一つの時代の節目が訪れようとしています。任天堂は、ニンテンドー3DSとWiiUの「ニンテンドーeショップ」について、段階的にサービスを終了させていくことを発表しました。
2022年8月30日にはニンテンドーeショップへの残高追加を終了し、2023年3月下旬にはダウンロードソフトや追加コンテンツ等の販売を終了します。購入済みのソフト等の再ダウンロードについてはその後も利用できるとのことですが、それらも将来的にはサービスを終了する予定となっています。

ニンテンドー3DSシリーズおよびWii Uの「ニンテンドーeショップ」

サービス終了時期に関するお知らせ(任天堂公式サイト)

なんだか少し寂しい気もしますが、気が付けばニンテンドー3DS発売からすでに10年以上も経っています。任天堂公式サイトでは、ニンテンドー3DSが発売された2011年から2020年までの10年分のダウンロードランキングが発表されています。今回は、このダウンロードランキングの上位を紹介しつつ、ニンテンドー3DSの10年間を振り返ってみたいと思います。

ニンテンドー3DS 歴代ダウンロードランキング(任天堂公式サイト)

■2011年 ニンテンドー3DS発売!キラータイトルの『マリオカート7』はダウンロードランキングにはいない?
2011年のトップ3は、1位から『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』『スーパーマリオランド』、『3Dクラシックゼビウス』。
この並びをみて「新作のビッグタイトルが入っていないような……」と思うかもしれません。そう、2011年は『マリオカート7』や『モンスターハンター3G』が発売されている年なんですが、この時まだパッケージタイトルのダウンロード並行販売というものをやっていませんでした。

そもそもニンテンドーeショップができたのが2011年6月、まだまだ試行錯誤しながら手探りでオンラインダウンロード販売というものを開始したばかりだったんですね。ちなみに、今ではおなじみ、ニンテンドーダイレクトが始まったのもこの年でした。ゲームメーカーが「直接!」ユーザーとコミュニケーションをとるようになっていく、その大きな成功事例となります。

■2012年 『とびだせ どうぶつの森』のダウンロード版が売り切れる
2012年トップ3は『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』『ポケモンARサーチャー』『電波人間のRPG』。
正確には2012年に発売されたのは『とびだせ どうぶつの森』で、2016年に無料アップデートで『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』となりました。その後、最初から『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』のバージョンも発売されます。

この年はニンテンドー3DSLLが発売された年でした。また、パッケージソフトのダウンロード版の平行販売が始まります。するとそこで『とびだせ どうぶつの森』のダウンロード版が売り切れるという珍事が起こりました。

どういうことかというと、パッケージソフトのダウンロード販売を開始するにあたって、ソフトをダウンロードできるダウンロードコードを紙に印刷した“ダウンロードカード”を発売したんですが、そのダウンロードカードが売り切れてしまったんです。
直接ニンテンドーeショップにアクセスしてソフトを選んでダウンロードすれば済む話なんですが、まだまだゲームはお店で買うものという常識がある中、『とびだせ どうぶつの森』でダウンロード販売が伸びたタイミングで、時代の境目が生んだ出来事でした。

■2013年 『モンスターハンター4』発売。長時間遊ぶゲームはダウンロードに向いている
2013年トップ3は『モンスターハンター4』『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』『チャリ走DX』。『とびだせ どうぶつの森』以降、長期間にわたって遊ぶゲームはソフトの入れ替えを必要としないダウンロードの方が向いているということが、徐々にユーザーに浸透していきました。

この年は『妖怪ウォッチ』も発売されているんですが、『妖怪ウォッチ』が一大ブームとなるのはもう少し先、なんですね。『妖怪ウォッチ』の初週販売本数は約5万本。
そこからジワジワ売れて、翌年1月にアニメがスタート。3月に期間限定ストアの「妖怪ウォッチ 発見!妖怪タウン」がたったの2日で商品が売り切れて営業休止、大きな話題となりました。

■2014年 Newニンテンドー3DS発売!
2014年のトップ3は『ポケモンバトルトローゼ』『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』『モンスターハンター4G』。Newニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DSLLが発売されて、待望のCスティックや、ZL、ZRボタンが追加されました。それまでのニンテンドー3DSには右手側にスティックがなかったので、『モンスターハンター』シリーズなどを遊びやすくする為に拡張スライドパッドという周辺機器が用意されていました。

発売日は10月11日、これは『モンスターハンター4G』と同時発売で、多くの人がNewニンテンドー3DSシリーズで『モンスターハンター4G』を遊びました。
また、Newニンテンドー3DSは性能も向上していて、翌年2015年には元々Wii専用タイトルだった『ゼノブレイド』のNewニンテンドー3DS版が発売されます。これは従来の3DSでは遊べませんでした。

■2015年 『モンスターハンタークロス』発売。 ダウンロードソフトでは『とびだす!にゃんこ大戦争』が登場。
2015年のトップ3は『モンスターハンタークロス』『とびだす!にゃんこ大戦争』『キューブクリエイター3D』。ニンテンドー3DS全体でいうと、もちろん『モンスターハンタークロス』や『妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊』が大ヒットしているんですが、ダウンロードタイトルでは、『とびだす!にゃんこ大戦争』がニンテンドー3DSにリリースされたのがとても大きい出来事と言えます。


『にゃんこ大戦争』は元々はNTTドコモの携帯電話向けインターネット接続サービス、「iモード」用のアプリでした。今ではスマートフォンで遊んでいる人が多いと思うのですが、これがニンテンドー3DSで販売されたのが2015年で、この後のランキングを見ると分かりますが、『とびだす!にゃんこ大戦争』はずっと上位で売れ続けます。

■2016年 『ポケットモンスター サン・ムーン』発売。でもダウンロードで売れたのは?
2016年のヒットタイトルと言えばなんといっても『ポケットモンスター サン・ムーン』、あるいは『妖怪ウォッチ3 スシ/テンプラ/スキヤキ』なんですが、ダウンロードランキングのトップ3は『ポケットモンスター ピカチュウ』『ポケットモンスター赤』『とびだす!にゃんこ大戦争』となっています。そう、ダウンロード販売で強かったのはバーチャルコンソールで復活した初代『ポケモン』シリーズだったんです。ちなみに『ポケットモンスター青』が4位、『ポケットモンスター緑』が7位につけています。

初代『ポケットモンスター赤・緑』が発売された1996年2月27日のちょうど20年後となる、2016年2月27日に発売され、ダウンロード専用タイトルなんですが、当時のパッケージを再現した専用ダウンロードカードが発売されて、中にはカートリッジ風のマグネットも入っていました。さて、この同じ日にもうひとつ大きな新製品が発売されています。ニンテンドー2DSです。立体視の機能が無くなり折り畳みもできませんが、その分価格が抑えられていて、より低年齢層向けの商品となっていました。

偉大なシリーズの誕生の日に、初代『ポケモン』シリーズのバーチャルコンソールと2DSが同時に発売されて、大いに盛り上がったことがランキングからもうかがえますね。

■2017年 モンスターハンターダブルクロス発売。そして世代交代の年
2017年のトップ3は『モンスターハンターダブルクロス』『ポケットモンスター 銀』『とびだす!にゃんこ大戦争』。『モンスターハンター』シリーズは2013年以来、2016年を除いて毎年新作がランキング上位に登場。ちなみにダウンロードランキングトップ3にはいませんが、前述したとおり2011年には『モンスターハンター3G』も発売されています。人気が高いのはもちろんですが、すごい勢いでニンテンドー3DSに『モンハン』が投入されていたことが分かります。

しかし、その『モンスターハンターダブルクロス』ですが、これはマルチタイトルでした。何のゲームハードとのマルチタイトルだったのか、ニンテンドースイッチですね。2017年はニンテンドースイッチが発売された年で、ニンテンドースイッチは据え置きハードでありながら、携帯モードでも遊べるため、実質的にニンテンドー3DSとの世代交代が起こります。

■2018年、2019年 徐々に新しいソフトがでなくなっていく
2018年、2019年はまとめてご紹介したいと思います。というのも、前述の通りニンテンドースイッチの登場で世代交代が起こり、新作タイトルが大幅に減少してニュースも少なくなります。パッケージ販売したソフトでいうと、2018年が16タイトル、2019年は2タイトルしかありません。

2018年トップ3は『ポケットモンスター クリスタルバージョン』『とびだす!にゃんこ大戦争』『Minecraft: New Nintendo 3DS Edition』、2019年は『とびだす!にゃんこ大戦争』『ポケットモンスター クリスタルバージョン』『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』。

『ポケットモンスター クリスタルバージョン』だけが、過去作のダウンロード版という形で2018年から配信開始、それ以外のタイトルは2018年以前の配信開始タイトルとなります。

■2020年 『あつ森』で『とび森』が売れる?
2020年のトップ3は『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』『ポケットモンスター クリスタルバージョン』『とびだす!にゃんこ大戦争』。ここでちょっと面白いことが起きています。『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』が1位に返り咲いているんですね。

『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』はほかの年もたびたび15位以内には入っているのでそんなにおかしいことではないのですが、ここで一気に1位にきたのはニンテンドースイッチで『あつまれ どうぶつの森』が大ヒットしたことが関係あると思われます。

シリーズ物の新作タイトルが発売されて大ヒットした時、過去作が売れるという現象は、実は中古市場ではよくあることだったりします。新作が売れると情報が流れてやりたくなるんですが、自由にお金を使えない子ども層などが中心となって中古で安くなっている過去作を買うんですね。

『あつ森』が発売されたタイミングというと、『あつ森』の爆発的な人気に加え、新型コロナウィルスによる外出自粛の影響から巣ごもり需要もあいまって、ニンテンドースイッチが極端な品薄となり始めたころでもあります。そこで3DS版の『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』にまで需要が広がったのでは、とも考えられます。

ニンテンドースイッチは品薄で買えない、新型コロナウィルスでおでかけにもいけない、そんな人たちに『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』が楽しい森の生活を提供してくれたのだとしたら、ニンテンドー3DSは最後にもう一度役割を果たしてくれたと言えるかもしれません。

ニンテンドー3DSは本当にたくさんのゲームを遊ばせてくれました。お疲れさまでした、楽しいゲームをありがとう!