実はこれは歴史上実在したとある職業なのですが、その仕事内容が驚きなのです!なかなか日本史の授業で習う、なんてことはなさそうですが、とても面白いので、今回の記事で詳しくご紹介したいと思います。
■屁負比丘尼(へおいびくに)とは?
屁負比丘尼(へおいびくに)は、一言で表すとすれば、「おなら」をしてしまった高貴な女性たちの“身代わり”となる女性でした。
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いつだっておならをしてしまうのは恥ずかしいものですが、身分の高い女性にとっては、一大事。二度と人前には出られないほどの大きなことでした。そんな女性たちの心強い味方となったのが、今回ご紹介する屁負比丘尼。
ふだんは身分が高い女性たちの身の回りの世話をし、いざその女性がおならをしてしまった場合には、屁負比丘尼が「私がいたしました」と申告したり、恥ずかしがったりしたそうです。自分が恥を忍んで仕える女性の立場を守った、素晴らしい役割です。
ちなみに、屁負比丘尼は「科(とが)負比丘尼」と呼ばれることもありました。
これは、彼女たちがおなら以外にもしてしまったはしたない行いを自分がしたことだと引き受けたことが理由です。
■屁負比丘尼は人気!?
屁負比丘尼は、しっかり空気を読むことができ、その場にいるだけで場が和んだりすることから、周囲から人気だったそうです。
しかし、そんな屁負比丘尼には誰でもがなれたわけではありません。もう結婚することはないから、恥をかいても大丈夫だろう、との理由から屁負比丘尼となったのは出家した尼たちでした。

また、その尼たちのなかでも、耳が遠くては役職が務まらないため、それほど高齢ではない女性が選ばれていたようです。
いかがでしたか?日本の歴史上、たくさんの職業がありますが、ここまでユニークな仕事はなかったのではないでしょうか。
庶民にとってはなんともなかった「おなら」ですが、やはり高貴な女性たちとっては死活問題だったのですね。この記事が、みなさんが少しでも歴史に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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