江戸時代の吉原で最高級の遊女「花魁」になれる禿(かむろ)の条件とは?
寝床に茶を運んだら、遊女と客が行為真っ最中…なんてこともしょっちゅう。

とはいえ、やはり年齢的には子どもなので、遅い時間になると眠くなってきて居眠りしてしまうことも。花魁が間夫と浮気していたら見世の者に告げ口するのも、禿の大事な仕事の一つでした。そして手習いをしながら、読み書きも覚えます。
15歳前後で新造に
いよいよ15歳前後で新造になり、客を取るようになります。禿が新造になるときは、お披露目の行事「新造出し」があります。この行事の詳細は、姉女郎(花魁)と楼主によって決められます。
約10日前におはぐろでつけ初めし、赤飯などをお世話になっている茶屋や船宿に贈るのが習慣でした。このときにかかる費用は、姉女郎がすべて負担しなければいけません。そして姉女郎は、そのお金を客に出してもらっていたようで…。
お披露目イベント「突出し」
新造が初めて客を取るお披露目イベントは、突出しとも呼ばれました。
道中の突出しは、最上級の呼び出しまたは昼三になる新造が対象で、7日間決められた衣装で美しく着飾り5丁目を廻ったので、たいそう華やかだったことでしょう。
一方、見世張突出しは質素で、呼び出し・昼三になれない新造、つまり袖留新造のお披露目イベントでした。

男性客との初めての床入り前の儀式「水揚げ」
この突き出しの前にやらないといけない儀式が水揚げです。初体験で怖い思いをすることがにないよう、水揚げははたいてい初老の男に依頼し、初めて男性と肌を合わせました。
なんせ遊女は商品なので、陰部にけがすることがあっては大変です。そんなこともあり、女の扱いに慣れていて、おそらく水揚げを何度も依頼されているベテランが頼りになるのでしょう。
妓楼によっては、その妓楼専属の水揚げの男もいたようです。楼主が水揚げをすることはありませんでした。
禿から新造になっても、まだまだ先は長い人生。遊女としての人生勉強は、始まったばかりなのです。
参考文献:江戸吉原図聚、吉原と江戸風俗
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