日本では昔から言い伝えや説話に登場する百鬼夜行ですが、江戸時代を中心に様々な絵師が百鬼夜行を題材とした浮世絵や絵巻物を製作しました。
絵師それぞれのテイストの百鬼夜行が描かれましたが基本的にはユーモラスで楽しげな雰囲気があり、現代の漫画にも通じるところがあります。こんな行進なら一度は見てみたい気も。
今回はいろんな絵師が描いた百鬼夜行をまとめてご紹介します。出典元では百鬼夜行絵巻の全体を閲覧可能になっています。ぜひユーモラスな妖怪の行列を鑑賞してみてください。
■河鍋暁斎
[画像を拡大]河鍋暁斎による肉筆画。百鬼夜行絵巻に登場している妖怪たちを描いています。黄色い着物は妖怪「お歯黒」。
出典:Hyakki Yako - 百鬼夜行 - Wikipedia
■『百鬼夜行絵巻』真珠庵本(部分)

百鬼夜行絵巻の代表的な作品です。ちょっとおどろおどろしいですね。
出典:Hyakki-Yagyo-Emaki Tsukumogami 1 - 百鬼夜行 - Wikipedia
■西尾市岩瀬文庫コレクション(部分)

画材から西洋絵の具が入ってきた近代以降のものと思われますが、作者不詳。西尾市岩瀬文庫所蔵。
出典:百鬼夜行之図 ひゃっきやぎょうのず|西尾市岩瀬文庫
■暁斎百鬼画談(部分)

出典元では全体を閲覧できます。
出典:国際日本文化研究センター 絵巻物データベース
■吉光 百鬼ノ図(部分)

出典:国際日本文化研究センター 絵巻物データベース
■百鬼夜行絵巻 前半

毛むくじゃらの大きな黒布妖怪が風をおこしています。右側からは青い龍顔妖怪と黒っぽい匙妖怪が黒塗の妖怪を追いかけています。
出典:怪異・妖怪絵姿データベース
■百鬼夜行絵巻 後半

出典:怪異・妖怪絵姿データベース
■「百鬼夜行・相馬内裏」

絵師:落合(歌川)芳幾
明治26(1893)年の作品。「相馬内裏」とは平将門が下総国相馬に建てた屋敷のこと。文化3年(1806)に出版された『善知烏安方忠義伝』(うとうやすかたちゅうぎでん)載る話を題材にしています。
出典:坂東市観光協会【茨城県】 - 3.「百鬼夜行・相馬内裏」
■「百鬼夜行絵巻」道治模写 上柳家蔵

百鬼夜行絵巻は大徳寺真珠庵所蔵の「真珠庵本」がオリジナルではないかと言われています。作者は土佐光信と伝えられており、土佐派の絵師たちによって繰り返し模写されてきました。
この百鬼夜行絵巻も模写された作品の一つ。絵巻の全体はこちらから。
出典:京都一条 妖怪ストリート
■百鬼夜行絵巻 (松井文庫)

こちらは他の百鬼夜行巻のように行列を作っておらず、妖怪1つずつに名前をつけて紹介しており、妖怪百科のように制作されています。
出典:百鬼夜行絵巻 (松井文庫) - Wikipedia
■画本西遊記百鬼夜行ノ圖

外国船がしきりに周辺海域に出没していたという当時の世相が反映されています。
出典:風俗図会データベース
■「百鬼夜行図屏風」 河鍋暁斎

出典:河鍋暁斎 本画 Ⅱ Kyosai02
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