歴史好きの方、平安時代がお好きな方でなければあまり彼女の名前は聞いたことがないかもしれません。しかし、公私ともに夫・藤原道長(ふじわらのみちなが)をサポートした人物だったのです。
黒木華が演じる「源倫子」©NHK
■生まれは天皇の血筋
源倫子は、康保元年(964年)に左大臣・源雅信(宇田源氏)と藤原穆子(ふじわらのぼくし・あつこ)のあいだに生まれます。父の土御門邸で出生。
宇多天皇の曾孫にあたる存在だったため、彼女の父は彼女を天皇か皇太子の后妃にしようと考えていました。しかし、花山天皇は退位してしまい、その次の一条天皇も年齢が不釣り合いという理由から、結婚には至りませんでした。
■藤原道長との結婚
母・藤原穆子のすすめにより、源倫子は24歳のときに藤原道長と結婚します。道長は当時22歳であり、朝廷内での地位も下の方でした。
2人の夫婦仲は良かったと言われており、6人の子どもに恵まれます。そのうち、長女の彰子は一条天皇の中宮(正式な妻)となります。また、男子2人はどちらも摂政・関白になっています。
まさに、源倫子との結婚は、藤原氏の栄華に寄与することになったのです。
■婚姻は緊張関係の緩和にもつながる
源倫子と藤原道長の婚姻関係は、政治的なライバルであったお互いの父たちの緊張関係の緩和にもつながりました。土御門邸などの源雅信の財産を受け継いだ道長は、しっかりとした財政基盤を築いていきます。
■穏やかな妻として夫を支え、90歳まで生きる
源倫子は、穏やかな性格だったと考えられています。『栄花物語』には、道長が他に妻をもうけた際の倫子の様子について
「つらいお気持ちながらも、とても気性の穏やかな方なので、おっとりとなさっている」
と書かれています。また、紫式部の日記にも、源倫子のおちゃめな様子が書かれています。
また、彼女は当時としてはめずらしく、90歳まで生きています。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
トップ画像(左):NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより
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