市松(いちまつ)
意味:子孫繁栄、事業拡大
アニメ『鬼滅の刃』で、主人公・竈門炭治郎が着用している羽織として知っている方は多いと思います。
チェック柄と同じ模様で元々は「石畳」と呼ばれていましたが、歌舞伎俳優・佐野川市松がこの模様の袴を愛用していたことで、その役者の名前を取って「市松模様」と呼ばれるようになりました。
この模様は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムにも採用されていますね。
市松模様はフランス語でダミエというのですが…..
それについてはまた後ほど…..
麻の葉(あさのは)

意味:魔除け、子供の成長と健康
こちらもアニメ『鬼滅の刃』で炭治郎の妹・竈門禰豆子の羽織の柄として知られていますね。
正六角形が続く麻の葉の形に似せた模様で、古くから植物の麻は神聖なものとして神事に用いられていました。麻は4ヵ月で4mになるほど真っ直ぐにグングン成長していくので、 昔は子供の寿命が短かったことから魔除けの意味をこめ、生まれてきた赤ちゃんには麻の葉柄の服を着せる風習がありました。
アニメでは市松模様、麻の葉模様の他に、我妻善逸の「鱗文(うろこもん)」冨岡義勇の「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」など、そのキャラクターにあった模様の意味が込められているのではないでしょうか??
■世界的有名ハイブランドと日本の伝統文様
七宝(しっぽう)

皆さん小学生の時にコンパスの練習でこんな柄書きませんでしたか??
あの世界的に有名なハイブランド『ルイ・ヴィトン』のデザインにも似ているような….
実は1867年にパリ万国博覧会で日本の文化が世界に広まり、特にフランスでは日本ブームが起こりました。ルイヴィトンはその影響を大きく受けたと言われています。
ルイヴィトンのデザインは2種類ありますよね!
1つ目はモノグラム柄。
モノグラム自体は日本の着物柄の小紋を題材にしているようで、丸の中に星がデザインされたマークは、薩摩藩・島津家の家紋からとったものだそうです。
2つ目は先程少しご紹介したダミエ柄です。ダミエ柄は市松模様を再現していると言われているんですよ。
■若者に流行中の大正ロマンと伝統文様
矢絣(やがすり)

1970年代後半に大流行した少女漫画『はいからさんが通る』の主人公・花村紅緒が着用していたことをきっかけに、矢絣の着物に海老茶色の袴、黒のブーツは卒業式の定番スタイルでした。
ハイカラ=ハイカラー(high collar)=高い襟
明治時代後半から日本でも西洋文化が流行し始め、当時欧米ではワイシャツの襟が高くそれが流行のシャツの着こなしでした。そこから衣服や食など、西洋文化を取り入れた生活を送る人々のことをハイカラと呼んだそうです。当時はあまり良い意味ではありませんでしたが、現代では流行に敏感な人、おしゃれな人の意味合いがあり、大正ロマン、レトロなアンティーク調の着物コーデなど人気となっていますね。
時代は遡り、江戸時代で矢絣は、大奥の女中が身につけていたことで大変憧れられていました。矢を射ると真っすぐ前へしか飛ばず戻ってくることがない為、結婚の際、出戻りせずに幸せに過ごしてほしい。という願いを込めて、矢絣の着物を花嫁に持たせる
こともあったようです。
■シルクロードを経て日本に伝わった伝統文様
唐草(からくさ)

泥棒….
そんなイメージがついてしまった理由は、明治から昭和にかけて大判風呂敷といえば唐草模様というほど、どの家庭にも必ず1枚はある人気商品だったからです。泥棒はまず盗む家から唐草の風呂敷を見つけ、そこに荷物を入れて運び出していたそうです。みんなが持っていれば外に出ても怪しまれませんよね。
模様は生命力の強いつるが絡み合いながら四方へ伸びていく柄で、唐草の発祥はメソポタミアやエジプトから各地に伝わったと考えられています。
青海波(せいがいは)

意味:未来永劫・平穏
青海波の発祥は古代ペルシャで、広い海がもたらす恩恵を感じさせる穏やかな波がどこまでも続いている様子を描いています。
スマホの左上見てみてください!!
似たようなWi-Fiのアイコンがありませんか?
Wi-Fiは世界共通ですが、果たしてこれはどんな意味が込められているのか気になりますね。
最後に
今回ご紹介した6つの柄は、吉祥文様(きっしょうもんよう)といって繁栄や長寿を表し縁起が良いとされています。吉祥文様まだまだありますが、着物や帯、工芸品、建築、お祝いの品、日用品などいたるところに描かれているので、普段の生活でもぜひ発見してみてください♪
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