日本映画界において、世界に誇る国産怪獣ヒーローといえば東宝の特撮映画に登場する「ゴジラ」でしょう。ゴジラが日本の特撮怪獣映画の第1号として封切られたのは、1954(昭和29)年11月3日のこと。


日本を代表する怪獣「ゴジラ」の名前の由来は、当時の東宝社員の...の画像はこちら >>


ゴジラ(昭和29年度作品) 東宝DVD名作セレクション より

以来、ゴジラは日本ではもちろん、海外でも有名になり、シリーズは2016(平成28)年3月時点で計28本にのぼり、アメリカのハリウッドでもリメイクされ、2014年にも『GODZILA』が公開、2019年にも、その続編として『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開され、その名前はますます世界中に広がっています。

「ゴジラ」の着想は、当時東宝のプロデューサーだった田中友幸氏が、インドネシアから帰る途中に飛行機で思いついたといわれています。

氏が、眼下に広がる静かな海を眺めているうちに、ビキニ環礁で水爆実験の死の灰を浴びた日本の漁船「第五福竜丸」の悲劇を思い浮かべ、水爆実験で海底に眠っていた恐竜がよみがえるという話を思いつきました。氏は早速、作家の香山滋氏に原作を依頼し、ゴジラの制作がスタートしました。

水爆実験の影響で体重2トンの大型怪獣が復活。東京に上陸して破壊の限りを尽くす、という、昭和29(1954)年のゴジラ一作目のこのストーリーは、ゴジラの姿とともに当時の人たちに強烈な印象と衝撃を与えたことでしょう。

さて、このゴジラは大人から子どもまで幅広く愛されていますが、そもそも「ゴジラ」という名前の由来はどこから来ているのでしょうか。

ゴジラは、劇中では、「呉爾羅」と表記し、「大戸島」に伝わる伝説に由来するとされています。大戸島は第一作の「ゴジラ」(1954)で初めてゴジラが人間の前に姿を現した島です。

大戸島では「呉爾羅は普段は海底で眠っているが、一度目覚めると近海の生物を食い尽くし、やがては陸に上って人を襲うようになる」と伝わっており、不漁になると呉爾羅が原因だと考えて呉爾羅への生贄として嫁入り前の娘を筏で流していたという設定でした。

本当にありそうな伝説ですよね!「呉爾羅」から、「GODZILA」になったわけですね。

劇中での由来についてはわかりましたが、制作時に「ゴジラ」とした理由はなんでしょうか。
どうも調べてみると「音の響きがよい」という理由で当時の東宝社員のニックネームを参考にしたようです。

Wikipediaなどをみると、

佐藤一郎プロデューサーから、当時東宝演劇部にいた”「クジラ」が好物で「ゴリラ」のような容貌”をした網倉志朗(後の東宝演芸部部長)という人物のあだ名が「グジラ」だと聞きつけ、語呂の良いこのあだ名を参考にし、「ゴリラ」と「クジラ」を合わせて「ゴジラ」とした。

出典元:ゴジラ-Wikipedia

と、あります。

世界的に知られている大怪獣の名前も、もとをたどれば、制作当時のスタッフのニックネームに行きつくという意外な由来に、びっくりです!

参考:怪獣研究ブログ ゴジラ部

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