日本文学界を代表する作家「芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)」。国語の教科書にも掲載される有名短編を多く残した芥川は、その容姿から硬派なイメージをもたれることも多い。
しかし、その実は繊細で惚れっぽい一面があったという。





今回は、文豪・芥川龍之介が関係を持った5人の女性とのエピソードをご紹介する。





1人目・吉村千代





1913年に東京帝国大学英文学科へ進学した芥川。吉村千代はその頃に生家の女中を努めていた女性であり、千代に恋心を抱いた芥川は恋文をしたため思いを伝えた。





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学生時代の「芥川龍之介」左から3人目(Wikipediaより)



千代の返事は定かでないが、身分の違いもあり成就せず。芥川もそのことは事前に承知していたようで、恋文は好意こそ寄せているものの、千代の生活を案じる内容に終始している。











2人目・吉田弥生





1914年。大学在学中の芥川は、吉田弥生という女性に惹かれる。弥生は芥川の父親の実家である新原家の近所に住んでおり、芥川とは幼なじみであった。弥生は青山女学院英文科を卒業した才女であり、芥川とは親しかった。





2人の関係は長らく進展をみなかったようだが、弥生に縁談が舞い込んだことで事態が急変する。芥川は弥生との結婚を決意し、プロポーズを画策するが芥川家から猛反対をうけてしまう。






父方の実家・新原家と母方の実家・芥川家は折り合いが悪く、(芥川の父親・敏三が、妻であるフクの妹フユと関係を持ったため)弥生が新原家と親しい吉田家の娘であったことで、印象が悪かったなどの理由が考えられる。





本格的な創作活動へ





芥川は失恋の胸中を友人に当てた手紙の中で、「夜通し泣いた」と綴っている。失恋の翌年に発表した短編「羅生門」は、この時の失恋経験がきっかけとなって生まれたともいわれる。





実は繊細で意外と惚れっぽい?文豪・芥川龍之介が愛した5人の女性とのエピソード【前編】




恋愛こそ成就しなかったものの、在学最後の年には短編「鼻」が夏目漱石に絶賛されるなど、執筆活動においては順調であり、その後の作家活動の足掛かりとなる年となった。





次回の【後編】に続きます。





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実は繊細で意外と惚れっぽい?文豪・芥川龍之介が愛した5人の女性とのエピソード【後編】
実は繊細で意外と惚れっぽい?文豪・芥川龍之介が愛した5人の女性とのエピソード【前編】




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