警察庁によれば、2016年度の万引き認知件数は117,333件。万引きイコール未成年の犯罪と考えられていたのは昔の話。最近では、高齢者の検挙数が急増しているそうです。
さて、この「万引き」という言葉ですが、江戸時代から使われていたようです。
幕末から明治にかけて活躍した歌舞伎狂言作者・河竹黙阿弥の「白波五人男」に、「いや、文金高島田のお嬢さんが万引きしようとは気がつかねえ」というセリフが出てきます。
「万引き」という言葉が出てくくる「白波五人男」
さて、この「万引き」の語源ですが、「間引き(まびき)」に撥音「ん」が入った言葉であるという説が有力とされています。
間引きとは、不良のものを除いたり間隔を保ったりするために密生している農作物を適当に抜き取ること。あるいは、口べらしのために生まれたばかりの子を殺すことをいいます。
商品を間引いて盗む・・・つまり陳列してある多数の商品の中から少数の商品を盗み出すことからついたというわけです。
意味ありげな「万」には何の意味もなく、ただの当て字なのだとか。「間」に「万」が当てられたのは、おおげさというか、誇大表現というか、シャレのようなものではないでしょうか。
その他にも「間」に「運」の意味もあるため、「間」と「運」が結合され、運を狙って引き抜くという意味で「まんびき」になったとする説や、万引きはタイミングを見計らい盗むことから、タイミングの「間」からといった説もあります。
近年では、国際的な窃盗集団など組織ぐるみの万引きも増加しつつありますが、小売店にとって万引きは切実な悩みの種です。
近年では、こうした異常と思われる行動を検知して犯罪を未然に防ぐ次世代画像解析技術の研究が進められています。

次世代画像解析技術が「万引き」を未然に防止!?
この技術が完成すれば、商業施設など不特定多数の人たちが訪れる中で、「犯罪を起こしそうな人」を事前にマークすることが可能になるそうです。犯罪を起こしそうな人を事前に予知できる時代は、もうすぐかもしれませんね。
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