「バーチャルYouTuber」という名称の通り、VTuberの活動場所といえば真っ先に「YouTube」が思い浮かぶもの。しかし中には、「ニコニコ動画」にて注目を集めているちょっと変わったVTuberも…。
その人こそが、2020年8月6日に「にじさんじ」でデビューを果たした“ニコニコの女王”こと周央サンゴさんです。

いかにして彼女は“女王”となったのか
周央さんは「世怜音女学院中等部」の1年生にして、「演劇同好会」の一員。おっとりとした雰囲気ながら、TRPGや台詞読みといった企画でずば抜けた滑舌と演技力を披露しています。普段の配信では「みなさま~」から始まる怒涛のような自己紹介が恒例となっており、初めて配信を視聴する人は度肝を抜かれることでしょう。

しかもたんにすらすらと話すだけでなく、その内容がまた濃厚です。とくに持ち味が発揮されるのは、“高速詠唱”と言われるほどのスピーディーなオタク語り。
周央さんは「ポチャッコのことを知ってから、ンゴとの交友関係は始まると思ってください」と豪語するほどのサンリオオタクで、配信中にサンリオの話題になると驚くべき速さでトークを展開します。

かわいい女の子にも目がないようで、ガチャ配信などでは独特のゾーンに突入することも。たとえば『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のリセマラ配信を行った際には、杜野凛世のSSR「夜明けの晩に」を引いた際に何らかのスイッチが入った模様。「夜明けの晩に?鶴と亀が滑った?」「俺も滑ったよお前たちのかわいさでよ」「鶴と亀とンゴが滑ったよ、かわいすぎて」「後ろの正面だあれ。ンゴだよ~」という迷言をまくし立てていました。

また、尖ったワードセンスやトークスキルも兼ね備えているため、配信の“切り抜きポイント”が多いところも特徴。
今年6月頃からは「ニコニコ動画」のユーザーがそのポテンシャルに目を付け、空前の切り抜きブームが巻き起こりました。サイト内では「周央、お前はニコ動の柱になれ」「出たわね」「セレじょのやべーやつ」などと応援する声が相次いでおり、その勢いはとどまることを知りません。

“平凡”とはかけ離れた配信スタイル
トークはもちろん、突拍子のない企画センスも周央さんの大きな魅力です。10月12日に行われた「朗読(実質歌枠)」の配信では、楽曲を歌うのではなく、心を込めながら歌詞を朗読する企画に挑戦。その中の1曲として「SOUL'd OUT」の「ウェカピポ」をチョイスしており、ただ者ならぬセンスを感じさせます。

他のVTuberと同様、ゲーム配信も積極的に行いますが、一味違ったスパイスを追加するのが周央サンゴ流。
8月15日には「カゲロウプロジェクト」の楽曲を口ずさみつつ、『スーパーマリオブラザーズ』をプレイ。そこで周央さんはゲームの最中に時間を巻き戻す機能を使い、クリボーたちの死を避けるためのループを繰り返しました。

他にも、1ミリも野球を知らない「ミリしら」状態でファミコンソフトの『ベースボール』をプレイするなど、彼女の配信はオリジナリティ満載。ゲームに合わせたロールプレイも欠かさないため、「環境保全家」「環境破壊おじさんことシヴァ神」「無免許医師」「帝華のミッチャーことたむけん」といったカオスな肩書きが無数に生まれています。

10月25日には、「ニコニコ動画」に投稿した動画に付いたコメントをリアルタイムで「ニコる」企画を実施。その際、「ニコる」機能を使うためだけに「ニコニコ動画」のプレミアム会員に登録したことを明かしています。


ちなみに10月26日には公式番組「週刊ニコニコインフォ」にて、思わぬ形で周央さんがピックアップされることに。ドワンゴ専務取締役COOにして「ニコニコ」運営代表の栗田穣崇氏が、周央さんがプレミアム会員となったことに名指しで言及したのです。しかも「『ニコる』をしたいからプレ垢に入りますっていうのをキャッチしました」と、詳しい経緯まで押さえられており、なかなかシュールな光景でした。

公式にも認知され、もはやニコニコの申し子となりつつある周央さん。「空前の周央サンゴブーム」というタグも大盛り上がりしているので、気になる人はぜひ一度覗いてみてはいかがでしょう。