最近では「藤井聡太効果」や「鬼滅の刃 こどもしょうぎ」が話題となり、「将棋ブーム到来」とも言われているようです。
そこで今回は、将棋の起源や知られざる秘密のほか、豆知識についても紹介したいと思います。
■将棋の起源について
将棋がいつ誕生したかは多くの諸説があるためはっきりしていませんが、古代インドのチャトランガというゲームをモチーフに生み出されたという説が一般的です。
チャトランガが西洋や東アジアなどの各地に広がり、西洋ではチェス、朝鮮半島ではチャンギ、中国ではシャンチー、タイではマークルック、日本では将棋というように、さまざまな類似遊戯へと発展していったのではないかと言われています。
■超激レア世界最古の駒「醉象」とは
1993年、奈良県にある興福寺境内から世界最古の駒が発見されました。発見された駒の中には、「醉象(すいぞう)」とよばれる、現代にはない駒があったそうです。
醉象は真後ろに進めませんが、それ以外は「玉」と同じ動きができ、成ることで「太子」となって玉が討たれても玉の代わりとして対局を続行できました。
また、醉象と同時に、天喜6年(西暦1058年)と書かれた木簡(もっかん)と呼ばれる木の板も発見されたことから、これらの駒は平安時代のものではないかと考えられています。
■王将と玉将の秘密

将棋とは、上位者が「王」を使用し下位者が「玉」を使用して行うゲームです。しかし、1993年興福寺境内で発見された駒からは「王」が見つかりませんでした。
というのも、世界最初の王将が誕生したのは、北朝と南朝という2人の天皇がいた「南北朝時代」のことだったからです。
当時は「天に二君なし」と言い、「世に2人以上の王がいるべきではない」と言う考え方が一般的であり、北朝と南朝2人の天皇は「真の王の座」をかけて争っていました。
そうした時代背景が将棋にも影響し、「王将」と「玉将」といった2つの王を作ることで差別化を図ったと言います。
■将棋の駒の種類や枚数
現在、一般的に流用されている将棋は「本将棋」と呼ばれるもので、盤は縦9 × 横9マスで、駒は「玉(王)」「金」「銀」「桂」「歩」「飛」「角」「香」の8種類、双方合わせて40枚です。
「飛」が成った「龍」は「本将棋」で最強と言われており、タイトル戦である竜王戦の名前の由来にもなっています。
また、中には「大局将棋」と呼ばれる超大型将棋の将棋が存在しており、盤は縦36 × 横36マス、駒の数は双方合わせて、209種類804枚にもなります。
平安時代から愛されている将棋は、時代によって変化しながら親しまれてきました。
藤井聡太氏の対局を観覧したり、「鬼滅の刃 こどもしょうぎ」を家族や友人と楽しんだりしながら、ぜひ将棋の歴史にも目を向けてみてください。
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