2015年5月28日に発売され、さまざまなイベントが開かれグッズ展開も行われるようになったWii Uの対戦アクションゲーム『スプラトゥーン』。気づけばあれから1年が経過しています。


かくいう私も本作をかなり楽しませていただいており、気づけばプレイ時間が1,000時間を超えるほど。これほどまでに楽しめているのは、やはり本作がよくできているから、そして継続的なアップデートを続けているからでしょう。

今回は、『スプラトゥーン』が1年間でどのように変化していったかを追っていきましょう。思い出してみれば、実にさまざまなことがありました……。

◆「E3 2014」での発表(2014年6月10日)

https://www.youtube.com/watch?v=dUl-iHKGgck

さて、『スプラトゥーン』は、2014年6月に開催されたイベント「E3 2014」で発表されたタイトルです。まずは動画が公開され、現地のロサンゼルスでは最初期のバージョンが試遊できました。

この時点で、主人公の「インクリング」(通称“イカ”)がインクを使った塗りあいのバトルを繰り広げるといった基本的な部分は完成していますが、製品版と比べると細かい部分がいろいろと違います。最初期は相手を倒すとポイント表示があったようですし、ステージもかなり調整が施されているようです。スペシャルウェポンの「トルネード」も今とはだいぶ変化していますね。

まだ発売日の約1年前という段階でしたが、このPVを見て楽しそうだと感じているファンもなかなかの数がいたようで、私もその雰囲気を肌で感じていました。

◆発売前の「完成披露試射会」(2015年5月9日~)

そして2015年5月9日から「完成披露試射会」が実施。これはいわゆる体験版のようなもので、発売に先駆け一足先に「ナワバリバトル」が体験できました。


完成披露試射会で登場したブキは4種類のみ。「わかばシューター」「スプラシューター」「スプラローラー」「スプラチャージャー」だけの小さな環境ではありましたが、やはり注目のタイトルということでかなり盛り上がりました。今になって試射会のプレイレポートを見返すといろいろと思うところがあって面白いものです。

この時はWii U GamePadのジャイロ機能を使って操作することに慣れないプレイヤーも多く、特にスプラチャージャーは扱いにくく感じられたようです。そして“スプラローラーが最強”と言うプレイヤーもいたようで、今となっては当時の不慣れな環境が微笑ましく感じられます。

◆発売直後(2015年5月28日~6月27日)

2015年5月28日、ついに『スプラトゥーン』が発売されます。一番最初は「レギュラーマッチ(ナワバリバトル)」のみしかありませんでしたが、それでも発売直後ということもあり熱気は十分でした。

そして、ランク10に達したプレイヤー数が増え6月2日には「ガチマッチ」が解放。これにより新たなルール「ガチエリア」が遊べるようになり、強さの指数である“ウデマエ”を上げようとバトルに熱中するイカたちがどんどん増えたうえ、いろいろと新しいステージ・ブキが追加され白熱していくようになりました。

さらに6月13日~14日には、第1回目のフェスとなる「朝食はどっち派? ごはん vs パン」が開催。このころフェスのマッチングは問題が多く、ごはん派がパン派を待ち続けるという事態が発生していましたが、それでもやはりお祭り気分にのまれて楽しめました。

ところで、『スプラトゥーン』は関連SNS「Miiverse」をうまく使っているタイトルでもあります。
広場では常に誰かのイラストが掲載されていますし、それがバトルのステージに表示されることも。1年が経過した今でもさまざまなイラストが投稿されており、フェスの際には特に盛り上がりを見せます。

さて、最初期のころに人気だったブキは「プロモデラーRG」でしょう。使いやすさもさることながら、当時はナワバリバトルが中心であったため、スペシャルウェポンの「トルネード」が高く評価されていました。また、「イカニンジャ」や「安全シューズ」の効果を持つギアも人気だったと記憶しています。

■このころのアップデートについて
・2015年6月2日:ガチマッチ解禁、ステージ「ホッケ埠頭」・ブキ「N-ZAP85」追加
・2015年6月6日:ブキ「パブロ」追加
・2015年6月11日:ステージ「モズク農園」追加
・2015年6月13日:ブキ「シャープマーカー」追加
・2015年6月13日~14日:第1回フェス「朝食はどっち派? ごはん vs パン」開催
・2015年6月17:ブキ「L3リールガン」「リッター3Kカスタム」追加
・2015年6月20日:ステージ「ネギトロ炭鉱」追加
・2015年6月24日:ブキ「ノヴァブラスター」追加
・2015年6月27日:ブキ「カーボンローラー」「デュアルスイーパーカスタム」追加

◆最初の更新データ「Ver. 1.3.0」(2015年7月1日~10月17日)

2015年7月1日に更新データ「Ver. 1.3.0」が配信されました。前述のフェスに関する問題が修正されたほか、「イカニンジャ」「安全シューズ」「ステルスジャンプ」といったギアパワーも調整。スペシャルウェポンである「ダイオウイカ」のノックバックが増えるという1度目の調整を受けたのも印象深いものです。

また、7月2日にはガチマッチの新ルールである「ガチヤグラ」が追加。このルールはステージ中央にあるヤグラに乗ってより進めたほうが勝てるというものなのですが、はじめはなかなか難しかったようで、誰もヤグラに乗らないというバトルもよくありました。

そして、フェスもよりパワーアップ。7月3日には第2回「赤いきつね vs 緑のたぬき」が、7月25日には第3回「KIRIN午後の紅茶 レモンティー vs ミルクティー」といった企業コラボが実施されています。
ミルクティー色のインクはとても綺麗で印象深く、もう一度あのインクでバトルしたいものです。

ブキも続々と追加されており、存在感を放つ「.96ガロンデコ」や「3Kスコープ」が追加されたのもこのころ。使いこなす前に新しいブキが登場していたため、忙しくも楽しかったことを覚えています。

■このころのアップデートについて
・2015年7月1日:更新データ「Ver. 1.3.0」配信
・2015年7月2日:新ルール「ガチヤグラ」解禁
・2015年7月3日~4日:第2回フェス「赤いきつね vs 緑のたぬき」
・2015年7月8日:ブキ「ボールドマーカー」「.96ガロンデコ」追加
・2015年7月11日:ステージ「タチウオパーキング」追加
・2015年7月18日:ブキ「ホクサイ」「N-ZAP89」追加
・2015年7月22日:ブキ「3Kスコープ」「シャープマーカーネオ」追加
・2015年7月25日:ステージ「モンガラキャンプ場」追加
・2015年7月25日~26日:第3回フェス「KIRIN午後の紅茶 レモンティー vs ミルクティー」
・2015年8月1日:ブキ「パブロ・ヒュー」「ロングブラスター」追加

◆大型アップデート「Ver. 2.0.0」

そして、夏の大型アップデートことVer.2.0.0が2015年8月6日に配信されます。このバージョンでは、フレンドと一緒にガチマッチが遊べる「タッグマッチ」、最大8人で自由に遊べる「プライベートマッチ」などが追加されたほか、ランク・ウデマエの上限が解放、さらにはギアやBGMも追加されました。

一番大きな要素は、新たなブキ種であるスピナーとスロッシャーが登場したことでしょう。いろいろと新たなブキを予想するファンもいましたが、まさかガドリングガンとバケツが使えるようになるとは驚きでした。もちろんバトルにも影響を及ぼしており、戦いがさらに刺激的なものとなりました。

なお、8月7日には「Splatoon甲子園」開催決定が発表。ついに全国大会が開催されるということで『スプラトゥーン』はさらに盛り上がり、9月からはその地区大会がはじまりました。

個人的には、8月15日にガチマッチの新しいルール「ガチホコ」が追加されたところが印象深いです。最後の追加ルールというだけあって複雑な内容になっていますが、このガチホコのおかげでウデマエをS+99まで上げられることができたのは大きな喜びでした。


■このころのアップデートについて
・2015年8月6日:更新データ「Ver.2.0.0」配信
・2015年8月6日:ブキ「バレルスピナー」「バケットスロッシャー」追加
・2015年8月15日:新ルール「ガチホコ」解禁
・2015年8月21日:ステージ「ヒラメが丘団地」追加
・2015年8月22日~23日:第4回フェス「自分を例えるなら?キリギリス vs アリ」
・2015年8月29日:ブキ「14式竹筒銃・甲」「L3リールガンD」追加
・2015年9月2日:更新データ「Ver.2.1.0」配信
・2015年9月5日:ブキ「スプラスピナー」追加
・2015年9月12日:ブキ「H3リールガン」追加
・2015年9月12日~13日:第5回フェス「まんざいをするなら? ボケ vs ツッコミ」
・2015年9月18日:ステージ「マサバ海峡大橋」追加
・2015年9月26日:ブキ「ヒッセン」追加
・2015年10月10日~11日:第6回フェス「どっちが好き? イカ vs タコ」
・2015年10月3日:ブキ「カーボンローラーデコ」追加
・2015年10月10日:ブキ「ロングブラスターカスタム」「3Kスコープカスタム」追加
・2015年10月17日:ブキ「Rブラスターエリート」追加

◆アップデートの終わり(2015年10月21日~2016年1月23日)

Ver.2.0.0で大規模な追加要素は一段落し、ここからは細やかな調整が続きます。2015年10月21日配信のVer.2.2.0では大幅なバランス調整が実施され、環境がだいぶ変化しました。

特に影響を与えたのは、ブラスターやローラーの一撃で倒せる範囲が減り、チャージャーのダメージ最大値が減少したことでしょうか。これにより「防御力アップ」というギアパワーの価値が相対的に上昇することとなり、関連したギアをつけているプレイヤーが増えたように感じられました。

そして、2015年11月13日にはVer.2.3.0が配信。これは「Nintendo Direct」でいきなり発表されたアップデートで、新たな3つのステージ「キンメダイ美術館」「ショッツル鉱山」「アンチョビットゲームズ」が登場予定であると明らかになりました。

また、ゲーム内では新たな秋物ギアが追加されたほか、佐賀県とのコラボイベント「Sagakeen」も開催が決定。思わぬサプライズに浸透圧がアガったことを今でも思い出します。

しかし、アップデートがいつまでも続くわけではありません。2016年1月に最後のブキ「ハイドラントカスタム」と、最後のステージ「アンチョビットゲームズ」が追加され、ひとまず新要素は終了となりました。

■このころのアップデートについて
・2015年10月21日:更新データ「Ver.2.2.0」配信
・2015年10月30日:ブキ「ノヴァブラスターネオ」「H3リールガンD」追加
・2015年10月31日~11月1日:第7回フェス「世界を救うのは? 愛 vs おカネ」
・2015年11月7日:ブキ「バレルスピナーデコ」追加
・2015年11月11日:ブキ「ボールドマーカーネオ」追加
・2015年11月13日:更新データ「Ver.2.3.0」配信
・2015年11月14日:ステージ「キンメダイ美術館」追加
・2015年11月18日:ブキ「14式竹筒銃・乙」追加
・2015年11月21日:ブキ「ハイドラント」追加
・2015年11月21日~22日:第8回フェス「食べたいのはどっち? 山の幸 vs 海の幸」
・2015年11月25日:ブキ「バケットスロッシャーデコ」追加
・2015年11月28日:ブキ「スクリュースロッシャー」追加
・2015年12月4日:ステージ「マヒマヒリゾート&スパ」追加
・2015年12月12日:ブキ「スプラスピナーコラボ」追加
・2015年12月18日:更新データ「Ver.2.4.0」配信
・2015年12月19日:ブキ「ヒッセン・ヒュー」追加
・2015年12月25日:ブキ「Rブラスターエリートデコ」追加
・2015年12月26日~27日:第9回フェス「第2回 どっちが好き? 赤いきつね vs 緑のたぬき」
・2015年12月29日:ステージ「ショッツル鉱山」追加
・2016年1月1日:ブキ「ホクサイ・ヒュー」追加
・2016年1月9日:ブキ「スクリュースロッシャーネオ」追加
・2016年1月16日:ブキ「ハイドラントカスタム」追加
・2016年1月20日:更新データ「Ver.2.5.0」配信
・2016年1月22日:ステージ「アンチョビットゲームズ」追加
・2016年1月23日~24日:第10回フェス「欲しいのはどっち? カンペキなカラダ vs カンペキな頭脳」

◆喜びのアップデート継続(2016年1月30日~)

とはいえ、『スプラトゥーン』の関連イベントはまだまだ続きます。2016年1月30日にはイベント「闘会議2016」で、作中のアイドルである“シオカラーズ”の初ライブ「Splatoon シオカライブ 2016」が開催、翌日にはスプラトゥーン甲子園の決勝大会が行われました。


このライブと大会は実に盛り上がり、ファンだけでなく制作陣にもその熱狂が伝わったようです。そのおかげかはわかりませんが、2016年3月4日に実施された「Nintendo Direct」でアップデート継続が発表! 2016年夏まで要素が追加されることになったわけです

そして、2016年4月13日にはVer.2.7.0が配信開始。「プライムシューターベリー」「パーマネント・パブロ」など魅力的なブキが揃っている「ブキチセレクション Vol.1」が追加され、さらにブキのバランス調整も行われたこともあり、バトルは改めて新鮮なものへと変化していきました。

また、2016年4月29日・30日に開催された「ニコニコ超会議2016」では、ガチマッチのルールで戦う「ガチ盆マッチ」という対戦会が開かれたほか、シオカラーズのセカンドライブが実施。さらに、シオカラーズ&色違いamiiboが発売決定というサプライズも用意されていました。

■このころのアップデートについて
・2016年2月20日~21日:第11回フェス「どっちを選ぶ? ポケットモンスター赤 vs ポケットモンスター緑」
・2016年3月9日:更新データ「Ver.2.6.0」配信
・2016年3月12日~13日:第12回フェス「アナタはどっち派? ガンガンいこうぜ vs いのちだいじに」
・2016年4月13日:更新データ「Ver.2.7.0」配信
・2016年4月13日:「ブキチセレクション Vol.1」追加
・2016年4月23日~24日:第13回フェス「おにぎりの具といえば? ツナマヨネーズ vs 紅しゃけ」
・2016年5月14日~15日:第14回フェス「行くならどっち? オシャレなパーティー vs コスプレパーティー」

◆終わりに

そして、2016年5月28日に『スプラトゥーン』は発売1周年を迎えます。これからもしばらくはアップデートが続きますし、2回目となる「Splatoon甲子園 2017」の開催も決定しています。まだまだ勢いは衰えません。

私個人としてもここまで熱中できる対戦ゲームは久々だったので、この1年は思っていた以上に短く感じられました。ただし、『スプラトゥーン』に熱中しすぎてほかのゲームを進められなかったことは少し困りましたが。

本作はさまざまなこだわりが用意されている素敵な作品ですが、長く遊ばれているのはやはり細やかなアップデートがあるからこそでしょう。これまでの歩みを見ていくと、本当にいろいろなことがありました。
そしてもうしばらく、イカたちとの激しいインクの塗りあいは続きそうです。

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『スプラトゥーン』は発売中。価格はパッケージ版・DL版ともに5,700円(税別)です。

(C)2015 Nintendo
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