私たちが着物を着るときに欠かせない帯。着物の帯には、「袋帯」「丸帯」「名古屋帯」など、長さや形、用途によってさまざまな種類があります。
数ある帯のひとつ、「半幅帯」は普段着の着物を着るときに活用できるカジュアルな帯です。
半幅帯は「浴衣を着た時に締める帯」というイメージをお持ちの方が多いかも知れません。しかし、結び方の多彩なアレンジが楽しめるだけでなく、リバーシブル仕立てになっているものも多いため、「公式なお呼ばれの場だけでなく、普段も着物を気軽に楽しみたい!」という方には、ピッタリな帯なのです。
■半幅帯ってどんなもの?

※筆者私物
半幅帯は、一般的な幅の帯を半分に折って仕立てることから、その名前がつきました。「細帯」と呼ばれることもありますし、和裁に使う鯨尺という単位で幅が4寸であることから「四寸帯」と呼ばれることもあります。
半幅帯は略式の帯のため、合わせる着物は浴衣をはじめ、小紋・紬・絣などの普段着です。公式な場ではあまり使われることはないのですが、羽織や打掛け、卒業式の袴などを見栄え良く着るために、見えない部分に結ぶことはあります。
長さは3m65cm程度が一般的ですが、最近ではカジュアル着物ブームで帯のアレンジが多彩になってきていることに伴って、若干長くなってきているようです。
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■結び方あれこれ
半幅帯には、色々な結び方があります。
よく知られているのは「文庫結び」「貝の口」「吉弥結び」など、帯を身体の前側で結んでから後ろ側へ回す結び方です。

これらの結び方はボリュームがあまり出ないため、電車など乗り物でのお出かけで、後ろに寄りかかって座っても安心です。また、簡易的に使えるように工夫された半幅帯は、帯締めや帯揚げなどの着付け小物を使わずに締められます。
いかがでしたでしょうか?半幅帯は、最近では様々な柄や素材のものが、数千円程度から入手できるようになっています。お気に入りを見付けて、普段着物のオシャレをもっと楽しみたいですね。
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