平安時代の王朝絵巻を描く本作品では、男女の恋愛模様も多く表演されてきました。
今回はカタブツだけど意外と女性関係の華やか?な藤原実資(秋山竜次)の妻と、その子供たちを紹介。
大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより
物語が終盤に差しかかっている中、誰が登場するでしょうか。
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■一人目の妻・源惟正女(桐子)

桐子(イメージ)
読み:みなもとの これまさの娘
実名:不詳\/役名:桐子(中島亜梨沙)
生年不詳~寛和2年(986年)5月8日没
「文句があるなら私に愚痴らないで、日記に書きなさいな。ほら、日記、日記!」
「下らなすぎて、そんなこと日記にかけるか!」
劇中では実資の日記キャラを視聴者に印象づけた桐子。短い出演期間でしたが、もっと早くから見たかったですね。
彼女と実資の間には一人娘が生まれるものの、ほどなくして彼女は世を去ってしまいます。
実資は一人娘を溺愛しましたが、幼い内に亡くなってしまいました。
■二人目の妻・婉子女王

婉子女王(イメージ)
読み:えんし/つやこじょおう
実名:同じ/役名:同じ(真凛)
天禄3年(972年)生~長徳4年(998年)9月17日崩御
桐子と入れ替わるように登場した婉子女王は、もと花山天皇(本郷奏多)の女御でした。
最初は寵愛を受けられませんでしたが、やがて花山天皇が本命を喪うと声がかかります。
しかし病気を理由にお召しを辞退。やがて花山天皇が出家すると、実資と再婚したのでした。実資との間に子供はいません。
■三人目の妻・官女某

謎多き女性(イメージ)
読み:かんじょなにがし
実名:不詳/役名:未登場
生没年不詳
官女(官職にあった女性)であったことを除き、詳しいことは分かっていません。
永観元年(983年)に良円(りょうえん)が生まれたものの、母親の身分が低いため出家させました。
この良円は権少僧都(ごんのしょうそうず)まで昇進し、永承5年(1050年)まで生きています。
■四人目の妻・源頼定乳姉妹

「かぐや姫」こと藤原千古(イメージ)
読み:みなもとの よりさだの めのとご
実名:不詳/役名:百乃(千野裕子)
貞元2年(977年)生~没年不詳
乳姉妹とは要するに乳母の娘。源頼定と血縁的なつながりはありません。
彼女は寛弘8年(1011年)ごろに藤原千古(ちふる/かずこ)を生み、母娘とも実資から寵愛を受けたものと思われます。
実資から「かぐや姫」と呼ばれ、きっと入内させようと大切に育てられた千古。
しかし道長の妨害によって実現できず、結局は藤原兼頼(かねより。道長の庶子・藤原頼宗の子)と結婚しました。実資は千古かわいさの余り、財産のほとんどを彼女に譲ります。
それが仇となって彼女の死後、兼頼と道長一族に持って行かれてしまいました。
経済的基盤を失った実資の一族は次第に没落していきます。
■生母不詳の子女たち
実資には他の子供がいましたが、それぞれ母親について詳しいことはわかっていません。
- 観薬(かんやく):僧侶。生没年不詳、母親の身分が低いため、出家したものと思われます。
- 女子:生年不詳~永祚2年(990年)没。幼くして亡くなる。
- 藤原経任(つねとう):生没年不詳。『尊卑分脈』では実資の子となっていますが、藤原懐平(かねひら)の子に同姓同名の者がいました。
その経任は藤原斉信(ただのぶ)の養子となっており、実資とも交流があったことから、間違って記入された可能性も考えられます。

実資の養子たち(イメージ)
実資はどういう訳か、養子もたくさん迎えていました。単に血筋のよい跡取りが欲しいだけなら、せいぜい一人でよさそうですが……。
- 藤原資平(すけひら):藤原懐平の子
- 藤原資高(すけたか):同じく
- 藤原資頼(すけより):同じく
- 藤原経季(つねすえ):藤原経通(つねみち)の子
もしかしたら、実資の意思ではなく懐平に押しつけられたのかも知れませんね。
■藤原実資の妻子たち・一覧表

実資と資平(イメージ)
☆源惟正女
→女子
☆婉子女王
☆官女某
→良円
☆源頼定乳姉妹(役名:百乃)
→藤原千古
☆生母不詳
→観薬
→女子
→藤原経任?
☆養子
→藤原資平
→藤原資高
→藤原資頼
→藤原経季
カウントすると、藤原実資には確認できる限りで4人以上の妻妾がいて、5人以上の子供がいたことになります。
さらに養子が4人もいて、さぞや家庭は賑やかだったことでしょうね。
■終わりに
今回は平安時代きってのカタブツ?藤原実資の意外と華やかな女性関係と妻子について紹介してきました。
あまり幸せじゃなさそうな女性が多いですが、幸せな夫婦関係も描いて欲しいですね。
果たしてこれから誰か大河ドラマに登場するのか、最終回まで楽しみに見守りましょう。
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