日本で暮らしていて、住宅の瓦の色を気にしたことはありますか?「そんなの、黒に決まってるでしょ」と思うかもしれません。

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しかし、全国津々浦々を見渡してみると赤い(というより赤茶色)の瓦が集中する地域もあることに気づきます。
あなたの地域はどちらでしょうか?

■日本海側に多い赤瓦

あなたの住む地域の瓦は何色?地域によって”赤い瓦”が主流の場所があるんです。でも何故?


一般的な瓦の色といえば黒(グレー)です。古くからある寺社仏閣も黒がほとんどですよね。でも、住宅を見ると、日本海側の地域には赤い瓦の家が多いことがわかります。

これはなぜなのかというと、地域の気候が関係しているといわれています。とくに赤瓦で有名な石川県の加賀や山陰地方の島根県は、日本海に面していて冬はとても寒くて積雪が多い地域です。

赤瓦は通常の瓦に比べて高温で焼かれていて、耐久性が強いのです。そのため、積雪にも耐え、凍結にも強い瓦として日本海側の地域でよく使われているそう。

■石見地方の石州瓦

もっとも有名なのが島根県石見地方で作られる石州瓦です。粘土瓦であり、淡路瓦、三州瓦とならぶ日本三大瓦のひとつ。この地域は古代から瓦が生産されていた(なにせお隣の出雲は神話の国)ようで、歴史は古いのです。

約1200℃の高温で焼くため耐久性があり、極寒で積雪も多い地域に多く使用されています。

島根県ではないですが、実はその南に位置する広島県でも多く見かけることができる石州瓦。
比較的温暖な瀬戸内に面した県ですが、中南部に位置する東広島市ではとくに赤瓦が多いのです。酒蔵でも多く取り入れられています。

石見地方が近く、古くから寒さに強い瓦として取り入れられてきたものと考えられます。広島県県北エリアや、ほかの中国地方の県でもちらほら見かける色です。

同じ広島県でも沿岸部は黒ばかりなのに、東広島に入った途端に赤が増えます。現在東広島市では、古くからの街の景観を守るために学校などの施設でも積極的に赤瓦を使っているようです。

■石川県加賀の赤瓦

島根県と同じく、日本海面している石川県。ここでは、とくに加賀市で赤瓦を見ることができます。こちらも同じく寒冷地なので、石州瓦と同じ理由で住宅に多く取り入れられています。

江戸時代末期には釉薬を使った製法が普及しており、約1300℃もの高温で焼かれるため強度・耐久性は抜群です。

この加賀の赤瓦はもともと山陰地方の石州瓦が伝わったものと言われており、石州瓦の系統にある瓦です。

旅行で各地をまわる際、名所でなくてもこういった住宅にも目を向けると結構楽しいですよ。


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