産後もっとケアをしておけばよかったと言われる方が多い妊娠線。洋服を着てしまえば見えないものの、やっぱりできてしまったら気になるものです。
しかも、一度できると消えないのが難点。
そもそも“妊娠線”って、いつ頃できやすく、どんな人になりやすいのか知っていますか?
今日は、その対処方法も含めてお話します。
■そもそも「妊娠線」ってどういうもの?
皮膚が引っ張られることで、「皮膚の表面に亀裂が入ったように現れる赤紫色」を帯びた線のことです。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。妊娠すると、赤ちゃんの成長にあわせてお腹が大きくなっていきますが、この時皮膚も一緒に伸びていきます。
皮膚には、以下の3つがあります。
・伸びやすい表皮
・伸びにくい真皮
・皮下組織
妊娠線は、この伸びにくい部分の一部に亀裂が入ることで起こります。痛みはない一方、かゆみを感じる方もいるようですが、いつの間にか出来ていることが多いです。
お腹周りだけでなく、脂肪が厚い膝や腰、太ももにできる方もいます。また胸も妊娠すると2カップ程度UPするので乳房に妊娠線が出る方もいます。
一度できた妊娠線は、少しずつ目立たなくなりますが、完全に消えることはなく白っぽく残ってしまいます。
■「妊娠線」ができやすい時期
妊娠線は、できる方と全くできない方もいますが、それはなぜなのでしょうか?
特にできやすいのは、体重が増え始める頃で、急激にお腹がではじめる妊娠後期が一番多いです。
■妊娠線ができやすいのはどんな人?
・もともと細身や小柄な方
皮膚面積が小さく、急激にお腹が大きくなるので妊娠線が出来やすいです。
・皮下脂肪の多い方
表皮よりも、下の組織はもともと伸縮性がなく、脂肪の厚みでより負荷がかかりやすいのです。
・双子を妊娠されている方
赤ちゃんの人数分だけお腹が大きくなるため、妊娠線が出来やすいです。
・経産婦さん
一度皮膚が伸びており、一人目よりもお腹が早く大きく膨らみやすい傾向にあります。
妊娠に対する恐怖や不安が薄れ、ある程度の知識がある分、油断から食べ過ぎや運動不足の結果、体重が増えやすいのも経産婦さんの特徴。
一人目で妊娠線ができてしまった方は、その箇所を念入りにケアをしましょう。
■「妊娠線」を予防するには?
マッサージや保湿クリームでケアをするなどが知られていますが、下記のような基本的生活習慣も重要です。
(1)適度な運動を心がける
急激な体重増加を抑えるために、体調が良ければ軽い運動をしましょう。
(2)適度な食事
バランスの良い食事は赤ちゃんの成長にとって大切なだけでなく、お母さんにも大切なこと。
脂肪をつけすぎないように食事内容を考えましょう。体重が12キロ以上になると注意が必要です。
■おなかや下腹部の「妊娠線マッサージ手順」
おなかや下腹部にできた、妊娠線のマッサージ手順は、以下の通りです。
(1)おへそを中心に渦巻きを描くようにマッサージ(時計回り、反時計回りの両方向)
(2)左右の足の付け根部分を上下になでる
足の付け根にはリンパがあるので、ここを刺激するとむくみも解消されます。
(3)下腹部から上に向かってくるくる
(4)最後に下腹部からハートを描く
尚、マッサージはお風呂上がりがオススメです。皮膚がしなやかになっているので、保湿成分の入ったクリームを塗って乾燥を防ぎましょう。
お腹が大きくなると、下腹部に手が届きにくく塗りにくいので、旦那さんに手伝ってもらうのもいいかもしれませんね。
妊娠線予防のためのケアは、コツコツとやるしかありません。
それでも、人の身体というのは予測がつかないもので、できてしまうこともあるでしょう。
しかし、妊娠線はお腹にご自身のお子さんがいたという“痕跡”でもあるわけですから、愛おしく感じてもらうと良いと思います。
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【著者略歴】
※ 野村 佳南・・・看護師、『Roppongi Walking Club』ウォーキング講師という立場からママや子どもの病気・健康維持方法、綺麗を保つ秘訣をお伝えします。プレママ世代として産前産後の身体づくりのサポートにも携わり活躍の場を広げている。