『モンスターファーム』シリーズ久々の新作コンシューマータイトルにしてウルトラ怪獣との強力タッグ! リリースが発表された瞬間、その情報量の多さと強烈なインパクトで一発KOされた方も多いはず。

『ウルトラ怪獣モンスターファーム』は25周年を迎えるコーエーテクモゲームスの人気シリーズ『モンスターファーム』の世界観で、国民的特撮作品「ウルトラマン」に登場するウルトラ怪獣を育成する、どちらの作品においても「新しい」ことだらけの1本です。


本日はメディア向け体験会ということで、ウルトラ怪獣は好きだけど『モンスターファーム』シリーズは初プレイという筆者が、許された時間の限り実際に怪獣育成にチャレンジしたいと思います!

記事の最後では、バンダイナムコエンターテインメントの又野健太郎さん、本作の開発を担当されたコーエーテクモゲームスの藤田一巳さんヘの、「ウルトラマン愛」そして「モンスターファーム愛」あふれるインタビューをお届けします!

◆4月:ウルトラ怪獣第一号(チュートリアル開始)
『ウルトラ怪獣モンスターファーム』の目的は『モンスターファーム』シリーズと同様、怪獣を育成して「新人」から「名人」へとランクアップしていくことです。

怪獣が現役でいられるのはおよそ3年から4年。1度に育成できるのは1体までで、引退したら別の怪獣を育成することになります。

『モンスターファーム』シリーズでは寿命を迎えていましたが、本作では引退となり死なないところが嬉しいポイントです。

プレイヤーは新人ブリーダーとなり、カネゴンの「カネゾー」が祖母から引き継いだという「カネゾーファーム」へ派遣されることになります。しかしその前にやることが……。ブリーダー協会へ行って受付を済まし、街にある「再生の祭壇」でパートナー怪獣をお迎えしなければなりません。

本作で怪獣を手に入れるにはいくつか方法があります。

第1は「追憶板」を読み込むこと。「追憶板」とはNFC機能を有する非接触型機器のことを示し、具体的には交通系ICカード、社員証、ウルトラメダルなどが当てはまります。

第2は楽曲検索をすること。CDを読み込んでモンスターを入手する『モンスターファーム』の伝統的システムで、本作では楽曲検索するだけで怪獣が入手できます。


第3はコード入力。玩具「ウルトラディメンションカード」の怪獣デザインのものに記載されている「UMF Code」を入力することで特定の怪獣を入手できます。

第4は季節ごとに受け取ることができる無料支給の怪獣。

そして最後に図鑑を用いた再生です。過去に入手したことのある怪獣は図鑑に登録され、以後図鑑から選んで再生することができます。

本作では古代の「円盤石」に怪獣が封じられているという設定となっており、上記さまざまな方法で怪獣を「再生(入手)」させ育成します。

せっかくなので交通系ICカードから怪獣を再生しようかと思いましたが、ここは『モンスターファーム』シリーズ初プレイの身。伝統的な楽曲検索で第1号を誕生させてみました。

名前は「もやし」に決定。これが筆者のパートナーです。

なお登場する怪獣は、おなじみの怪獣が25種類以上、本作のためにデザインされた合成怪獣(能力や特徴を受け継いだウルトラ怪獣)を含むとなんと200種類以上! あなたの元へは誰がやって来るのでしょうか?

「もやし」とともに派遣先の「カネゾーファーム」へやって来ると、いよいよ育成のスタートです。

育成は「第1週」「第2週」といったように週単位でゲームが進行。
つまり1ヶ月で4回行動ができる計算です。プレイヤーはその間、トレーニングで怪獣を鍛えたり、休養を取らせたり、大会に出場したりします。

◆5月:来たのは誰だ!?(同期ブリーダー「メイ」登場)
ホリィさんやカネゾーさんに色々と教わりながらトレーニングをしていると、同期の新人ブリーダーでこの島のお嬢さまという「メイ」がファームを訪ねてきました。

彼女のパートナーは初代『ウルトラマン』に登場した「ダダ」。名前を「カスミ」といいます。どうやらメイは挨拶代わりに力試しをしたい様子……。

メイと力試しをした後、またしばらくトレーニングをしていると、今度はブリーダー協会の受付にいたジュリアーノさんが修行の案内でやって来ます。

修行とは他のブリーダーに1ヶ月間、怪獣を預けて鍛えてもらうというもの。プレイヤーはまだ知り合いのブリーダーがメイしかいないため、今回は彼女に預けることになります。

修行から戻ってきた「もやし」は、特訓の成果でさらにたくましくなっていました。

ジュリアーノさんによれば、公式戦に出て怪獣のグレードを上げれば、ライバルのブリーダーに認められてメイ以外にも修行に出せるようになるとのこと。

ならば「もやし」の最初の目標は、6月第4週に開催される「Eグレード公式戦」! めざせ優勝!!

◆6月:対戦者を討て(Eグレード公式戦出場)
6月の目玉は第4週に開催されるEグレード公式戦です。
大会形式は出場4体の総当たり戦。賞金は50,000ゴールドです。大会はそのほかトーナメント、団体戦、シングルバトルがあり大会によって異なります。

Eグレード公式戦は「もやし」を含む4怪獣の総当たり戦。勝利すると星取表に勝利アイコンが表示されます。できれば全勝したいですね!!

3試合を終えて「もやし」はなんと全勝! 無事にグレードDに昇格し、当面の目標を達成したのでした。

◆さらば「もやし」(その後の育成要素)
3ヶ月のプレイでグレードDを達成しましたが先はまだまだ長いです。そこで時間が許す限りゲームを進めてみました。

はじめに開放されたのは調味料の要素です。エサはこれまで任意のものを選ぶだけでしたが、調味料を加えることでさらなる効果アップが見込めます。

そうしているうちに先行体験会の時間が終了。7月第4週までプレイした結果、わが家の「もやし」はここまで成長しました。


先行体験会なので仕方ありませんが、ともに喜び、トレーニングをし、夢を語ってくれた「もやし」と別れるのは後ろ髪を引かれる想いでした。

筆者は今回が『モンスターファーム』初プレイでしたが、操作やシステムで特に悩む部分はなくサクサクと進めることができました。

これからどんどんと新たな機能が開放され、さまざまなことができるようになるとさらに育成が面白くなってくるでしょう。

次ページ:『プロデューサー陣が語る「ウルトラ愛」の結晶』インタビュー

◆インタビュー『プロデューサー陣が語る「ウルトラ愛」の結晶』
――本日はよろしくお願いします。つい今しがたプレイさせていただきました。

藤田一巳(以下、藤田) おっ、どうでした?

――別れがたく、できればセーブデータがほしいと思いました……。

又野健太郎(以下、又野) それは嬉しい反応ですね。愛着が湧くように制作を進めてきたので、そのように思っていただけるのはプロジェクトとしては本望です。

――ところで本作についてはじめて知ったのが「Nintendo Direct mini ソフトメーカーラインナップ 2022.6.28」の配信だったのですが、まず「17年ぶりのコンシューマータイトルで完全新作の『モンスターファーム』にウルトラ怪獣が登場する」という情報量の多さにKOされました(笑)。

又野 みなさんそう思ったでしょうね(笑)。おそらくまったく予想していなかったコラボレーションだったので、反響はとても大きなものでした。

――『モンスターファーム』とウルトラ怪獣はどこで結びついたのですか?

又野 僕自身が子供のときに『モンスターファーム』をめちゃくちゃプレイしていたんですよね。
2019年と2020年に初代『モンスターファーム』と『モンスターファーム2』のNintendo Switch(以下、Switch)版が発売され、楽しくプレイさせていただいていたんです。

一方で2021年に「ウルトラマン」は55周年を迎えるというニュースを聞いたんです。そこでふと……「ウルトラ怪獣を『モンスターファーム』のシステムで育てたら面白いんじゃないかな……」と。

そして、すぐにコーエーテクモ様にこの想いをぶつけに行ったんですよね。

藤田 ご提案をいただいて、即「やらせてください!」とお答えしました(笑)。

実は『モンスターファーム』は今年で25周年を迎えるので、移植版の作業をしながら25周年にふさわしい新作『モンスターファーム』のあり方をずっと考えていたんです。

もし新しく作るならNFC(非接触技術)による怪獣誕生がおもしろいんじゃないか、といったことを考えていました。

そんな時ですよ、「ウルトラ怪獣版のモンスターファームはいかがですか?」とご連絡をいただいたのは。「そうきたか!」と思いつつ「この組み合わせは絶対に行ける!」と思いました。

――別々の作品がタッグを組むにあたり、両社のすりあわせはどのような空気感だったのでしょうか?

藤田 最初から意気投合でした。又野さんからはお会いするなり「モンスターファームの大ファンです」とおっしゃっていただきましたし、僕もウルトラ怪獣のガチ世代ですからね。ただ意気投合するあまり、2人だけで盛り上がりすぎた部分はありました。


又野 ほんとに意気投合してしまって……開発スタッフのみなさんはびっくりしていたかもしれないですね(笑)。

僕はコラボレーションさせるからには『モンスターファーム』をタイトル名に入れたいと思っていました。タイトルにつけるからには、モンスターファームファンのみなさまにも納得いただける内容にしなければいけないと思っていたので、もしかしたら、だれよりもモンスターファームを背負う気持ちで臨んでいたかもしれないですね(笑)。

藤田 怪獣って一般的に「デカい・強い・怖い・暴れる」が連想されますよね。社内の人間もその認識でしたから、暴れさせたほうがいいんじゃないか、特撮を意識した作りに寄せたほうがいいんじゃないかと、そういった意見も多かったんです。反対に個人的には『モンスターファーム』だからこそできる部分……たとえばブリーダーの要素を大切にしたかったので、一時期、企画として迷走しそうな状況はありました。

又野 僕も藤田さんも、暴れる怪獣より『モンスターファーム』らしい牧歌的な要素や愛でたくなる感覚をユーザーさんに味わって欲しいと思っていましたから、そこは一貫していましたね。大切なのは『モンスターファーム』だからこそできることです。ウルトラ怪獣のファンだけでなく『モンスターファーム』のファンの皆さんにも納得していただけるものでなければなりません。このバランスには本当に注意してきました。

「『モンスターファーム』の世界観をしっかり守りながらウルトラ怪獣のエッセンスをしっかり入れていく」という部分まではスムーズだったんですけど、実際に怪獣の大きさについては悩みましたね。

藤田 巨大怪獣が暮らせる牧場はどのくらいのサイズ感なんだろうと、だいぶ頭を悩ませました。そのため一時期、人間サイズにする方向で決まりそうになりましたね。

又野 ありましたね。僕もそちらに傾いていた時期がありました。でも、怪獣が持つ魅力ってそうではないんじゃないかって話になりました。

藤田 企画立案当初の怪獣のイメージとして「デカい・強い・怖い・暴れる」があり、「デカい」が大事な要素だったんです。そこは外すべきではないという流れの中で、CGディレクターが「デカ可愛いで行きたい」と。それでコンセプトが「デカ可愛い」に決まりました。

ただコミカルなモンスターをバトルでかっこよく魅せる『モンスターファーム』と反対に、今度は「かっこいい怪獣」を可愛く描かなくてはなりません。

又野 この部分は失敗すると、もしかしたら茶化したりバカにしたりしているように感じられてしまうかもしれません。そういう意味では、どのように表現するか悩みましたね。

――ちなみに円谷プロさんの反応はいかがでしたか?

又野 企画のご提案から実施に至って、本当にたくさん協力していただきました。企画のご提案時は「ウルトラ怪獣と育成? モンスターファームとのコラボレーション?」ということで、おそらく完成形がイメージしづらく……若干だけ不思議な空気も流れたような気もします(笑)。

開発中は随所でチェックをしていただき、「ここはこうした方が面白くなりそうですね」など、たくさんのアドバイスもいただきました。

ウルトラ怪獣同士を合成することで誕生する、見たことあるようで見たことのないバリエーションがたくさん存在します。合成後の姿は、ベースとなる怪獣に別の怪獣の模様やカラーリングを「合成」したものがベースになっています。たとえばゼットンゴモラはゴモラの形状にゼットンらしいカラーリングを施しています。このカラーリングなども実際に絵を書いていただいたりもしながら、アドバイスいただきましたね。

藤田 そのあたりはかなり助けていただきましたね。

――なるほど。合成怪獣のデザインの意図を読み解くのも楽しそうですね。それでは最後に、「これだけは伝えておきたい!」ということがあればお願いします。

藤田 開発に関わった様々な人がいい意味で面白がって作りました。やればやるほど面白いし、怪獣の再生の法則もわかるし、愛情も増して『モンスターファーム』シリーズらしい飽きないタイトルになったなと思います。

NFCによる怪獣再生も、同じICカードを使ったとしても日々の利用状況によって変わります。しかもランダムではないので色々と試して、SNSで情報共有するなどして盛り上がってほしいですね。

又野 今日、お話しした以上のサプライズがゲーム内に散りばめられています。従来の『モンスターファーム』ファンはもちろん、ウルトラ怪獣好き、そしてウルトラ怪獣をよく知らないという方でも楽しめる内容となっています。

その最たる要素が「デカかわいい」の部分で、それを表現するために、原作の映像作品では描かれなかった部分も含めて喜怒哀楽の感情表現をしっかり考えて開発しました。結果的にめちゃめちゃかわいいモーションがいっぱい入っていると思うので、眺めているだけでも癒やされると思います。

早期特典では『モンスターファーム』を代表するキャラクター「モッチー」の科学特捜隊バージョンが手に入ったりします。未発表のサプライズ要素も含め、そういった部分にもご期待ください!

商品情報

【商品名】ウルトラ怪獣モンスターファーム

【対応機種】Nintendo Switch

【ジャンル】ウルトラ怪獣育成シミュレーション

【発売日】2022年10月20日(木)

【価格】6,100円+税(通常版)/11,100円+税(特装版)

【特装版特典】・アクリルジオラマ、スクエアマグネット、オリジナルステッカー

【コピーライト】

Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。

(C)円谷プロ

(C)Bandai Namco Entertainment Inc.

開発:コーエーテクモゲームス

モンスターファーム:(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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