日本の縄文時代に類似した生活形態を持っていたのは、世界中を探しても北アメリカ北西海岸の一部先住民族のみで、縄文時代は日本独自の文化であり、日本人のルーツを探るのに必要不可欠な時代なのです。
そんな「縄文時代」は現在でもさまざまな議論が活発に交わされています。
縄文時代とは一体どんな時代だったのでしょうか?
研究者でさえまだ最終結果が出ていない、縄文時代の流れについて今回は少しゆるーくご紹介していきたいと思います。そのためには100年前後の事象のズレがあることをご承知おき下さい。
なぜなら縄文時代は今でも研究者・学者の間でも喧々諤々の論争を生んでいる時代なのですから。
■歴史上で時代が変わるということの意味
縄文土器の模様
縄文時代とは紀元前に10,000年以上も続いた時代だったことに驚きませんか?なぜなら起源前と起源後で分けたとして現時点で西暦2021年しか経過していないのです。
起源後、2,021年の間にもいろいろな時代がありました。例えば“戦のない平和な時代が長く続いた”と言われる江戸時代でさえ265年間。しかし縄文時代は約10,000年以上続いたと言われているのです。
では歴史上で時代が変わるとはどういうことでしょう。
それは『今まで無かったものが生まれた時期』だと言えます。
縄文時代の始まりは今まで無かった「土器」の誕生により始まります。この土器に縄模様がついていたので“縄文時代”と呼ばれるのです。
この“土器の誕生”がそれまでの人間の生活を大きく変えていったのです。
■縄文時代はいつから、どこで繁栄したか

縄文時代はいつから始まるのか。このことさえ紀元前1万6000年前±100年という説や、紀元前1万3000年頃という説などがあり断定することはできません。
筆者は、“最古の縄文土器として発見されたものが約紀元前1万3000年頃のもの”だということに基づいて縄文時代を紹介していきます。
縄文文化の地理的分布を明確に示すことは難しいのですが、縄文土器の分布を目安として考えると、地理的には“北は樺太南部と千島列島から南は沖縄半島”に縄文文化圏は点在しています。さらに北海道南部と北東北から多くの遺跡が発掘されています。
青森県青森市の「三内丸山遺跡」など17カ所で構成する「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)は2021年7月26日にユネスコの“世界遺産登録”として登録されました。
縄文時代は約10,000年以上続きましたが、大きく6つの時期(草創期・早期・前期・中期・晩期)に分けられます。その時期ごとに縄文時代の流れを見ていきましょう。
“縄文時代はなんと一万年以上もあった!(2)” に続きます。
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