ライター兼ユーチューバーとして活躍するホラー作家の「雨穴」氏。雨穴氏の動画チャンネルで公開された不動産ミステリー「変な家」は、秀逸な伏線回収と怖すぎない微ホラー要素が満載で、多くのファンを獲得しています。


そんな雨穴氏のブームにあやかり、本記事では「日本の変わった城」2か所と、そこに隠された秘密を紹介します。

■星形に隠された謎!五稜郭

五稜郭は、江戸時代末期に江戸幕府が現在の北海道函館郊外に建築した星形要塞の城郭で、上空や高所から見下ろした際に見える特徴的な星形が名前の由来です。

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五稜郭(Wikipediaより)

星形要塞の発祥は西洋のイタリアで、15~16世紀といわれています。当時のイタリアで主力を担っていた「大砲(火砲)」の威力は凄まじく、従来の垂直城壁では防壁が簡単に突破されてしまう問題に悩まされていました。

そこで誕生したのが、迎撃の死角をなくし、分厚い壁で防御力を高めた「星形要塞」だったのです。

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星形要塞が日本に初導入されたのは、鎖国と開国に揺れる幕末頃。鎖国政策の終焉が近づくなか、箱根奉行所の蘭学者・武田斐三郎(たけだ あやさぶろう)は外国からの攻撃に警鐘を鳴らしていました。

そのようななか、彼は函館に寄港していたフランス軍艦の乗組員から「西洋の城塞都市」を学び、現在の五稜郭を設計・建築したのです。

五稜郭は敵国の攻撃や侵攻を監視することに徹底した設計で、星形要塞の中でもっとも死角を作らない「稜堡式城郭」を導入しました。



■鬼の居城!鬼ノ城

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変わった城といえば、岡山県総社市の鬼城山に位置する「鬼ノ城」も有名です。

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盗賊の砦を連想させるかのような外観をしています。その成り立ちについて定かではありませんが、663年に朝鮮半島で起きた「白村江の戦い」で敗れた大和朝廷が、敵国の唐・新羅連合軍の侵攻を恐れて建築した12城やソレに準ずる防衛拠点のひとつだとする説が有力です。


現在の岡山県には、鬼ノ城に悪逆三昧の鬼が棲みついて周辺の村を困らせたという「温羅(うら)伝説」が存在。鬼の正体については「百済(くだら)の王子」という説があり、かつて日本と同盟を組んでいた百済は「白村江の戦い」に敗れ、日本軍といっしょに渡来してきたと考えられているのです。

温羅伝説によると悪逆三昧の鬼は、天皇に命じられた吉備津彦命によって退治されています。現代に伝わる童話「桃太郎」の原型になったともいわれているのが、この温羅伝説です。

今回紹介した「変な城」はどちらも、「防衛拠点」という役目があったのではないかと考えられており、戦いが身近であった背景を窺い知ることができます。

建物の間取りや形には、「何らかの意図」があることが多いのかもしれませんね。

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