クリミナルガールズX』公式ツイッター>
――本日はありがとうございました。今回のお話を聞いて、本作についてはもちろん、佐渡島にもとても興味がわきました! リアルイベントの際は、ぜひ遊びに行かせてください!
写真左から与田氏、望月氏、御影氏、名畑氏(※望月氏と与田氏は顔出しNGのため、望月氏による落書き入り)
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