手早く作れて、一つの丼の中で料理が完成している「丼もの」は、がっつり食べたいときにはぴったり!
少し気温も下がって秋の気配が感じられる今日この頃。食欲の秋にぴったりな日本の庶民的なソウルフード「丼もの」について、意外と知られていないルーツや魅力をご紹介しましょう!
■「丼もの」の歴史は古い!
老若男女に愛される、日本的ファストフード「丼もの」。丼の中に、温かいご飯・肉や魚などのおかず・食欲をそそるタレが渾然一体となり、思わずかきこんでしまいますよね。
そんな丼ものルーツとしては諸説あります。
室町時代~戦国時代に流行した『芳飯』がルーツ
芳飯を好んだといわれる春日局(写真:.wikipedia)
丼もののルーツは、「芳飯」ではないかという説があります。
芳飯は、もともとは僧家の食べ物で、器に盛った飯に細かく切った野菜や乾物などを味付けしたものを乗せて汁をかけた食べ物です。
中国の陰陽五行説に基づき、白・黄色・赤・緑・黒の五色の具を白いご飯にのせ、澄まし汁をかけたそうです。食べやすく、彩りも良かったことから上流階級にも愛されたとか。
一説によると、春日局も好物だったそうです。
江戸時代から種類が増えて行く

昔ながらの江戸前天丼(写真:wikipedia)
江戸時代の後期になって、現代も食べられているうな丼・天丼・深川丼などが誕生。
丼にご飯と具材がのっていてタレがかかっている丼ものは、せっかちな江戸っ子にも「手早く食べられてうまい!」と評判がよかったとか。
明治初期には、牛丼・開花丼(牛肉や豚肉を卵でとじたもの)・親子丼が誕生。
大正時代にはカレー丼も登場しました。

大正時代に誕生した牛丼(写真:photo-ac)
現代では和・洋・中・エスニック……丼ものの種類は多様に

鳥とふんわり卵のハーモニー 親子丼(写真:TERUAKI.T)
現代では、和風のみならず洋・中・エスニックなどさまざまなバリエーションが広がった丼もの。
肉・海鮮・野菜など具材も豊富で、庶民的な値段のものから非常に高価なものまではば広く出揃っています。
■年齢・性別・国籍に関係なく愛される丼もの

女性ファンが多い豚キムチ丼(写真:TERUAKI.T)
数年前ネットで「女性が丼ものを食べるのが許さない」という投稿が話題になったことがありました。
投稿主は「女性らしくない」との理由だったそうですが、これに対し「女性ががっつり食べて何が悪い!」という反論が多かったとのこと。
女性も丼ものは大好きな人が多いですよね。
昔は男性が多かった丼もの屋ですが、最近はスーツに身を固めた女性がさっと入り、丼ものをささっと美味しそうに食べて颯爽と去っていく姿をよく見かけます。丼もの好きに男性も女性も関係ありません!
実際、アボカドやマグロを使ったポキ丼や納豆やオクラなどを使ったネバネバ丼などは、栄養のバランスもよく美肌効果も期待できるのでカフェのランチでもよく供されています。
老若男女に愛される丼もの。家庭でも簡単に作れて失敗がなく、時としてご飯とおかず別々に作って食べるよりも美味しかったりしますよね。
■筆者がよく作る「残ったお刺身の漬け丼」

烏賊・白身・マグロ・貝を漬けにした漬け丼(写真:TERUAKI.T)
ちなみに筆者は、残ったお刺身を漬けにしておき、翌朝熱々のご飯に乗せて漬け丼にするのが好きです。
ポイントは、生のワサビを使うこと!
贅沢なようですが、1本買えば結構持ちますしいろいろな料理に使え、美味しさや香りもがぐっと引き立ちます。
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