長生きの秘訣は多趣味？享年なんと97歳、戦国の最長寿武将・北条幻庵、趣味人として生きる
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戦国時代、最も長生きした戦国武将として知られている北条幻庵。彼の享年は、なんと97歳！

「人間50年」と謡い、本能寺で果てた信長と比べても、同じ戦国時代を生きた武将としては驚くほどの長生きとしかいわざるを得ません。
その長寿の秘訣は何だったのでしょうか。

彼の生い立ちを辿ることで、そのヒントがわかるかもしれません。

北条早雲の三男として生まれた幻庵は幼名を菊寿丸といい、幼くして僧籍に入りました。のちに箱根権現社別当となり、早雲から箱根や久野などの広大な所領を相続。甥である玉縄城主・北条為昌（ほうじょうためまさ）亡き後は、為昌の配下にあった三浦衆と小机衆も統率しました。

久野に屋敷を構え、以後、北条氏5代にわたって一族内でもで大きな影響力を持ちます。

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祐泉寺蔵北条幻庵の肖像画　書籍を携えている姿に文化人としての威厳を感じさせる（wikipediaより）

幻庵は戦国武将として武術に精通していただけではなく、多彩な学問、和歌や茶道、鞍作りや造園などにも通じた文化人でした。

彼の文化人としての素養が培われたのは、父・早雲によるところが大きいと考えられています。言い伝えによると、早雲は常日頃から、「これからの時代、武家は学問が大事だ」といっていたといいます。

幻庵が若かったとき、早雲はすでに60歳を過ぎており、武家社会の何たるかを早雲なりに悟っていた時期に重なっていたのかもしれません。

幻庵はそんな父の様子を見て、教えをしっかりと受け継いでいたようです。それに、幼少期から箱根や京都で僧侶としての修行も積んでいたため、規則正しい生活習慣も身につけていました。


これらのことから、幻庵は肉体的に健康であったことはもちろん、日頃から多くの教養を身につけていたことがわかります。このような文化人として、様々なことを積極的に学ぼうという姿勢が、晩年になってからの精神の安定と健康をもたらし、認知症などを防いで長寿に繋がっていったのではないかと考えられています。

現在、神奈川県箱根町の箱根湯本駅近くの早雲寺に、幻庵が手がけたとされる造園があります。老いてもなお精力的に活動した北条幻庵。長寿の秘訣は、老後の趣味にあるのかもしれません。

参考: 黒田基樹 2007『北条早雲とその一族』新人物往来社

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