■仏像といっても、色々

日本人にとって、比較的身近な存在である「仏像」。京都・奈良・鎌倉などの古都を訪れると、実に様々な仏像を見ることができます。


しかし、ひとことで「仏像」と言っても、いくつかに分けられるってご存知でしたか?いったいどういったところが違っているのか見てみましょう!

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■仏像は4つの種類に分かれる

私たちが「仏像」と呼んでいるものは、大きく「如来」「菩薩」「明王」「天部」の4種類に分けられます。

如来像 「苦行」と呼ばれる全ての修行を終え、悟りを開いたお釈迦様をモデルにした像です。
本来「如来」とは「真理を悟った者」という意味で、仏教の成立当初は開祖であるお釈迦様(釈迦如来)のみを指していました。

お釈迦様は出家するときに一切の装飾品を捨ててしまったので、粗末な衣1枚だけを纏った姿のものがほとんどです。

「釈迦如来」の他に「阿弥陀如来」「大日如来」などがあります。

仏像といっても色々。「如来」「菩薩」「明王」「天部」大きく4...の画像はこちら >>


「鎌倉大仏」として知られる阿弥陀如来像

菩薩像 お釈迦様が出家する前の王子時代の姿や、修行中でまだ悟りを開いていないお釈迦様をモデルにした像と言われています。そのため如来と違い、きらびやかな装飾品を身に着けた姿のものが多く見られます。

「観音菩薩(観世音菩薩)」「弥勒菩薩」「地蔵菩薩」などがよく知られています。

赤いよだれかけには意味がある。道端のお地蔵さんはなぜ子供の姿をしているのか?

仏像といっても色々。「如来」「菩薩」「明王」「天部」大きく4種類に分けられる


鎌倉・明月院のお地蔵さん(地蔵菩薩)

明王像 如来からの指示で、仏教の教えに従わない者たちを(なかば強引に)救済する使者としての仏です。もっとも有名なのは、大日如来の使者、または大日如来自身が変化したともいわれる「不動明王」や、良縁成就・結婚成就の神様として知られる「愛染明王」などです。

怒り(忿怒(ふんぬ))の形相をしていて、手に剣や弓矢などの武器を持ち、手足や顔の数が多いものもよく見られます。


仏像といっても色々。「如来」「菩薩」「明王」「天部」大きく4種類に分けられる


鎌倉・成就院の不動明王像

天部像 インドの古来の神様が仏教に取り入れられた神様で、仏法や仏教徒、そして如来・菩薩・明王を守る神様のことです。そのため、ご利益が幅広く、個性豊かな神様が多いのが特徴です。

「大黒天」「弁才天」「毘沙門天」などの「七福神」の他、「四天王」「金剛力士」なども含まれます。

お堂のご本尊として単体で祀られる他、金剛力士像のようにお寺の山門の両脇を守るように安置されたり、ご本尊の周辺や仏壇の周囲などに安置されることもよくあります。

仏像といっても色々。「如来」「菩薩」「明王」「天部」大きく4種類に分けられる


鎌倉・長谷寺の大黒天

観光などでお寺の仏像を拝む機会があったら、その仏像の種類や特徴に注目してみると、より一層楽しめるかもしれませんね。

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