そんな厳しい「餓鬼道」の世界を描いたのが、今回紹介する「餓鬼草紙(がきぞうし)」です。
餓鬼草紙は平安時代に描かれた絵巻物で、餓鬼道に住む餓鬼たちの救済に関する話をまとめたもの。平安時代末期、動乱の世からくる不安から仏教の六道思想に関心が集まり、それを背景に描かれた作品です。
餓鬼道に住む餓鬼にも種類があり、絵巻の中では様々なタイプの餓鬼が紹介されています。

貴族たちの宴に群がる餓鬼。人の残したものなどを食べられる「多財餓鬼」です。
道端で排便をする人々に群がり便を食そうとする餓鬼。これらの餓鬼は「食糞餓鬼」。

髑髏と化した人々の骨を食す餓鬼。

口から火を吐き続ける「焔口餓鬼」
このように、餓鬼の世界観を表現したかなりショッキングな描写が多く見られます。以前紹介した六道のうちの「地獄道」の世界を描いた地獄絵巻とは大違い。
ゆるゆるすぎるwww 明治時代に描かれた「地獄絵巻」のキュートすぎる世界観
現存する餓鬼草紙は東京国立博物館と京都国立博物館が所蔵しており、ともに国宝に指定されています。






餓鬼草紙は国立国会図書館デジタルコレクションでも高画質で閲覧することができますので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
餓鬼草紙(がきぞうし)餓鬼草紙
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