同じ用途なのに、様々な呼び名があるものってありますよね。ファスナー、ジッパー、チャックがまさにそれではないでしょうか。
洋服には欠かせないファスナーは、1891年にアメリカで誕生。ホイットコム・ジャドソンという発明家が、靴ヒモを結ぶ不便さを解決しようと考えたものが起源とされています。
英語ではファスナーは「しっかり留めるもの」を意味するため、マジックテープも「ファスナー」と呼ばれるのでご注意を。
ジッパーは、グッドリッチ・コーポレーション という、米の航空宇宙製造会社が、1921年にファスナーを取り入れたブーツを販売するときに、「ジッパー」と命名。しめる時の擬音の「Zip」が由来といいます。アメリカではその呼び名が浸透しました。
チャックは、1927年に日本の尾道である会社がファスナーを販売するにあたり、なじみのない英語ではなく、日本に昔からある「巾着」をもじって「チャック印のファスナー」として販売したところ評判になり、「チャック」という名前が定着しました。
すべてはファスナーが元なのですね。
■アベックって日本語?
現在は死語となっていますが、かつて1960年代頃まで日本で使われていた言葉で、登場したのは1920年代だそう。
要するにカップルと同じ意味なのですが、これはフランス語の(~と一緒に)という言葉が由来となっており、日本では主に恋人や一組の男女のことを指しますので、和製外来語です。
でも日本のプロ野球ではまだ「アベックホームラン」などと形容しますね。
■なぜ刑事を「デカ」という?
これも外来語由来かな?と思ったらそうではありませんでした。
明治時代の刑事が着ていた「角袖」(かくそで)という和服の、「角袖」(かくそで)の最初と最後の2文字(カデ)を更にひっくり返して「デカ」という言葉ができたそうです。しかし、どこからどのように広がったのか、はっきりしたことは分かっていません。
種からもじってお笑いの「ねた」、「しろうと(素人)」をもじって「とうしろう」というように、日本人は逆さ語を隠語として好むので不思議ではありません。デカも隠語でしょうから、煙たがられていたのかもしれませんね。
マッポは?以前筆者がこちらにも書きましたが、これは薩摩藩士のことです。
警官をマッポと呼ぶのは薩摩藩と関係があった!?そして近代警察の父も薩摩藩士

明治期に東京に巡査を3000人置くことになったのですが、薩摩藩士は3人に2人の割合と非常に多かったことから、民衆が警官に対して「さつまっぽう」と呼ぶようになり、これが略されていって「まっぽ」になりました。
■ズボンの語源

由来は諸説あり、フランス語で「ペチコート」を意味する「jupon(ジュポン)」から来ている説、ズボンを穿くときの擬音からそう呼ぶようになったという説があります。
ちなみに日本での当て字は洋袴なので、日本に初めてズボンが入ってきたときはまだ袴を履いている人が多かった時代であるといえますね。明治期に導入された軍服が、多くの日本人がズボン(パンツ)を履いた最初のきっかけかもしれません。
筆者としてはずぼっと足を入れるから、ずぼんかも?と思ったりもします。
参考:コトバンク、大辞林など
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan