世界最大規模となるゲーム表彰式典「The Game Awards 2023」の開催が、いよいよ近づいてきました。「ニコニコ生放送」では、12月8日9時15分(日本時間)より、式の模様を通訳付きでライブ配信するなど、当日に向けた動きが活気づいています。


「The Game Awards 2023」の見どころといえば、最優秀作品賞にあたる「Game of the Year」(以下、GOTY)の発表でしょう。GOTY自体は、様々なメディアや団体が発表していますが、その中でも特に注目を集めるもののひとつが、「The Game Awards」のGOTYです。

気になるGOTYの発表が少しずつ近づいていますが、当日より楽しむために、これまでどんな作品が「The Game Awards」のGOTYを獲得したのか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか? 過去6年分の受賞作の数々、どうぞご覧ください。

■2017年受賞作:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
『ゼルダの伝説』シリーズは国内外で長く愛され続けてきましたが、この『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で人気はさらに膨れ上がり、プレイヤー層が更に拡大。また、シリーズの“当たり前”を見直した設計も刺激的で、多くの方が高く評価しました。

本作の大ヒットは、作品単体の成功に留まらず、同時発売された「ニンテンドースイッチ」の売り上げにも大きく貢献したほどです。
現在、スイッチは押しも押されぬ人気ぶりを遂げましたが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』という立役者あってこそと言えます。

これだけの影響力を示した本作が、『Horizon Zero Dawn』や『スーパーマリオ オデッセイ』などのライバルを抑え、2017年のGOTYを勝ち取りました。

■2018年受賞作:『ゴッド・オブ・ウォー
前年は、任天堂の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が選ばれましたが、翌2018年のGOTY受賞作は、SIEの『ゴッド・オブ・ウォー』が受賞。GOTYレースでも、任天堂とSIEは一歩も譲らぬ好敵手ぶりを見せています。

2018年受賞作の『ゴッド・オブ・ウォー』は、同名の人気シリーズ最新作(当時)。ですが、シリーズ1作目と同名ながらリメイクやリマスターではなく、ゲーム性はもちろん物語的にも完全な新作。
ここまでのシリーズの流れを受け継ぎつつ、主人公「クレイトス」の戦いは新たな局面を迎えます。

パワフルかつ爽快感のあるバトル、息子と旅をする中で育まれる親子の絆、舞台となる北欧の厳しくも美しい大自然を描き切るグラフィックなど、多方面にわたって評価された作品です。

<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">2019年受賞作が、“死にゲー”に新たな風を吹き込んだ!</cms-pagelink>

■2019年受賞作:『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』
数々の高難易度アクションゲームでコアゲーマーをうならせたフロム・ソフトウェアが、2019年に戦国の世を舞台とする剣戟アクション『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をリリース。近年手がけた作品群の中では珍しい世界観だったが、その描写も冴えわたり、2019年のGOTYを見事射止めました。

同社の作品は“死にゲー”と呼ばれて語られることが多いのですが、本作もその系譜に名を連ねており、幾度も死を繰り返しては敵の動きを覚え、その果てに勝利と生を掴み取る醍醐味がクセになる作品です。

特に気持ちがいいのは、敵の体勢(体幹)を崩し、致命的な一撃を食らわせる「忍殺」。
これが決まれば、恐ろしいボスでもそのHPを大きく削れます。逆を言えば、崩してからの「忍殺」が上手く決められなければ、苦戦は免れません。

高難易度アクションゲームの多くは、敵の出方を見てから、その隙を狙って攻撃を食らわせるスタイルでした。しかし本作は、絶え間なく攻め続けることで、体勢を崩させやすくなり、「攻めの高難易度アクション」を実現。その新たなゲーム性も評価され、2019年を代表する1作となりました。

■2020年受賞作:『The Last of Us Part II』
1年の間隔を空け、SIEが『The Last of Us Part II』で2020年のGOTYを再び制しました。
本作はタイトルからも察しがつく通り『The Last of Us』の続編で、時間経過はあるものの物語的にも直接繋がっています。

今回の主人公は、前作でジョエルと共に旅をしたエリー。ジョエルとエリ―は旅の最中で互いに少しずつ歩み寄り、その後も不器用ながらかけがえのない関係を育んでいきました。しかし、その日常は奪われ、エリ―は自ら戦いの道へと身を投じます。

そうした物語の裏側を描くのが、もうひとりの主人公アビーです。なぜエリーと対立し、ふたりは戦いを繰り返すことになるのか。
過酷な時代だからこそ浮き彫りになる人間の感情と、そのぶつかり合いを雄弁に描き、『The Last of Us Part II』は大きな話題となりました。

<cms-pagelink data-page="3" data-class="center">2021年の受賞作はまさに快挙! そして、2022年は納得の受賞作が</cms-pagelink>

■2021年受賞作:『It Takes Two』
ここまで紹介した受賞作は、いずれも大作級のタイトルばかりでした。しかし2021年は、その壁を打ち破った『It Takes Two』が、並みいる強豪を打ち破ってGOTYに輝きます。

価格が必ずボリュームと比例するわけではありませんが、本作の価格はミドル帯の4,300円。大作となれば8,000円前後も珍しくない昨今、お手頃な価格帯の作品がGOTYを射止めるのは、見事な快挙と言えるでしょう。

本作にまず驚かされるのは、2人協力プレイ専用という点です。
1人もしくは2人で遊ぶゲームは多数ありますが、本作は2人でのプレイを前提とした内容になっています。難しさが理由ではなく、「協力」がカギとなるためです。

1人で遊べるゲームが大半を占める中、あえて「もう1人」を必須とした『It Takes Two』。そのハードルを超えるのは、少々高めかもしれませんが、その先にある刺激や驚きは、超えるだけの価値があります。離婚の危機にある夫婦の冒険を通じて、誰かと繋がる体験をぜひ味わってみてください。

■2022年受賞作:『ELDEN RING』
もっとも直近となる2022年にGOTYに選ばれたのは、『ELDEN RING』でした。こちらもフロム・ソフトウェアの作品で、“死にゲー”の代表的なシリーズ『ダークソウル』の流れを汲みつつ、見渡す限り冒険の舞台となるオープンワールド化も実現。この融合が、かつてない刺激と興奮をプレイヤーにもたらしました。

廊下の角をひとつ曲がるだけで、その先に強敵が潜んでいるかもしれない“死にゲー”。この緊張感が、ダンジョンに限らずフィールドの至る場所に広がり、先が予測できない冒険が詰まったプレイ体験を提供し、プレイヤーを虜とします。

ですがフィールドの自由度が増した分、どこかの強敵で詰まっても、行き先を変えることで新たな探索が可能に。その先で成長したり、強力な武具を手に入れ、戦力を強化してから再挑戦する、といったプレイも可能になり、より多くの人が楽しめるデザインにもなっています。

“死にゲー”とオープンワールドの合わせ技は、国内外で多くの関心を集め、発売から約1年ほどで累計出荷本数が2,000万本を突破。評価も、そして結果も残した『ELDEN RING』が、2022年を代表するゲームと呼ばれるのも納得です。

過去6年のGOTY受賞作、あなたはいくつ覚えていましたか? 中には、ちょっと意外なタイトルもあったかと思います。こうした受賞作の傾向から、今年のGOTYを予測するのも一興かもしれませんね。