そんな中、任天堂の公式X(企業広報・IR関連)にて、後継機種に関するアナウンスを今期中に行うと報告。まだ発表を予告したに過ぎないものの、スイッチの後を継ぐ任天堂の新たなゲーム機が、いよいよ姿を見せようとしています。
■ローンチに恵まれていた、ニンテンドースイッチのデビュー
後継機の性能や対応ソフトはまだ明かされておらず、詳細は正式発表を待つしかありません。しかし、期待と共に想像は膨らむもの。特に、同時発売のローンチタイトルは、そのゲーム機の成功を大きく左右する重要な要素なので、気になる人も多いことでしょう。
スイッチの時は、Joy-Conの特徴を活かした『1-2-Switch』なども話題となりましたが、特に影響を及ぼしたのは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の存在でしょう。後に3,000万本を超える大ヒット作がローンチで発売されたため、スイッチのスタートダッシュはこれ以上ないほど盛り上がりました。
後継機が華々しいデビューを飾るには、やはり魅力的なローンチタイトルが欠かせません。任天堂は子会社も含め、人気の高いシリーズ作を数多く抱えています。そのため、後継機のローンチに強力なタイトルをぶつけてくる可能性は高め。しかし一方で、最新作が出たばかりなので、後継機のローンチには間に合わないであろうシリーズも少なからずあります。
スイッチの後継機が仮に1年~2年程度で発売された場合、どんな作品が出れば華麗なスタートダッシュを決められるのか。
■『マリオ』や『ゼルダの伝説』の完全新作は、ローンチに間に合うの?
任天堂が発売している人気タイトルといえば、『スーパーマリオブラザーズ』シリーズをはじめ、枚挙に暇がないほど揃っています。おそらく後継機でも、こうしたシリーズ作が数多くリリースされ、新たなゲーム機を大いに盛り上げることでしょう。
しかし『スーパーマリオブラザーズ』シリーズは、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』が昨年10月の発売されたばかり。2Dマリオのアクション新作は、さすがにもう少し先になるでしょう。
スイッチのローンチで活躍した『ゼルダの伝説』は、『ブレス オブ ザ ワイルド』の続編『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が昨年5月に発売。こちらも、メインの新作が後継機に間に合うかは難しいところです。ただし、過去作のリマスターやリメイクはあり得るかもしれません。
同じように、『ゼノブレイド3』(2022年7月発売)や『ファイアーエムブレム エンゲージ』(2023年1月発売)、『スプラトゥーン3』(2022年9月)など、人気シリーズの多くがここ1~2年くらいで発売されています。そのため、各シリーズの完全新作が後継機のローンチになるのは難しそうです。
ですが、全ての人気シリーズが難しいわけではありません。例えば2Dマリオは出たばかりですが、3Dの箱庭系マリオなら完全新作は2017年10月発売の『スーパーマリオ オデッセイ』以来。
またマリオ系は派生も多く、例えば「ヨッシー」が主人公を務めるシリーズなら、『ヨッシークラフトワールド』が2019年3月発売。この辺りも、間隔は十分開いています。
いくつか望みがありそうな作品も存在しますが、多くの人気作は完全新作まで少し時間がかかることでしょう。とはいえ、これらだけが任天堂のシリーズ作品ではありません。後継機のデビューをこれ以上ないほど鮮やかに飾るであろう、人気作3選をご覧ください。
■『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ
後継機のローンチとして登場したら、間違いなく盛り上がるであろう人気作。そのひとつは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズです。任天堂の人気キャラクターたちが作品の枠を超えて結集する本シリーズは、新たなゲーム機の門出を祝うにはまさにうってつけと言えます。
ソロプレイでも楽しめますが、対戦プレイも大いに盛り上がる作品なので、もしローンチで発売されれば、初日からユーザー同士の交流が盛んになるはず。その盛り上がりは後継機の活気に直結し、広く影響を及ぼすことでしょう。
対戦アクションですが、勝敗は「相手を吹っ飛ばす」という分かりやすいルールなので、未経験者が馴染みやすい点も◎。
現時点の最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が発売されたのは、2018年12月です。その後、DLCの展開が長く続きましたが、最後の新ファイター「ソラ」の配信が2021年10月なので、間隔という意味ではそれなりに空いています。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』が出てから『スマブラSP』の発売までざっと4年ほど。後継機の発売まで1年程度かかると見れば、間に合う見込みは十分あります。
『スマブラSP』だけでも3,422万本を売り上げている、絶大な支持を集めているこのシリーズ。続編を待ち望む人も多く、もしローンチで出れば爆発的な人気が出るのは確実です。
ただし『スマブラ』シリーズは、生みの親であり、全作品を手がけてきた桜井政博氏抜きには考えられない作品と言われています。そして桜井氏は、自身のYouTubeチャンネルの中で、「『スマブラ』の今後がどうなるのかは、私にも分かりません」と語っていました。
こうした現状を見ると難しくも思えますが、もし出れば盛り上がること間違いなし。期待と共に、動向を見守りたいところです。
■『どうぶつの森』シリーズ
ボスを倒したり、ステージをクリアしたりと、多くのゲームは最終的な目標を提示し、プレイヤーはそこに到達すべく邁進します。
その代表作とも言える『どうぶつの森』シリーズは、2001年に同名の1作目が登場。以来、様々なプラットフォームにリリースされ、据え置き機だけでなく携帯ゲーム機でも遊べるようになりました。自分だけの村を作り、そこで日々を過ごすというプレイ感覚が好評を博し、長く愛され続けています。
特に、2020年に発売された『あつまれ どうぶつの森』は、無人島を舞台に様々なクラフト(DIY)が可能となり、かつてない自由度で楽しめるようになりました。また、大画面が嬉しいTVモードにどこでも遊べる携帯モードと、自分なりのスタイルに合わせて楽しめるスイッチの特徴ともマッチしたのも、好評に拍車をかけたひとつの要因です。
シリーズの当初は一部ユーザーの間で支持されていましたが、作品数を重ねるごとに広く知られていき、ニンテンドーDS向けの『おいでよ どうぶつの森』では1,175万本もの大ヒットを遂げます。
同じく携帯機の『とびだせ どうぶつの森』は1,305万本、そして最新作の『あつまれ どうぶつの森』では驚異の4,536万本を叩き出し、任天堂作品でも有数の人気シリーズに成長しました。ファン数の多さを考えれば、最新作がキラーソフトの大役を務めるに十分。もしローンチで登場すれば、爆発的なヒットとなるでしょう。
ちなみに『どうぶつの森』シリーズの完全新作は、3~4年に1本のペースで作られることが多めでした。『あつまれ どうぶつの森』が2020年発売なので、DLCの展開もあったとはいえ、そろそろ動きがあってもおかしくありません。
ただし、『とびだせ どうぶつの森』から『あつまれ どうぶつの森』のみ、8年越しの登場でした。その間に『ハッピーホームデザイナー』や『amiiboフェスティバル』、『ポケットキャンプ』などが出たとはいえ、開発期間が伸びている傾向は否定しにくいところ。
次の最新作も長めの間隔が空くのか、それとも後継機の発売に間に合うのか。ファンならずとも要注目です。
■『マリオカート』シリーズ
今回紹介する最後の人気シリーズは、『マリオカート』です。今回取り上げた作品の中ではもっとも長い歴史を持ち、1作目の『スーパーマリオカート』は1992年8月発売。現在、32年も歩み続けている名シリーズです。
『マリオカート』シリーズは国内外で愛され続け、どのタイトルもミリオンを軽く超え、1,000万本台も珍しくありません。『マリオカートDS』は2,360万本、『マリオカートWii』も3,738万本、そして『マリオカート7』1,899万本と、他の人気作と比べても文字通り桁違いの活躍を見せています。
しかし、その中でも飛び抜けているのが、最新作の『マリオカート8 デラックス』です。2017年4月にリリースされた本作は、それまでのシリーズ最高本数だった『マリオカートWii』を大きく上回り、6,197万本という驚異的な売れ行きを記録。初動の爆発力に加え、ロングランで売れ続けた結果、シリーズ内はもちろん歴代スイッチソフトの中でも最も売れたゲームとして君臨しました。
これだけ売れたタイトルのシリーズ最新作が出れば、多くのユーザーが関心を寄せることでしょう。その登場が後継機のローンチになれば、これ以上の舞台はないと言ってもいいほどです。
しかも『マリオカート』のナンバリング最新作は、『スマブラ』や『どうぶつの森』よりも長く待たされているという事情もあります。『マリオカート8 デラックス』自体が2017年ですし、本作はWii Uソフト『マリオカート8』がベースのいわゆるパワーアップバージョンです。
完全新作という意味では、2014年5月発売の『マリオカート8』から数え、現時点で既に10年近い沈黙が続いています。絶大な人気ぶり、期間が長く空いている点、そして首を長くして待つファンの現状を考えれば、後継機のローンチにこれほど相応しいタイトルはないでしょう。
今のところ後継機に関する情報は、「今期中にアナウンスされる」「6月のNintendo Directでは後継機種を扱わない」という2点が確定されているのみ。発売時期はもちろん、リリースされるラインナップもまだ決まっていません。
ですが、今回挙げた作品はいずれも、出れば話題となる人気作ばかり。仮にローンチで登場すれば、それだけでスタートダッシュの成功が確定同然の、いわば“勝ち確”と言えるほどのキラーソフトです。
こうした有力な作品が後継機のデビューを彩るのか否か、その動向を興味深く注視しましょう。