任天堂の社長・岩田聡氏が、ゲームソフトなどの開発者から直接話を伺う「社長が訊く」。今回は、Wii Uソフト『ゼノブレイドクロス』の開発陣との対談を行いました。


前回の「社長が訊く」は、初のNewニンテンドー3DSソフト『ゼノブレイド』が選ばれ、モノリスソフト取締役の高橋哲哉氏と岩田氏が1対1で濃密な会話をやりとりしましたが、今回は高橋氏が引き続き登場した上に、脚本を担当した竹田裕一郎氏や兵頭一歩氏など、計5人が岩田氏の前に揃いました。

[任天堂HP] 「社長が訊く『ゼノブレイドクロス』」を掲載しました。 http://t.co/S56uHdKEuQ pic.twitter.com/V7YelN2KSu 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2015, 4月 28

まず、「ロールプレイングで大事なのは舞台装置」と高橋氏が口火を切ります。前作の『ゼノブレイド』では“巨神(きょしん)”と“機神(きしん)”をフィールドにするというユニークな発想が主軸になりましたが、本作では「星をひとつ、丸ごとつくろう」と方向性を定め、約400平方kmの5大陸制作が開始されました。

従来のRPGであれば、進行を誘導することで向かうべき先だけを作り込む手法を取ることができますが、本作はオープンワールドなため、どこに向かうかはユーザーの気持ちひとつで大きく変わります。そのため「画面に映っていればどこでも行ける」ことにこだわり、また向かった先が「行くだけの価値のある場所」になるよう、愚直に作り込んだと明かされます。

オープンワールドへの姿勢ひとつをとっても、こだわりと並ならぬ苦労が伝わってきますが、物語面の構築も容易ではありませんた。最初に高橋氏が用意したプロットは、この段階ですでに小説のような膨大な量だったとのこと。クエスト関係も含めるとひとりで担当するにはボリュームがありすぎたため、兵頭氏にも加わっていただいたとの経緯が語られます。

ですが兵頭氏は、本作の制作は実に魅力的な環境だったと漏らします。クエストのシナリオを書くときに、新しいキャラを作ってもいいかと訊ねたところ、「いくらでもつくっていいです」と快諾。このような熱い現場だったため、「ずっとこのチームに混ぜて欲しい」と感じていたそうです。
ちなみにシナリオ制作にかかった時間は、クエスト関係も含めると1年半ほど。プレイ時間のベースで例えると、やり込むならば前作の5倍くらい遊べる密度になっていると語られました。

このほかにも、「人とコミュニケーションを取るのは面倒、しかしひとりで遊ぶのは寂しい」という難点に立ち向かって生まれたネットワーク関係や、『ゼノブレイド』でも十分多かったバトル中のボイス数が本作では4倍近いの1万1000ボイスに増えた件、満を持して導入した「ドール」にまつわる話など、様々な秘話が飛び出しましています。

モノリスソフトにとって、初のHDタイトルにもなる『ゼノブレイドクロス』。海外からも注目が集まる本作が、どのようなプレイ体験を与えてくれるのか。待望の発売日を明日に控えた今、待ち遠しい方はこの「社長が訊く」を読みながら、あと少しだけお待ちください。

■社長が訊く『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』
URL:http://www.nintendo.co.jp/wiiu/interview/ax5j/vol1/index.html

『ゼノブレイドクロス』は、2015年4月29日発売予定。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに7,700円(税抜)です。

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