読み応えのあるシナリオや魅力的なサーヴァントなどで人気を博している『Fate/Grand Order』(以下、FGO)。正式サービス開始から7年を超えてもなお、その勢いは留まるところを知りません。
昨年末に第2部 第7章の前編が実装され、新たに登場したキャラクターたちが話題となり、SNSなどを賑わせました。その中でも独特の注目を集めてたのが、主人公たちに立ちはだかった新キャラクター「カマソッソ」です。
果たして、どんな理由で話題の的になったのか。「カマソッソ」に対する今後の展開に向けた期待なども含め、紹介させていただきます。
◆カマソッソの令呪発動で、マスターたちが大喜び!?
『FGO』第2部 第7章「Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの」は、地球の内部に広がる異聞帯を舞台とし、9層からなる縦穴構造の世界で新たな物語が綴られます。しかも層の中には冥界も存在し、生と死の境が曖昧になっているのも、印象深い点のひとつです。
この道程で出会う脅威のひとつが、本題である「カマソッソ」。マヤ神話に端を発する存在で、コウモリの神として知られていますが、『FGO』では主人公たちの行く手を阻む厄介な存在としてたびたび登場します。
カマソッソが話題となった最初のきっかけは、初登場時のインパクト。『FGO』では、全身の一部をアップにしたカットを何度か挟んだのちに、全体像を表示する演出がたびたび行われますが、カマソッソもそのスタイルでデビューを飾りました。
ですが最初のアップシーンは、なんと下半身のみ。コウモリの神らしく足を左右に開いており、衣装こそ纏っていますが顔よりも先に股間を拝む流れから始まります。「嫌なら見るな!」と言われそうですが、露骨に視線を逸らさない限りどうしても目に入ってしまうほどでした。
しかし、その後に晒した全身像は、悪しきおぞましさと人知を超越した存在感を放つ圧倒的なデザイン性で、見る者に畏怖を植え付けるほどの迫力を醸し出します。単純な描き込みもかなり細かく、力作と表現しても全くおかしくないほどです。
まずビジュアル面で衝撃を与えたカマソッソですが、主人公たちに直接立ちはだかる機会は意外と少なく、その際もバトル中は巨大ゴーストの姿を借りていました。そのため、望む声はもちろんありますが、今特に盛り上がっている話題は、カマソッソの実装(=サーヴァント化)に関するものではありません。
カマソッソは直接戦うだけでなく、別の相手を用意し、主人公らと戦わせることも。しかも彼が放つ敵対者は、カルデアと由縁のあるサーヴァント。まるで契約を交わした魔術師の如く、サーヴァントを差し向けて主人公と敵対します。
ちなみにカマソッソがサーヴァントに干渉できるのは、元来主人公が持っていた令呪を手に入れたため。その関係で、カルデアと結びつきのあるサーヴァントを使役しているのです。
ですが、令呪を使ってただサーヴァントを使役するだけでは、ここまで話題にはなりません。彼は、従来の霊基ではなく英霊の別側面を引き出した、いわゆる「オルタ化」を強要した上で、カルデア一行と戦わせたのです。
まず一画目の令呪を使ってオルタにしたのは「キングプロテア」。カルデアに身を置くサーヴァントの中でも屈指の巨体を持ちつつも、誰よりも少女らしい内面を持つ彼女は、基本的に温厚で控えめな振る舞いを見せます。
しかし、カマソッソによってオルタ化させられた彼女は、主人公たちに負けたことに屈辱を覚え、「次に会ったら覚えてなさい、マスター」とベロを出しつつ捨て台詞を残し、オルタの側面は退場。その言動は、いつものキングプロテアとはかけ離れていて、ある意味で新鮮な一面でもありました。
また、オルタ化を強いられたふたり目のサーヴァント「紅閻魔」は、成長した後の大人びた容姿で登場。舌ったらずな口調もなく、地獄の番人として威風堂々と立ちはだかりました。もちろん敵としての手ごわさも格別で、手痛い一撃を食らった方も多いのでは。
キングプロテアと紅閻魔のオルタ化は、いずれも今回が初。見た目も大きく変わりましたが、そのデザインもセンスが良く、好評を博しています。どこまでがカマソッソの成果(?)かは分かりませんが、ユーザーからは「カマソッソ先生」や「オルタ職人」などと呼ばれ、尊敬や信仰の対象として持ち上げる方が後を絶たないほど。
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◆令呪は残り一画……次のオルタは誰? 冥界繋がりで大予想!
人気キャラの新たな一面を引き出し、素敵な装いをまとわせる。ユーザーに意外な恩恵をもたらしたカマソッソですが、彼の手にはまだ令呪が一画残っています。その使い道が気になるところですが、有力な候補としては「ニトクリス」のオルタ化に使われた可能性があります。
後編の配信に先駆け、1月18日に「ニトクリス〔オルタ〕」が実装され、ピックアップ召喚が始まりました。ニトクリスはいち早く前編に登場しており、作中で痛い敗北を喫し、現在は療養中です。その彼女がどうなるのかはまだ分かりませんが、オルタなニトクリスが実装されたこの状況を踏まえると、カマソッソの令呪でニトクリスがオルタ化したのかもしれません。
ですが、これはあくまで状況証拠からの推察。彼女のオルタ化がカマソッソと関係しているのかは、まだ未定です。であれば、まだ他のサーヴァントがカマソッソの令呪でオルタ化する可能性はあるはず。その希望的観測から、新たなにオルタ化しそうなサーヴァントの候補をチェックしてみました。
ニトクリス〔オルタ〕の立ち位置はまだ分かりませんが、オルタ化した前述のふたりはいずれも、冥界の番人としての役割を当てはめられています。
エレシュキガルは、メソポタミア神話における冥界の女神。死者の国の女主人として、メインシナリオやクリスマスイベントでも活躍した過去を持ちます。その由縁を考えれば、可能性は決して低くないでしょう。また、人気の面でも申し分なく、夏が来るたびに水着化を望まれているサーヴァントの1騎。ここでオルタ化がくれば、かなりの盛り上がりを見せることでしょう。
そして「スカサハ」も、人気・設定の両面で候補に足るサーヴァントです。「影の国」の女王であり、そして門番でもあるので、冥界行に挑むマスターたちを阻む役柄にもぴったりと合います。
また、戦死者を死者の館へ連れていく「ワルキューレ」や、冥界の力を継承している「宇津見エリセ」も、繋がりとしては必要十分……ですが、この2騎は昨年の夏イベントで新たな霊基を得ています。半年ほどで新展開があるのか、ちょっと悩ましいところです。
由縁と人気、そしてタイミングを考えると、「エレシュキガル」と「スカサハ」がカマソッソ先生の目に止まるのでは、と個人的に考えています。
◆予想とかどうでもいい! オルタになって欲しいサーヴァントを独断でチョイス
冥界との由縁を持つ候補を挙げましたが、『FGO』ユーザーならば誰もがオルタ化して欲しいサーヴァントの1騎や2騎はいるはず。そこで今回の締めくくりとして、上記の予想とは別に、カマソッソにオルタ化して欲しい面々を独断かつ好き勝手にチョイスしてみました。
【茶々】
全体攻撃宝具持ちのバーサーカーとして配布された「茶々」。性能面では現環境から一歩遅れているので、作中でも何度か触れた「アベンジャー淀」としてオルタ化&最前線への復帰をぜひ。
【アナスタシア】
ロシア帝国最後の皇帝の愛娘(第四皇女)という立場や、ロシア革命によって命を落とした悲運など、オルタ化の素養が高め。水着化では年相応の少女としての面が色濃くなったので、オルタではシリアスな「アナスタシア」に期待。
【マリー】
「Fate/Requiem 盤上遊戯黙示録」に登場した「黒いマリー」の実装を! 今回正式にオルタ化し、イベントの復刻時に実装という路線もアリです。
【モードレッド】
「叛逆の騎士」ですが、今現在はなんのかのと折り合いをつけ、それなりに平穏な距離感を保っている「モードレッド」。だからこそ、一触即発レベルな緊張感のあるオルタな彼女を見てみたい!
【ネロ・クラウディウス】
水着に花嫁姿、霊衣も含めれば体操服と、まさに百花繚乱な「ネロ・クラウディウス」。基本的に正の方向に全開なので、オルタ化で闇落ちしたらギャップが大きそうで興味がそそられます。「アルトリア・ペンドラゴン[オルタ]」並みの変貌ぶりでよろしく。
【カルナ】
基本的に女性サーヴァントのオルタを歓迎する派ですが、「アルジュナ」が存在感たっぷりのオルタ化を遂げたので、カルナのオルタも見てみたい!
【エリザベート】
「アルトリア・ペンドラゴン」と並び、霊基の多い「エリザベート」。しかし、「ダークエリザ」(Fate/EXTELLA)などはあっても、オルタ化はまだありません。せっかくなので、オルタなエリちゃんも見てみたい……のですが、彼女の場合はオルタになっても、基本的な性格は変わらない気がします。
【玉藻の前】
別霊基が増えそうでなかなか増えない「玉藻の前」。タマモナイン全実装の一環として、オルタでも何でもいいので増えて!
【刑部姫】
出番が多い一方で、編成に組み込まれる機会が少ない「刑部姫」。ここはひとつ、オルタになって戦闘でも活躍して欲しいところです。また、オルタになるとどんな側面が引きずり出されるのか、その点もかなり気になります。
【メリュジーヌ】
カルデアでもかなり重めな愛情を傾けてくれる彼女ですが、第2部 第6章で見せた“愛を捧げ、報われなかった”という側面が色濃いメリュジーヌにも興味津々です。そんなオルタ化を遂げたら、かなり手に負えなさそうな気配もありますが、見たいものは見たい!
【殺生院キアラ】
元々、オルタがどうのといった次元を超越している気もしますが、作中で否定された「水着イベの少女バージョン」の姿でオルタ化するのはいかがでしょうか。そんな変化球での再登場も、「殺生院キアラ」なら許されるはず。おそらく。多分。
先が気になるシナリオの本筋とは別に、カマソッソの令呪発動が意外な展開を見せた第2部 第7章。1月下旬に控えている後編では、どんな驚きを見せてくれるのでしょうか。やはりニトクリス〔オルタ〕なのか。それとも、予想を超える意外な展開なのか。カマソッソ先生の次回作にご期待ください!
(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT