10月17日に行われた配信番組「D2メガテン公式生放送 ~秋のアップデート直前放送~」でも、10月19日もしくは26日から始まる新たな施策の内容をいち早く公開。14章裏ルートの追加や既存悪魔の上方修正、最大100連無料など、見逃せない展開が次々と明かされました。
その中でも特に見逃せないのが、新★5悪魔「魔獣 ロストネーム」の実装です。優れた能力もさることながら、その見た目がシリーズファンに驚きを与え、大きな話題となっています。
なぜ、「ロストネーム」がファンをざわつかせるのか。アップデート実施に先駆け、その背景と実態に迫ります。
■「ロストネーム」実装で、『真・女神転生』ファンに驚きが広がる
ファンの間で「ロストネーム」の話題が飛び交っている最大の理由は、まずその見た目にあります。猛々しい姿こそしていますが、伝承や伝説級の悪魔や天使と比べると、デザイン的には比較的大人し目。青と白の毛に覆われた、犬や狼を連想させるいで立ちです。
この新たな悪魔は、エグゼクティブディレクターの岩嵜氏から「『D×2』オリジナルの悪魔」と紹介されました。が、同時に「色んな悪魔を待ちわびていましたが、個人的にトップクラス」とのコメントも。新悪魔なのに“待ちわびていた”とは、ちょっと不思議な言い回しです。
また他の登壇者からも、「昔からやってる我々からしても嬉しいですね」と、まるで顔なじみと再会したかのようなリアクション。ですがこうした発言も、シリーズの原点『真・女神転生』をプレイしている方ならピンと来るはず。
『真・女神転生』は、東京が大きな異変に襲われる直前から物語が始まります。この時の主人公は、パソコンをたしなみ、心配性な母親と暮らすごく普通の若者でした。そこから、とある事件をきっかけに変貌していく世界の中で、悪魔や天使との戦いに身を投じていきますが、まだ平和な頃に「パスカル」という名の愛犬を飼っていました。
このパスカルは、悪魔でもなんでもない、ごく普通のシベリアンハスキーです。しかし、「今回実装されるロストネームは、パスカルなのでは?」との見方が広がっており、ファンの心を大きく揺さぶっているのです。
■『真・女神転生』の主人公に寄り添った「パスカル」
なぜ、ロストネームをパスカルと予想しているのか。その理由を語る前に、『真・女神転生』におけるパスカルの在り方を説明します。
悪魔との戦いに巻き込まれる形で、平和な日常との決別を強いられる主人公。そんな彼の旅立ちを、パスカルは見送るのではなく、同行する道を望みます。もちろんただの犬なので、悪魔同士が戦う激しいバトルに加わることはできません。
そして、判断はプレイヤーに託されますが、このパスカルと悪魔を合体させると、その時点では非常に強力な悪魔「ケルベロス」となります。飼い主として、そして倫理的にも少々抵抗のある行為ですが、合体させればパスカル(ケルベロスですが)が戦闘に参加し、主人公を大いに助けてくれます。
悲劇を乗り越え、戦うことを選んだ主人公。そんな飼い主を助けるため、悪魔になりながらも彼を守るパスカル(ケルベロス)。シリーズ作でもトップクラスの“絆の深さ”が、当時のプレイヤーたちに深く刺さり、ファンにとって「パスカル」は忘れられない存在となりました。
<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">ロストネームは、“あの作品”のパスカルそのもの!?</cms-pagelink>
■「ロストネーム=パスカル」説は、PCエンジン SUPER CD-ROM2版が決め手
「パスカルのことは分かったけど、ロストネームと結びつけるのは気が早くない?」と思う人もいるでしょうが、「ロストネーム=パスカル」説はこれだけが理由ではありません。体毛の色味もそれぞれ似ていますが、そうした断片的な情報よりも確かな理由がしっかりと存在します。
実は、後に発売されたPCエンジン SUPER CD-ROM2版やメガCD版の『真・女神転生』では、パスカルが悪魔と合体した「ケルベロス」だけでなく、一定の条件を満たすことで「パスカル」が仲間(ゲーム的には仲魔)になります。ケルベロスとなったパスカルとも異なり、こちらでは愛犬の名前のまま戦いに参加してくれるのです。
仲魔に加わる「パスカル」の見た目は、メガCD版だとケルベロスを犬寄りにしたようなデザインですが、PCエンジン SUPER CD-ROM2版の「パスカル」は……まさしく、先日発表された「ロストネーム」の見た目そのもの。当時とはゲームの解像度が違うので、画質的には無論荒めですが、配色、デザイン、猛々しさなど、いずれも瓜二つと言っていいほど。
また『真・女神転生』のパスカルは、ストーリーの途中で主人公と一時的に別れる場面があります。そして、後に再会するまで正気を失っていますが、この空白期間に『D×2』の世界へ紛れ込んだのでは、と推測する声もあります。
■「パスカル」と言及しないのは、ネタバレ回避かそれとも配慮か?
過去作と照らし合わせると、「ロストネーム=パスカル」説はほぼ確定と言っていいほど。ですが、少なくとも番組内ではっきりとした言及はしていません。この点について、いくつかの憶測があります。
まず、ロストネームが登場する新たなイベントが、今月中に幕開けする予定です。そのイベント内でロストネームとパスカルの関係性を明らかにするとなれば、ネタバレを回避する意味で言及しなかったのも頷けます。
また、名称がパスカルではなく「ロストネーム」なのは、ネタバレへの配慮だけでなく、設定的な意味合いがあるのかもしれません。今回の実装で『D×2』の面々が「ロストネーム」と関わるとしても、あの犬がパスカルだと知っている真の飼い主は、『真・女神転生』の主人公と、当時あの作品を遊んだプレイヤーだけ。
そういった形で定義して、『D×2』では敢えて「ロストネーム」という呼び名にした可能性もあります。であれば、番組内で指摘しなかったのも一種の配慮なのでしょう。
果たしてどのような理由があるのか、あっても語られるのか否か。ロストネームとパスカルの関係は、まだまだシリーズファンの心を揺さぶりそうです。
この秋のアップデートも見逃せない『D×2 真・女神転生 リベレーション』。現役プレイヤーの方だけでなく、かつてパスカルと共に旅をしたあなたも、本作でロストネームと出会ってみてはいかがでしょうか。